二話
アリス「それで?魔理沙は何をしてたのよ?」
魔理沙「だから、説明するためにバトルしてたんだよ」
アリス「なんでバトルなのよ?」
魔理沙「オレァ、感覚派だから理論的に説明すんのは苦手なんだよ。だから戦闘しながら能力とか確かめてたんだ」
アリス「で?なにかわかったのかしら?」
魔理沙「ああ!もちろんだぜ!多分コイツの能力は鳥の部位を体に反映したり、鳥の力を使える能力だ!」
アリス「あら、意外と分析してるのね」
魔理沙「たりめぇだろ!そうだなぁ。名前をつけるとしたら、鳥の力を操れる程度の能力。かな」
アリス「鳥、ねぇ……」
俺「な、なあ。能力ってなんなんだ?」
アリス「魔理沙……」
魔理沙「アリス、頼む」
アリス「はあ……。ここ、幻想郷ではね。基本みんな能力を持っているの。〇〇を操る程度の能力、〇〇を扱える程度の能力とかね」
俺「なるほどなぁ……」
魔理沙「そうそう。お前は外から来たからな、能力なんて知らないだろうし。だからまずは自覚させるとこから始めたんだよ」
俺「それで、魔理沙は俺の能力を確かめたんだな」
魔理沙「まあな」
アリス「まあ、能力の説明は終わりにしましょう。次の話になるわ。この幻想郷について詳しく説明しましょう」
俺「おう!アリス、よろしく!」
アリス「幻想郷には外の世界で失われた『幻想になったもの』。つまり、忘れ去られたものが集まるとされているの。
外の世界で減少した生物や空想の生物とか。外の世界で使用する機会が減って、消えつつある道具などが幻想郷に現れることもあるのよ」
俺「ほうほう」
アリス「そして、これが重要。幻想郷は博麗大結界っていう結界によって守られているの」
俺「結界?」
アリス「そう。幻想郷を外と遮断するためのね。外からは幻想郷の存在を確認することはできないし、幻想郷内に入ることもできない。
同様に、幻想郷からも外の様子を確認することはできないし、幻想郷から外へ出ることもできないの」
俺「じゃあ、俺は?どうやって入ったんだよ?」
アリス「あなたは会ったんでしょう?紫に」
俺「ああ」
アリス「紫の能力は、境界を操る程度の能力。つまり、結界を操ったり超えたりできる存在なの。だから紫はあなたをこちらへ呼べたのよ」
俺「な、なるほど……」
アリス「長々とごめんなさいね。あとは、言うことないかしらね?」
魔理沙「もうないんじゃね?」
アリス「あ、そうだわ。ここ、幻想郷では妖怪や妖精っていう種族とかいるからね」
俺「え……!?そうなのか!?」
アリス「あら。そんなに驚くことかしら?」
俺「んー、いや。外だとありえなかったから驚いただけだ。ここではそういうのがいるんだな……」
アリス「ええ。まあ、特に危険性はないから安心しなさい」
俺「危険はないのか……。ならいいか」
魔理沙「なあアリスゥ……ヒマだぁ……」
俺とアリスが話していると魔理沙が怠そうに言ってきた。
アリス「もう!魔理沙ったら……。しょうがないわね……。まずは博麗神社を目指しましょう」
俺「博麗神社?」
アリス「その話は道中でするわ。ほら、行くわよ魔理沙」
魔理沙「ほーい。あ、帽子取ってくるわぁ」
アリス「まったく……忙しないんだから」
俺「な、なあ。ちょっと気になったんだけど。二人の能力ってなんなんだ?」
アリス「んー……そうね。教えといたほうがいいかしら?」
俺「ああ、頼む」
アリス「魔理沙の能力は本人に聞きなさいね。で、私の能力は人形を操る程度の能力よ。人間に可能な動きを人形にさせることができるわ」
俺「なるほど……」
魔理沙「よっと、待たせたな!」
さっきの怠そうな感じから一変して元気に声を上げる。
俺「なあ、魔理沙」
魔理沙「なんだ?」
俺「魔理沙の能力ってなんだ?」
魔理沙「オレの能力か……。オレの能力は魔法を使う程度の能力だ」
俺「魔法?ってなんだ?」
魔理沙「そこは説明がムズいから言わん。とにかく、魔法っぽいことが色々できるってことだ」
俺「強そう、だな」
アリス「ほら、駄弁ってないで行くわよー?」
俺「おう」
魔理沙「ほいほい」
森の中を歩く俺たち。
俺「それで、博麗神社ってなんだ?」
アリス「さっき言った結界を手入れ?っていうのかしら?まあ、管理している人が住んでいるところよ。それで、神社自体が結界の境界にあるのよ」
俺「そうなのか……」
魔理沙「そうそう。地味に遠いんだよなぁ、博麗神社。でも、まあ景色はいいから楽しみにしときな!」
俺「お、おう」
魔理沙たちと話しているとどこかからか声が聞こえた。
???「あー!ニンゲンだー!」
???「ニンゲン?ホントなのだー!」
???「待ってよふたりともー!」
俺「なんだ?だれだ?」
アリス「あぁ、あの娘たちね。今日も森で遊んでたのかしら」
俺「あの娘たち?」
???「あたいの名前はチルノ!よろしくなー!ニンゲン!」
急に目の前に飛んできた幼女。
氷のような羽?が背中から生えていて、空中に浮いていた。
俺「うおっ!」
???「チルノちゃーん、待ってよー!」
???「よっ!なのだ!ニンゲン!」
次いで羽の生えた二人の幼女が飛んできた。
チルノ「お?アリスと魔理沙もいたのか」
アリス「いるわよ。今からこの子を博麗神社に送りに行くのよ」
???「そーなのかー?」
魔理沙「おう!コイツを霊夢んとこに連れてくのさ!」
???「ふぅふぅ……、そうなんですね……」
アリス「ええ。どうせならあなた達もついてくる?」
???「いいのかー?」
チルノ「アタイはついていくぞ!」
???「チルノちゃんがそう言うなら……」
俺「なあ、アリス。この子たちは?」
アリス「妖精よ」
俺「妖精……か」
???「そーなのだー!ニンゲンよー!あたしたちは妖精なのだ!」
???「えっと……どうも。大妖精っていいます……。お兄さんは?」
俺「俺はウミタカ。よろしくな、大妖精」
挨拶してきた幼女は大妖精というらしい。
大妖精の外見は翠の目に緑の髪の毛。
特徴的なのは左の髪の毛を黄色いリボンで結んでいるところだ。
大妖精「えと……よろしくおねがいします」
チルノ「あっこら!大ちゃんだけニンゲンと仲良くなるなんてズルいぞ!」
大妖精「もぅ……チルノちゃん。このお兄さんはウミタカさんっていうんだよ?ニンゲン、って言っちゃだめだよ。失礼でしょ?」
チルノ「このニンゲンはウミタカっていうのか?じゃ、ウミタカよろしくな!」
俺「お、おう。よろしくな、チルノ」
少しバカっぽい幼女の名前はチルノ、というらしい。
水色の髪の毛に蒼い目。
そして特徴的なのは頭にある大きいリボン。
リボンの色は緑と青の境目のような色。
???「置いてけぼりなのだー……」
俺「おう……すまんな。俺はウミタカ。君は?」
???「あたしはルーミア!よろしくな、ウミタカ!」
俺「おう。よろしくな、ルーミア」
ルーミアの外見は赤い目に髪の毛は黄色いボブ。
特徴的なのは頭にある赤いリボン。
魔理沙「なあ、アリス。大所帯になったな」
アリス「そうね。ま、いいでしょ。それじゃ、挨拶も終わったし行きましょ」
俺「そうだな」