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コミカライズ配信記念『レイモンドの隠し事2』

コミカライズ配信記念の番外編完結!!

皆様、漫画の世界に飛び立ったロザリアとレイモンドたちを、これからもどうぞよろしくお願いいたします!!

 

「なっ!?」

 その光景を見て、思わず声が出てしまった。


 だって部屋の中には──。


「何これ!?」

「!! ロザリア!?」


 私のグッズであふれかえっていたのだから──。


 私のポスターにクッション、ブランケット……そして最奥には私の写真が飾られている祭壇……。

 もはや恐怖を感じる。


「お、おまっ、なんでここに!?」

「あなたが度々夜中にこっそり抜け出してるから、後をつけてきたのよ!! で、この部屋は何なの? 定期的に夜中に抜け出して、ここで何してるのよ?」


 私が尋ねると、レイモンドは持っていた本を自分の背に慌てて隠した。


「何で隠すのよ?」

「い、いや、別に……」


 別にと言いながら目が泳いでるあたり、この人は本当に嘘が苦手だ。

 馬鹿正直というかなんというか……。


 それでも他国との交渉ではきちんと仮面をかぶってきちんとこなしていく。

 国王の顔とヘタレの顔は正反対で、それでもちゃんとスイッチのオンオフができてるところは昔から尊敬できる部分だ。


「はぁ……。私は、ちゃんと不安なことや疑問があればあなたに聞いていきたい。もやもやするくらいなら、こじれてすれ違うくらいなら、どんな答えだろうとちゃんと聞いて、話がしたい。これからも、変わらずあなたと同じ時間を過ごしていきたいから」


 もうすれ違って傷つけあうのは嫌だから。


「ロザリア……。……うん、そうだな。ごめん」

 レイモンドは優しく微笑んで私の頭をひと撫ですると、一度息をついてから、まっすぐに私を見てゆっくりと口を開いた。


「ここにあるのはな……ロザリアのファンクラブのグッズなんだよ」

「……」

「……」

「…………は!?」


 私のファンクラブの……グッズ!?

 ファンクラブって!?

 ま、まさか侍女たちの【ロザリア様を見守り隊】ってやつ!?


「え、えっと……ごめん、わかるように説明して」


 予想だにしていなかったカミングアウトに頭が追い付かない。

 とりあえず補足だ。

 補足を聞かねば。

 話はそれからだ。


「俺も入れてもらったんだよ。その見守り隊に。そうしたら侍女たちがなんか嬉しかったらしくていろんなグッズ作ってくれるようになってさ……。さすがにお前に見せるのは気まずいから、非常時の隔離部屋として作られたこの隠し部屋に置いていったんだ」


 あの子たち……。

 私とレイモンドがすれ違いを脱却して一番喜んだのは侍女たちなんじゃないかと思うほどに、彼女たちは私たちが穏やかに過ごすのを見ては嬉しそうにニコニコ(ニマニマ)と生暖かい笑顔で見守ってくれている。


 レイモンドに私のグッズを作って渡していったのも、きっと私達の中が修復されて嬉しいが故、なんでしょうね。


 そう思うと長い間心配をかけてきただけに怒ることはできない。


「この本は……その……今国民の間で出回ってるらしい、妄想本っていうやつでな。その、あー……俺とお前を主人公にした恋愛小説、らしくて……」


「妄想本!?」

 前世でいう、同人誌的なやつってことかしら。

 しかも私とレイモンドの、って……。


「侍女たちからそういうものがあるってきいて、4冊ほど取り寄せてもらって……。さすがに毎晩読むのは公務に支障を来たしそうだから、週に1回、2日間かけて一冊を読んでた」


 つまり、秘密裏に入手した私とレイモンドが主人公の同人誌を、私に知られると気まずいからこっそり読んでたってこと?


「な……なんだぁ~……よかった……」

 思わず力が抜けてその場にへなへなと崩れ落ちる。


「よかったって……いったいなんだと思ってたんだよ……」

「う……浮気かと思って……心配してたから」

「浮気!?」

「小さい頃から一緒にいる私のことなんて飽きて、別の目新しい女の子と逢瀬してるんだと……」


 気まずさからしりすぼみになる私に、レイモンドが「そんなわけないっ!!」と声を上げる。


「俺がロザリアに飽きるとか、絶対ないからな。どんだけ長い間好きだったと思ってんだよ。出会ってからずっと、お前しか見てないし、目移りしたこともない。それどころか日に日に好きが増してるし。お前しか好きになれないんだよ、俺は」

「~~~っ!!」


 いつもヘタレのくせにこういう時はしれっとカッコいいこと言うんだからこの男は……!!

 なんだかものすごく悔しいわ。


「でも、不安にさせてごめんな」

 しゅん、と肩を落とすレイモンドに、愛おしさがこみあげる。

 あぁもう、どうしてこの男は。


「いいわ。でも、これからはこっそりベッドを抜け出していかないで。その……起きた時にあなたがいないのは、なんだかとても、その……さ、寂しい、から」


「俺の妻が可愛すぎて辛い……」


 その夜私は、レイモンドおすすめの同人誌を借りて、部屋に戻って二人で読み明かした。


 自分の同人誌を読むのはなかなかの羞恥心をあおったけれど、表現は自由だ。

 国民を止める気はない。

 国民がいかに私たち夫婦を愛してくれているのかがわかるものばかりだし。


 これからも私は、愛おしいヘタレな私の王子様と、幸せに生きていくだろう。


 だってこんなにもたくさんの人が、私たちを見守ってくれているんだから。


「レイモンド」

「ん?」

「これからもよろしくね」

「あたりまえだ。来世でもずっと、よろしくしてやるよ」


 END


コミックシーモア様にてコミカライズ版(https://www.cmoa.jp/title/285760/)スタート!!

2月26日まで1巻無料で読めますので是非に(*'ω'*)


又、連載中の長編、異世界転移恋愛ファンタジー「人魚無双〜幼女になって転移した先で推しの幸せのために私は生きる〜(https://ncode.syosetu.com/n0305hn/)」も最終章が始まっておりますので、応援よろしくお願いします!!


新作「元稀代の悪役王女ですが、二度目の人生では私を殺した5人の夫とは関わらずに生き残りたいと思います(https://ncode.syosetu.com/n3124ip/)」もよかったら……!!


それでは皆様、今年はまだまだいろいろ書籍出ますので、応援よろしくお願いいたしますぅぅうう!!

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