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甘え嬢ズ  作者: あさまる
73/88

23ー2

言えるようなことならば、初めから言っているだろう。

しかし、そのような様子はない。

何か事情があるのだろう。

美姫はそう思った。


優香を盗んでいく可能性があるような先輩。

しかし、困っているなら手助けしなくてはならないだろう。

こうも思っていた。



「まぁ、いいや。何か言えない理由があるんだよね?」


「……。」

無言の肯定。


「でも私だけじゃどうしようもないから助っ人呼ばない?」

美姫の言葉。

そんなことを言う美姫の顔は、心なしか嬉しそうだった。


助っ人。

美姫のその言葉に、心当たりがないわけではない紅葉。

しかし、彼女に頼るのは、癪だった。


美姫が頼ろうとした人物。

それは、優香だった。

そもそも、雨乃関連で頼ることが出来るのは、彼女しかいなかった。



「うっ……でも……あいつ……。うぅ……。」

抵抗しようとする紅葉。

しかし、言葉が何も出てこなかった。


「じゃあ、優香にも相談しよう。それで良いでしょ?」

美姫の言葉。

その彼女の穏やかな口調とは裏腹に、不思議な強制力があった。


「分かったよ、分かった。」

むすっ。

言葉と表情が真逆な紅葉。



「よしっ!ありがとう。」

にこっ。

美しい微笑み。


この笑顔が見れただけでも良しとしよう。

紅葉はため息をついた。



「……と、言うことなんだけど……。優香ちゃんも一緒に考えてほしいんだけど……。」


「は、はぁ……。」

困惑する優香。


美姫の頼みなら、力になりたい。

そして、雨乃が困っているのならば、助けたい。

しかし、どうすれば良いのだろう。


今まで不良で、過去に何人も病院送りしたと思われていた。

しかし、それは全て偽りで、根も葉もない噂が独り歩きしたということなのだろう。


「うーん、噂……ねぇ。」

とは言え、雨乃の見た目からは仕方がないことだろう。


どうしろというのだ。

流石に無理難題ではないだろうか。


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