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甘え嬢ズ  作者: あさまる
57/88

18ー2

「と、とにかく一度、もと来た道を戻りましょう。」

紅葉の言葉。

当たり前といえば、当たり前な提案だ。


「うっ……そ、そうなんだけど……そうなんだけどね……?その……。」

雨乃が、言いずらそうに渋る。



雨乃が何を言おうとしているのか。

紅葉は、分かった。

いや、分かってしまった。


「それも分かんなくなって……迷子……なんですよね?」

雨乃への言葉を、ですか、ではなく、ですよね、と断定した。

それだけ自信があったからだ。



数秒の沈黙。

見つめ合う二人。



「あはは……正解。」


だろうな。

雨乃に対し、思わずため息が溢れる紅葉。


「どうしよう……。」

泣きそうな雨乃。


どうもこうもない。

紅葉が、自身の携帯電話を取り出す。

そして、地図アプリを起動する。


現在二人がいる場所。

それは、知らない場所であったものの、少し歩けば分かる場所へ行ける。


「ど、どうしよぉ……。」

震える声。

涙目で、上目使い。

愛くるしい噂とのギャップ。



先ほどまで、なぜこんな可愛い少女に恐がっていたのだろう。

ごくり。

生唾を飲む紅葉。



「地図見ると私の家が近いんですけど良かったら来ませんか?」


「い、良いの!?行く行く!行きたい!」

紅葉の言葉に対し、雨乃がぴょんぴょんと跳ねて反応する。



この選択を、酷く後悔することとなる。

そんなことなど、この時の二人はまだ知る由もなかった。

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