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甘え嬢ズ  作者: あさまる
13/88

4ー3

いよいよ我慢出来なくなった美姫。

タックルするように優香に抱きついた。

うぐっ、と短く声が漏れる優香。


「ご、ごめんね。」

胸元に顔を埋めて表情が見れない美姫に謝罪する優香。


「やだやだ!許さないもん!明日は一緒にお昼食べないと許さないもん!」

優香の胸元に顔を擦り付ける美姫。

度々モゴモゴと声が籠っている。

それでも優香の耳に確かに届くほどの声量であった。



その発言に、優香は心底困窮してしまった。

明日は再び雨乃とともに昼を過ごす約束をしている。

いくらこの二日間で仲良くなったとはいえ、それを反故にすれば何をされるか分からない。


どうしたものか。

正直に言うべきだろうか。

そうなれば、今日も一緒に昼食を食べたことも流れで言ってしまうだろう。

一度脳内でシミュレーションをしてみよう。


優香は頭をフル回転させ脳内で自身と美姫を会話させ始めた。

その間も、時間稼ぎになるか分からないが、胸元の美姫を撫でている。



「その、昨日と今日食べた人と約束しちゃって……。」


「昨日も一緒に食べたなら良いじゃん!明日は私と食べようよ!」


「え、えっと、約束破っちゃいけないと思うんだけど……。」


「そっか、ならしょうがないね。明後日は一緒に食べようね?」


「うん。」



完璧だ。

よし、これでいこう。


「その、昨日と今日食べた人と約束しちゃって……。」


「昨日も一緒に食べたなら良いじゃん!明日は私と食べようよ!」


よし、ここまでは想定通り。

大丈夫だ。

この先もシミュレーション遠くいける。

優香はそう思っていた。


「え、えっと、約束破っちゃいけないと思うんだけど……。」


「やだ!そんなの知らないもん!」


「ほえぇ?」

予想外の美姫の返答に、すっとんきょうな声を出してしまった優香。


そうだ、そうだった。

この子はそういう子だった。

二人きりの時の美姫の甘えん坊具合は普段の三倍だ。

ちなみに、この数値は優香調べだった。


「だってその子二日間も優香ちゃん独り占めしたんでしょ?ずるいよ!」


「……。」

優香は絶句した。

自分のことを棚に上げるとは、まさにこのことだろう。


どうしたものか。

再度思考する優香。



「なら美姫も来る?」

もうやけくそであった。


「うん!」


なんてことだ。


「い、いや、でも……。」


「私も行きたい!優香ちゃんとお昼食べたいもん!」


時すでに遅し。

後戻り出来ない。


「うん、分かった。明日は一緒に行ってお昼食べようね。」



こうして、明日の昼食は、美姫と優香そして、雨乃の三人で食べることとなった。

これについては、雨乃に了承を得ていなかった。

優香の独断であった。

また、美姫にも、明日誰と食べる約束をしているのかも言っていなかった。

次章5ー1

2018年 11月 3日

投稿予定。

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