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甘え嬢ズ  作者: あさまる
60/88

19ー3

「先輩お待たせしましたー。」

紅葉の声。


リビングに戻ってきた雨乃。

彼女は、玄関から聞こえたその声を聞くと、ドクンと心臓が跳ねた。



「お待たせしてすみません。姫川先輩が何味が食べたかったのか分かんなかったので、目についたの何個か買って来ましたー。」

ガチャリ。

リビングの扉を開け、紅葉が入ってきた。


「う、うん……。あ、ありがとう。」

紅葉と目を合わすことの出来ない雨乃。


「……姫川先輩……?どうしました?」

ビニール袋を机に置く。

ガサッとビニールの音が部屋に響く。


その中には、様々なポテトチップスが入っていた。



「……先輩?」

紅葉の声。

それは、先ほどまでのものと違った。


冷たく鋭い感覚。

まるで雨乃の首筋に、何らかの刃物を突きつけられているようであった。


「……な、なに?」


紅葉が、雨乃へとゆっくりと近づいてくる。

ゆっくりと来るはずなのに、雨乃は逃げれなかった。

恐怖で足がすくんでしまったのだ。


「……な、なに?」

再度の問い。


その雨乃の言葉が聞こえていないのだろうか。

紅葉の顔は、能面のような無表情であった。



「……リビングから出ました?」


「……その……。」


「……そう……そうですか、分かりました。」

雨乃の反応から全てを察した紅葉の言葉。


「あの……。」


「……引きましたよね……?」


「うっ……。」

肯定も否定も出来ない。



部屋中に隙間無く貼られた写真。

それらの全てに美姫が写っていた。


雨乃は、それらを一瞬しか見ていない。

その為、断言することは出来ない。

しかし、横を見ていたり、目線が外れているものばかりだった気がする。


美姫の姿を撮った盗撮写真。

恐らくそれで合ってるだろう。

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