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甘え嬢ズ  作者: あさまる
69/88

22ー2

「……あの、何してるんですか?」


「い、いやぁ……こうすれば静かになってくれるなぁーって……。それで、あわよくば冷静になってくれればと思ってね……あはは……。」

顔を仄かに赤くしながら苦笑いする雨乃。


そんな雨乃が、今行っている行為。

それが二人の戸惑いの原因であった。


雨乃が、紅葉を自身の胸元で抱き締めていた。

咄嗟のことで、対応が出来なかった紅葉。

されるがままに雨乃の胸元に顔を埋めていた。



「ま、まぁ、落ち着きました……。」


「そりゃ良かった。」

ドキンドキンと、心臓がうるさい雨乃。



何分も無言な二人。


さて、ここからどうしようか。

雨乃は再び困っていた。



「先輩って、不良なのに滅茶苦茶優しいですよね……。もしかして私のこと狙ってます?」


ため息をつく雨乃。

「そんな冗談言えるなら大丈夫だね。……てか不良じゃないんだけど……。」

そんなことを言う彼女の顔は、やや不満げだった。


「でも注意した先生とか病院送りにしたんですよね?」


「するわけないでしょ!?確かに生徒指導の先生に怒られるけど、走って逃げてるしっ!捕まったことないんだからね!?」


「いや、誇れることじゃないでしょ、それ!足が速いんですね!それは凄いですね!」

紅葉は我慢出来ず、思わずタメ口でつっこんでしまった。


「……そもそもなんでそんな格好してるんですか?」

素朴な疑問。

恐らく、皆が思っていたことであろう質問をした。


言いずらそうな雨乃。

頬を染め、その頬をポリポリとかいている。

目を逸らし、恥ずかしそうだった。


「……え、えーっと、言わなきゃ駄目……?」


可愛い。

「可愛い。」

思わず溢れた心の声。



じゃなくて……。

「教えて下さいよ!力になれるかもしれないですよ!」

ずいっ。

力強く雨乃に詰め寄る紅葉。


彼女の圧に負けた雨乃。


「う、うん……。分かった。話すよ、話す。恐いよぉ……。」


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