14ー3
美姫が、クラスメイト達と挨拶を交わす。
その後、真っ先に自身の机に突っ伏した。
この前と同じ行動だ。
そして、クラスメイト達のリアクションも前回と同じであった。
ただ、前回とは違う行動をしていた者が二人いた。
それは、優香と紅葉だ。
紅葉は、この世の終わりのような顔をして席に座っている。
その顔は、真っ青だった。
一方の、優香。
一つ一つの音に大袈裟に反応している。
そして、何度かチラチラと美姫を見ている。
その顔は、真っ赤であった。
二人の変化の原因は、美姫であった。
しかし、当の本人は机に伏せている為、気がつかなかった。
前日の放課後。
それは、優香達が教室を出た後のことであった。
「着いてこないでよ。美姫のストーカー!」
後ろから着いてくる紅葉に優香が言った。
「なに?たまたま私の行き先にあんたが行ってるだけでしょ?て言うかストーカーじゃないんだけど……。」
「私知ってんのよ、あんた美姫の盗撮写真持ってんでしょ?」
ボソッと呟くような言葉を優香が言う。
「な、何で知ってる……いや、そんな訳ないでしょ!?」
目がぐるぐる回り、手をバタバタと振り回す紅葉。
その言葉を聞き、足を止める優香。
それにつられて紅葉も止まる。
「……いや、もう言っちゃってるじゃん。てかマジか……。」
苦笑いする優香。
そして、二歩ほど紅葉から距離をとった。
まさかとは思い、カマをかけた優香。
しかし、いざそうだという真実を突きつけられると、何と言えば良いのか分からなかった。
そして、実は自分もだとは言える空気ではなかった。
正確には、優香の携帯電話の待ち受け画面は、体育の授業後の美姫の着替えを盗撮した物であった。
尚言えない。
気まずさを感じながら二人は再び歩き始めた。
優香が目指すは屋上前の階段。
紅葉は、そんな優香の後を着いていくのであった。
その後、二人は衝撃の事実を突き詰められることとなる。




