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甘え嬢ズ  作者: あさまる
43/88

14ー1

突然の美姫の告白。


「……。」

真顔になる雨乃。

全ての感情が、すーっと引いていった。



知ってた。

今さら何を言っている?



「あ、あのぉ……先輩?」


完全に静止した雨乃。

そんな彼女を心配した美姫が顔を覗き込む。


「え?あぁ、うん。ごめん。聞いてる聞いてる。」


「……最初は甘やかしてくれる変わった子だなぁって思ってたんです。」


何か始まった。

これは時間がかかりそうだ。

雨乃が、窓の外を見る。


青い空に、真っ白な雲が浮かんでいる。

綺麗だな。



「それで、その時の優香ちゃんが可愛くてー……。」


「優香ちゃんが頭撫でてくれてー……。」


「優香ちゃんが笑ってくれてー……。」



夕陽に照らされる。

何時間も経過していたのだ。

まだ終わってなかったのか。

いつになったら終わるのだろうか。

無意識にため息がこぼれた雨乃。



「それで、先輩どう思いますか?」


「うーん、ごめん。今まで惚気話ばっかでよく分かんなかった。」


「え、ちゃんと聞いてくれましたか?」

ブスッと不機嫌な顔をする美姫。


その顔と言動に、雨乃は苛ついてしまった。

なぜこんな長時間どうでも良い話を聞かされて、しまいには不機嫌になるのだ。

もともと彼女が相談に乗ると言った。

そのせいでこうなったのだが、想像以上の長さに疲れと苛立ちが溜まってしまっていたのだ。


「聞いてたよっ!雨井さんが可愛くて甘やかしてくれる子ってことでしょ!?変態っ!」


「は、はあぁ!?意味分かんないですけど!なんで変態なんて言われなきゃいけないんですか!?」

真っ赤になる美姫。

手足をばたつかせ、必死に否定する。


「毎日毎日クラスメイトの胸元で頭撫でてもらってるんでしょ!?変態じゃん!?どうせ匂い嗅いで喜んでんでしょっ!?間違えたっ!悦んでんでしょっ!?」


「なっ、何言ってんですかっ!?喜んでないですよっ!」

さらにヒートアップする美姫。


「変態っ!変態っ!変態っ!」


「違うもん!そんなこと言う先輩が変態だもん!」

声が上擦り、涙目になって来た。



「いや……ごめんって……。泣かないでよ。」


「こっちこそすみません……。」



冷静になる二人。

仲直り。

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