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エテメンアンキ  作者: まりえ
終わる世界
1/8

邂逅

 風が奔り花びらが舞う。

 月夜にうつるそれは、まるで幻想のようで。

 抱き合う二人を祝福しているかのようで。


 世界から切り離されたとしても。

 彼女たちは背徳の幸せの中にいるのだろう。


 もはや二人を引き裂くものは何も無い。


 錆びた鉄の匂いが漂い、赤い液体が地を染める。


 それを見つめるのも、また少女。

 唇を噛み紅い雫がゆっくりたれる。

 彼女に襲い掛かるのは悔恨の念。

 終わったことだ。罪悪感に駆られるのは無意味とわかっていても、それでもやるせない。


 少女はきびすを返し、その場を後にする。

 二度と忘れまいと二人の姿を記憶に焼き付けながら。

 追憶の罰をその身に受けながら。




「姉さん。」

「なぁに?」

「私のこと、愛してる?」


 姉さんと呼ばれた黒髪の女性はくすりと、小さく笑みを浮かべた。


「えぇ、もちろんよ。」


 天は黒く、地は赤く。

 ある女子高生を主役とした舞台はひっそりと幕を閉じる。

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