6ー5
「ただいまー……。」
数時間後、帰宅した雨乃。
ほくほく顔で自宅内の明かりをつけていく。
父は正社員として、母はパートタイマーとして仕事へ出ている。
その為、今この家にいるのは、彼女一人である。
紅葉は、冷蔵庫からアイスクリームを取り出し、寝転びながら食べ始めた。
普段なら、絶対に怒られるからしないが、一人だからしてしまう。
静かな部屋の中、今日あったことを振り返っていた。
昼に優香と昼食を食べた。
そう言えば、もう一人彼女のクラスメイトがいたな。
綺麗なことで有名な子だ。
確かに見た目は美人であった。
しかし、中身が伴っていない。
子供というか、幼稚というか何と言えば良いだろう。
あんな子と一緒にいては優香が疲れてしまうだろう。
そして、放課後だ。
クラスメイト達と遊びに行った。
こんなこと始めてだ。
カラオケ店では嫌なこともあったが、それ以上に放課後に皆でどこかに行くという経験を出来たことが紅葉には嬉しかった。
カラオケ店を出た後は、ゲームセンターへ行った。
それは、その時のことだ。
解散することなく、引き続き遊ぶこととなったのだった。
しかし、どこで遊ぼうか。
四人が迷った末に辿り着いたのは、ゲームセンターだった。
そこで行ったのは、ホッケーや、曲に合わせて踊るダンスゲーム、プリクラ等であった。
そのどれもが、雨乃の普段やったことのないものであった。
「楽しかったな……。」
雨乃は、皆で撮ったプリクラを見ながら呟いた。
「結局なんでクラスの雰囲気変わったんだろ……。聞きそびれちゃったな。」
次章
7ー1
2019年1月5日
投稿予定。