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また、夏がやってくる
私の嫌いなあの夏だ
『ねぇ、約束だよ。みんなを守って』
柔らかく優しい目をして
いつもの明るい笑顔ではなく微笑んだように笑う君
瞳に沢山の涙を溜めながら微笑んだ君
いつも笑顔しか見せないのに
こういう時だけは涙を見せる
うん、わかったよ
君の願いなら私は必ず叶えよう
息を吸う
私が代わりに君の願いを叶えるよ
君が願った思いを
君が望んだ景色を
私が代わりにつくっていくよ
空に甲高い音が響く
それは鳥のように雲のように空を渡っていった