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チュートリアル その1

「まずは、兵科に関して説明しよう」

 

 所長についていくと、そこは無機質な空間が広がっていた。

「戦闘科、支援科、指揮科の3種類の兵科に分かれる。君は、戦闘科で良いのかな?」

「もちろん」

 俺のやりたい事は、もう一度メカに乗って戦う事。

「戦闘科は、歩兵部隊、装甲兵部隊、機械兵器に大まかに分かれる。最初は、歩兵から始まる」

「物語的に、俺たちはどういう位置づけなんだ?」

「公式HPを参照してください」

「まぁ、見ているから知っているけどね」

「なら、説明は省略します」


 この物語は、実在する全ての物とは関係ありません。と言うお約束から始まる物語は、火星開拓を始めた人類が、外的と遭遇して戦う事になる経緯が書かれていた。

 火星軍の新人兵として、俺たちは戦場に出ると言う物語だけど、正規兵ではなく傭兵的な立ち位置らしい。

「過去のゲームのデータと連動して、初期ステーたるが若干変化するよ。あとは、脳測定の結果も、データに反映させました」

 所長は、楽しそうに笑う。

「君みたいな子は、色々とやってくれそうだから楽しいな」

 そう言いながら、一枚のカードのような物をこちらに投げてくる。


・プレイネームを決めてください


 そのカードには、そう表示されている。

「ムラサメ」

「本名?」

「ナインテールは、機体の名前に使いたい。本名の使用は駄目かな?」

「問題ない。今の電脳法は、色々と保護しているよ」

「なら、それで」

「了解。カード見て?」

「?」


・データを統合しても宜しいですか?


「お願いします」


・データを統合しました。初期ステータスの設定完了。


・名前 ムラサメ

・兵科 戦闘歩兵

・装備 戦闘強化服 初期 EP 1000

・武装 未設定

・能力値 

 射撃 10 

 近接 50 

 命中 測定不能

 幸運 10

・試練 狙い撃ち

・加護 空間把握


・異常が結果になります。


「これは、なんといって言いのやら・・・」

 所長は、俺のステータスを見て驚いている。

「測定不能って、こんな設定あったの?」

「急遽、製作しました」

 空間に、別の声が聞こえてくる。焦っている男の人の声だ。

「別記上、MAXに変更しておいて」

「了解します」

「君、射撃に関して怖い才能ありそうだね・・・」

「数値は、低いけど?」

「これは、射撃攻撃に加算される数値。命中の方が、どちらかと言えば大事。射撃だけなら、武器で補える。命中も、装備である程度補える。ちょっと、テストしてみようかな」

 そう言いながら。的らしき物を、所長は用意する。

 その間に、色々と説明を聞く。


 装備に関しては、戦闘強化服と言うのになる。初期EPと言うのは、エネルギーの事。背中のランドセルにエネルギータンクがあり、その容量を示している。

 これは、攻撃と防御の両方に使用する。基本半々。所長曰く、防御に全部のエネルギーをつぎ込めば、戦車の主砲を防ぐ事が出来るという設定らしい。

 EPがなくなると、死亡扱いで強制回収される。ゲームなので、30秒以内に仲間からEPを補給されれ場、その場所で復帰できると言う設定だ。

 武装に関しては、色々とあるらしい、基本的な銃器から、浪漫兵器まで、今後も増える予定との事。

 射撃、近接は、それぞれの攻撃をした時、通常の効果に加算される数字。基本の数字は10.

 俺の場合近接の値が、射撃の5倍になっている。

「射撃の数値は、武器によって変化が激しいからね。近接は、個人のプレイヤースキルで変化が大きい。君は、何か隠しているのかな?」

「何も、隠していないですよ」

 ただ、昔から動体視力はいいと言われているし、そう思っている。相手の動き異を見て、それにあわせて動くのは、得意なほうだった。この辺が、数字になっているのかもしれない。

 そこまで判断する、脳検査は恐ろしいと思う。

 幸運は、おまけ的な数字らしい。これを上げれば、ドロップの質が上がるらしいが、課金要素で、最高が100。これにしても、ランクが2つほど上がるだけらしい。

 1上げるのに、1クレジット。1クレジットは100円で販売知れている。

 先の大会で、俺は100万クレジットを手のしているで、折角なのでここに投入。

 幸運は100になった。

 

「加護と試練は、実際にやって説明するよ。まずは、初期のハンドガンを使ってみて」

 目の前に、ハンドガンが出現する。

「最初は、アシスト機能をONにしてあるから、自由にやってみて」

 そういわれたので、銃を構えてみる。

 的は、風船だった。20メートル離れた場所を、ふわふわと浮かんでいる。

「これ位なら、余裕だな」

 目標を見ると、アシスト機能が作動して、敵の位置をマークしてくれる。

「そこを狙って、撃つ!」

 そうイメージしすると、体がそのように動く。そして、攻撃は命中する。

「アシスト機能を、OFFにするよ」

 風船を見ても、マークは現れない。マークがあることで、意識がそこに集まって、命中率が上がる。

 現実世界で、銃の練習なんてした事はない。遊びで少しやった事はあるけど、20メートルの距離を当てる自信はない。

 でも、ここは電脳空間だ。

 風船を強く意識する。その周辺を感じる。空間を視る。

「やっぱり、こっちの方が簡単だな」

 結果は、全弾命中。俺が意識した場所をちゃんと狙えている。

「実験は、成功ですね?」

 少し、威嚇するように所長に文句を言う。

「成功だよ。実存するどのツールを使っても今の気味の射撃は出来ない。個人的なプレイヤースキルと認めよう」

 アシスト機能をオフにした瞬間、風船の動きが変わった。

 確実に、銃口の先から逃げる動きだった。最初は偶然かと思ったけど、どれを狙っても同じ結果だった。

 風船は、銃の範囲に来ると、不自然に動く。それまでは、一定の動きを見せていた。

 だから、その先を読んで、移動する前に、移動した場所を狙って撃つと言う事をした。

 これ、神経使うからあまりやりたくない。ただ、いつもよりも、意識が簡単に出来たのは、祝福のおかげかもしれない。

「さて、次は実際のミッションをやってもらうつもりだけど、メンバーはどうする?」

「1人、約束した人がいるから、迎えに行きたいです」

「解った。私も1人、お願いした人がいるから、つれてくる。出来れば、今後もチームを組んでくれると助かる」

「それは、会ってみないと解りません」

「それもそうか、女の子を泣かすような、鬼畜だったからな、君は」

 そう言って、所長は姿を消した。だが、彼女の行ったことの意味が解らない。俺は、そんな事をした記憶はない。ないと思う。

 考えても仕方ない。こちらも、行かなければいけない。

 メールで連絡を取りながら、ロビーへと向かうのだった。



一週間に2話ぐらいのペースで投稿予定です。

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