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第五話 (斎藤視点)二週間なんです。

斎藤君視点です。

相沢があんなやつだったとは、こんなことにならなかったらきっと一生知らずに過ごしてたと思う。

言っちゃ悪いが、相沢は大人しめというかオタクっぽいグループ属にしている。まったく俺とは正反対で、関わることもほとんど無かった。

相沢の名前を知っていたのも、たまたま名前の順で呼ばれるのが一番最初だったからというだけだ。








俺は学校の帰り、いつものように女と遊んでいい気分で道を歩いてた。

横断歩道の赤信号が、青にかわるのを待っているとバイクが走ってくるのが見えた。

そのバイクはハンドルミスの為か、蛇行しながら俺のところに向ってきた。ヤバいとおもった瞬間には遅すぎた。





気がついたら目の前に俺がいた。訳がわからない。

どういことだ?横を見るとオヤジとおかんが泣いているのが見える。


「オイ、おやじ!!これどういうことだよ!なんで俺が二人いるんだよ!」


叫んでみても二人は全く気付かない。


「オイって!!!無視すんなよっ!!!」


おやじに掴みかかるが、おやじは無視しつづける。触れてる感覚はあるのに何か違う。


「な、何なんだよこれ・・・・・・・どうゆうことだよ!!!」


俺は自分の両手を呆然と見つめるしかなかった。




それからは、ただただ日が過ぎていった。しょっちゅう壁から変なもんが出てくるし、夜になるともっと変なものが来る。恐ろしくて、ほとんどもう一人の自分のそばを離れられなかった。

しばらくすると、親やクラスメイト達が部屋にきたがやっぱり誰も俺に気がつかない。

彼らの会話から想像できたのは「ここは病院で、俺は事故ったらしい」ということだけだった。

そんな時だった。


見舞いのクラスメイト達がまた来たのをボケっと見ていると、一人の女と目があった。

そいつはわざとらしくパッと目をそらしたが、その瞬間俺は微かな希望で体が震えそうな体を叱咤して話しかけた。









「・・・・・・おい、お前相沢?だったよな。俺が見えるのか??」












相沢にボロクソに言われて傷ついた、ウブで壊れやすいガラスのマイハートを抱えながら相沢宅の階段を降りる。

光の漏れるリビングに入ると、相沢は飯を食っているところだった。


「へぇ~お前の母ちゃんちっちゃいおばちゃんって感じだな。」


<お前の表現力のなさに脱帽したよ。ハハハハハハ>


今日の相沢家の食卓は、豚カツにご飯にお味噌汁といたって普通のものだった。

唯一、普通でないのがその量だった。

こんだけ食べて、そのスタイル(別にそんなによくないが、普通)を保てているのが不思議なぐらいだ。


「・・・見てるだけで吐きそうな量だな。」


<食べざかりやねん。>


「たま!あんたキャベツも食べや!」


「ハイハイ。」


返事をしながらも相沢は、キャベツを皿の端によける。


「野菜も食べないと、血液ドロドロで早死にするぞ。」


<嫌いなもん食べて長生きするんやったら、好きなもんだけ食べて早死にしたほうがいいアルね。>


「何で最後は中国人化したんだ。・・・それよりも、メシ食い終わったら今後のことを話し合おうぜ。」


<その前にお風呂。>


そう言う相沢に、ここで話を先延ばしにしたら明日まで話し合えないと感じた俺は止めにかかる。


「駄目だ。風呂は、『どうやって体に戻るのか、どうやったら俺が悪い幽霊に取りつかれないか』を話し合ってからだ。あっ!後、お前の見える世界についても色々教えてくれ。大事なことは、後回しにしたらいけないぞ。」


<小姑みたいやな。わかったからご飯くらいゆっくりまったりガッツリ食べさせて。>











勉強机とセットの椅子に、珠相沢はそんなに長くない足を組んでふんぞりかえっている。

足が短いと組みにくそうだが、カッコをつけるために足をプルプルさせながら耐えている姿はおもしろい。


「で、まずはやな・・・・・・・」



相沢の説明は途中で話がそれたりするので、なんとか俺が箇条書きにしてみることに成功した。


その一

体に戻るには、『戻りたい』強く思う必要がある。そのため、戻るために必要な強い理由、もの、ヒト、思いなどが必要。思いが足りればすぐ戻れる。(例:好きな女の人がいる。だからまた体に戻って彼女と付きあいたい)


その二

俺が体に戻りたいと思っている程度ではまだ足りない。だから現段階で戻れていない。


その三

体に戻る前に、悪霊に取り込まれたら二度と体に戻れない。取り込まれたら魂が死ぬということ。魂が死ねば、そのうち体も死ぬ。


その四

俺は、他の霊になめられてる(らしい)ので、狙われやすい。だからある程度の低級霊は自分で対処できるようにしましょう。


その五

対処するためには気の訓練が必要。気は誰もが持っており、一人一人違う。密度の高い気ほどレベルが高い。逆に密度が低いほどレベルは低い。つまりは気の密度の濃淡により強さが決まる。



「・・・ということだな。」


「まぁ、短く言えばそう言うこっちゃな。もう一つあるけど聞きたい?」


「聞きたいです。」


「体と魂が離れてる期間が長ければ長いほど体に戻れにくくなる。斎藤はここ一か月ほど離れっぱなしやから、はよ戻らなやばいで。斎藤の場合は、よくある一時的な幽体離脱とはちょっとワケがちゃうからね。」


「それを早く言えよ!!!・・・体に戻る期限を決めようぜ。あと何日ぐらいなら戻りやすそう?」

つい焦ってしまってひきつったような声がでてしまう。


「確実に戻れる期間は、あと二週間以内ちゅーとこやな。それ以上やと、強い思いだけやったら戻りづらくなる。」


「あと二週間。・・・・・・・・・。」





俺は戻りたいつもりだが、重いがまだ足りないらしい。あと二週間で、大切なものを見つけられるのだろうか。

いや、見つけないといけないんだ。




俺は、かなり厳しい期限を受け入れるしかなかったのだった。






見えるんです。執筆途中なのに、異世界トリップものも書いちゃってます。

それもそのうち投稿するんで、もしよかったらみてやってください。

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