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女騎士「原付を買うぞ」

「さて。次はいよいよ原付の購入となる」


「ついにか……っ!」


 バイクの購入と言えば、バイカーの一大イベントと言えます。


 特に、中型二輪免許を取ったばかりの新人バイカーにとって、バイク雑誌やネットで様々なバイクを調べ、実際に目で確かめるなどの作業をします。


 中には、バイクを選んでいるときが一番楽しい、という意見も多いです。それだけ、バイクの購入というのはワクワクイベントなのです。それは、原付に関しても同じでしょう。


「と、その前に」


「?」


 唐突に道雄が話を遮るものですから、レヴィは首をかしげます。


「保険は絶対に入れておくからな。また、昨日みたいなのをされたらかなわん。ま、保険に関しては買ったときに俺がやっておく。よし、じゃあお待ちかねのバイク選びだ。さて、バイクメーカーには主に3つある。わかるか?」


「まったくだ!」


 景気のいいあいさつですね。道雄も悪い気分にはなりません。


「うん。ホンダとスズキとヤマハ。あと、海外メーカーとかも実はあるらしいが、初めてで海外メーカーなんて冒険をする必要はないと思う」


「海外メーカー、というのは?」


「えっと、外国のメーカーのこと。たしかに、プジョーが作ってたって聞いたな」


「なぜこの国のものでないとダメ何だ?」


「いや、俺も原付で外国メーカーなんか使ったことないけどさ。やっぱ、乗り物はこの国で作ったものの方が故障も少ないし、乗り心地も楽だ。スピードやデザインで選ぶ人もいるけどな」


「わかった。では、その国内メーカーについて教えてくれ」


「うん。じゃあ、まず王道のホンダからいこう。ぶっちゃけ、特にこだわりもお金に困ってさえいなければ、ホンダの新車を選べばいいと思う。失敗はしないと思うよ」


「つまり、最大手みたなものか」


「……うぅん? どうだろう」


 ホンダと言えば、車やバイクでも有名なメーカーですね。


 バイクメーカーとしては優等生のホンダとも言われ、3メーカーの中でも品質は高水準で癖のないバイクを製造しています。


 原付教習の時はスズキのレッツでしたが、中型二輪免許での教習車や、白バイではしばし品質の良いホンダが採用されていますね。それに、郵便配達のバイクもカブです。その理由なのですが……。


「ホンダの原付と言えば、なんといってもカブだ。カブはもっとも売れた原付とも言われていてな、海外ではホンダ=カブと認識されている」


「どんなバイクなんだ?」


「燃費だって悪くないが、なにより丈夫なのが特徴だ。郵便配達や出前なんかで荷物が多くなっても、カブは常識的な量ならば易々と持ち上げてくれる。ああ、そういえば、アメリカの番組で、カブがどれだけ頭のイカれた性能なのかを検証した番組があったな。Youtubeに上がっているから、見てみようか」


 そう言って、道雄はタブレットでYoutubeにアクセスし、とある動画を開きました。そこでは、カブ90にエンジンオイルの代わりとしてサラダ油を入れるとか、ピザを80枚と果物(合計200キロくらい?)を積載して走るとか、果てにはビルの屋上(22メーター)から株を突き落とす実験をしています。


「改めてみると、すげえな。サラダ油の方が良い動きするってどういう理屈だよ」


「なんだこれは……たまげたなぁ……」


 しかし、どの実験にもカブは耐えて見せました。道雄はおかしくて笑っていますが、レヴィにとって笑いごとでなく、目の前の光景に釘付けになりました


「まぁ、これでカブの性能は分かったと思う。たぶん、他のホンダバイクも似たような性能なんじゃないか?」


「う、うむ。……すさまじいな」


 レヴィ、さすがに言葉を失ったようです。


「次は、まぁ、スズキかな。スズキは、一言でいえば庶民の味方メーカー、かな」


「と、言うと?」


「安い。コスパがいい。昔は安物買いの銭失い、なんて言われていたらしいが、今は品質に問題があるとは思えないかな。実際、俺のST250はスズキだ」


「ああ、あのエレガントなバイクのことか」


「そう。ST250は常識的だが、デザインが奇抜で、虜になるバイク乗りも多いとか。代表的なのは、カタナが一番有名だけど、原付だと通勤通学に特化していて、デザインは安物だけどコスパと性能に力を入れてる感じかな。ああ、そういえば、チョイノリなんてバイクがあったな。あれはウケたな」


「チョイノリ?」


 道雄は再びタブレットを操作し、チョイノリの画像を表示しました。

 

「なんだこの間抜けなバイクは」


「たしか、原付ユーザーの一階の移動距離が2キロ程度だから、必要最低限あればいいんじゃね? って企画から始まった冗談みたいなバイクだ。重量も39キロ。ちょっと重い電動自転車みたいなもん」


 カブに比べればイロモノバイクなのは間違いありませんが、筆者はこのチョイノリは好きです。乗ったことはありませんがね。


けれど、このチョイノリで日本一周をした2ch(現5ch)ユーザーがいて、たまたま立ち寄ったスズキ本社に招かれた話もあり、愛されているバイクなんだなぁ、と思っています。


「次のヤマハだが……。ううん、なんといえばいいんだろうか」


「品質が悪いのか?」


「いや、まったく。ただ、俺は250ccですらヤマハバイクには跨ったくらいしかないからな。……ちなみに、お前はヤマハがどんな企業かを……」


「知らん」


「ですよね」


 ヤマハと言えば、音楽方面の印象が強いと思います。今は音楽とバイクメーカーとしてのヤマハは分かれているらしいですが、元をたどれば同じですね。トヨタのエンジン開発でもしばし名前を聞きます。

 

「そういえば、ゆるキャンって言う旅アニメでは、主人公はビーノに乗っていたな。見てみるか?」


「うむ」


 そう言い、道雄はまたタブレットを操作し、ビーノの写真を表示します。


「お、おぅ!? 以外におしゃれと言うか、可愛らしいデザインだ。チョイノリとは違う波長を感じるぞ」


「脳筋に見えて、お前も女の子だったか。うん。可愛いよな」


 ヤマハの特徴として、デザインの美しさを上げる人も少なくありません。高級志向というか、ヨーロッパ風の貴婦人的な美しさを感じるバイクも多いですね。筆者のイメージですが。


「こんなもんかなぁ。中型二輪となれば、カワサキのバイクもあるけど。ちなみに、原付一台の価格は、まぁ大体20万くらいかな」


「……貸してください」


 無職のレヴィは頭を下げるほかにありません。まぁ、戸籍は手に入れたのです。また就職すればいいのです。


「うん。まぁ、事が終わったらバイト探してやるから」


「何から何まで済まない……」


 ちなみに、原付の値段ですが、ホンダとヤマハの一般的な新車の50ccバイクなら20~25万くらいで、たいしてスズキのレッツ4は20万に届くか届かないかくらいの値段で購入できます。チョイノリは10万にもみたないとか。


 中古なら、もっと安くなります。


 なので、通勤通学に使うだけ! という方にはスズキのバイクでも十分だと思います。実際、コストパフォーマンスも良い感じです。


 他にデザインが気に入った! とか走行性能に拘りがある! という方には随時、色々なバイクを調べてもいいでしょう。


 高校生で原付の通学は大変でしょうが、大学生ならば原付通学はかなり楽しいです。


 筆者も大学入学と同時に原付を購入しましたが、自身で目的地を調べ、迷いもしますが、色々な道を知り、なんとか辿り着くという経験は、何事にも代えがたい価値を持ちます。


 まぁ、もちろん自転車でも良いんですけどね。自転車は健康的ですし、メンテも楽ですし、高いものでも原付より一回り安価なもので十分通学に不便はしません。


 原付にしても、自転車にしても、遠くへ出かけるのが楽しい! という乗り物があると、人生少しは楽しくなります。


「じゃあ、少し見に行ってみるか。何か気になるものとかあるか?」


「うむ。それなんだがな……」


 次回、名古屋編! 

 




 






 


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