もう一人の佐藤の冒険 2話
「ただでさえテンプレみたいな世界なんだからそこでフラグを立てるのはやめてほしいな」
ダンジョンに行く事が報告されて俺はだるかった。
「あー早く寝たいわー」
「おい!辛木お前ってクソカスだよな!」
「おいおい辛木が可哀想だろいくらクズって言ってもなー」
「お前の方がひどいじゃねーか!、ギャハハハ!」
あっ、辛木がいじめられてる、助けないとな
「おい、やめろって」
「あ!佐藤じゃねーか!お前どれだけ強いか見せてみろ!鑑定!」
あっ、このパターンって
「ギャハハハハハッ、お前もクズじゃねーか!皆も見てみろよ!」
「マジで、鑑定」
「本当に?、鑑定」
その瞬間全員の笑いが一つになった。
「「「「「アハハハハハハハ!」」」」」
「何が学校の二大勢力よ!」
いや勝手に決めたの学校の方だろ。
「もうコイツいらないクズって事が分かったわね」
「死んじゃった方が良いんじゃない?」
「死ね」
皆が死ね死ねコールを始めた。
ちょっとイラっと来る
「ああ!そうやって辛木と一緒に死に行くんですね!」
俺は辛木を連れて、歩き出した・・・・・・だってここ皆が死ね死ねうるさいんだもん!
人気の無い場所まで歩くと俺は辛木と別れようとして歩き出した。
「なあ、何で助けようとしてくれたんだ?」
な!辛木がタメ口になってる!・・・コレが異世界パワーか。
「お前の気持ちを知りたかったからだよ。今まで助けられなくてゴメンな。」
やべえ、自分でも何言ったか分かんねー
「大丈夫だよ、宏太がいつも助けてくれたからね。」
「そうか、なら良かった。」
俺はこんな感じでクールに話している小説の主人公を思い出しながら自分の部屋に帰った。
―――――――――――――
「ダンジョン攻略まで何しようかなー」
どうせレベルを上げても勇者みたいに強くなれないからな。
「あっ!、そういえば女神からチート能力貰ってたんだった!」
俺は早速確認してみた。
「何これ? 進化族になれる?」
ステータスには進化族になれると書いてあった。
進化族ってなんだろう?
「そうだ!これを鑑定してみよう!」
鑑定
(進化族になれる)
説明:鑑定のレベルが足りません
「なんだよそれ!」
俺は盛大にツッコミを入れた
「だけど分かったな、鑑定のレベルが足りないって事はもっと鑑定しろって事だな。
なら作戦は一つだ、鑑定して魔力が足りなくなったらこの世界の本を読む。 うん!我ながら完璧な作戦じゃないか!」
そして作戦は実行された。
―――――――――――――――――――――
ダンジョン攻略当日
「ここがまだ最新部まで誰も行ったことがないダンジョンか。」
「なんというか・・禍々しいな」
「俺たちなら攻略出来るぞ、なんだって俺たちは勇者だからな!」
「そうだそうだ!」
「高橋君が居るんだったらどこにいても大丈夫よ!」
張り切ってるなーめんどくさいなー
「あれ?辛木と一緒に死んだんじゃ無かったんだー」
「じゃあここで死んじまえよ」
皆地球で俺に言えなかった、俺に対しての悪口を今ここで晴らしてるな。
別に俺恨まれるような事してないんだけどな。まあ噂が一人歩きしていったからだと思うけど
「おい!何も言わないのかよ!なんか言ってみろや!」
いや!この空気で俺が何か話してもマイナス方向しか行かねーだろ!
「皆、ダンジョン攻略始めるよ。」
「チッ、覚えてろよ」
俺何も話して無いのに!
「では、ダンジョン攻略を始めます、腕に自身のある人は、最前列で戦ってください。」
あれが、ダンジョン攻略のプロか・・・・・なんというか・・・威圧が無さそうだな
皆ぞろぞろ歩きだした、もちろん俺は後ろに居る。
「ファイア!」
おっ、前から声が聞こえる!もう戦い始めたのか。
俺は前の様子をちょっと見てみた、
「皆さん!ゴブリンぐらいで魔法を使わないでください!」
「大丈夫だって、なんだって俺達勇者だぜ!」
「そうだといいんですけど・・・・」
「おいおい、何が未攻略ダンジョンだよ、サクサク進んでんじゃねーか」
「そうだな、このままだったらボスも楽勝だな!」
こうゆう気持ちが命取りになるのに・・・・・ごめんなさい言って見たかっただけです。
「オッシャー!突き進むぜー!」
「「「「「「オーーー!!」」」」」」
勇者達は突っ込んで行った。・・・って早!俺のステータスはちょっとだけ俊敏性だけ特化しているけどこれはついていけねーわ
ちょっと後ろで追いかけよう。
5分後
ヤベー、マジで疲れる!異世界舐めてました!もうちょっと鍛えとけば良かったなー
そんな事を思っていると前から声が聞こえてきた。
「おい!何だこいつ?」
「高橋、やっちゃいな!」
「分かったよ、ファイアボール」
「ガアアアアアアアア!!」
「うわ!何だこいつ!高橋のファイアボールが当たっても無傷だぞ!」
「そんな事は・・・・・ファイアボールファイアボールファイアボール!!」
「何だこいつ!バケモンじゃねーか!」
「それは、地獄の番犬と言われている伝説の生き物ケルベロスです!逃げてください!」
皆が振り返って走り出した・・・・・あっ、踏み潰される系だ。
痛い痛い痛い痛い!やめろ!HPが削れる!
皆に踏みつけられると俺は、痛い体をかばいながら勇者達が逃げる方に走り出した。
勇者達が走っている一番うしろに同級生の古田 侑斗が居たので痛みを紛らわす為に話しかけた。
「お、おい皆早いぞ」
「佐藤じゃねーか!お前まだ生きてたのか、強く踏んだつもりなのにな。」
「えっ、」
「理解しろよ、お前が要らないから囮役になれって言ってんだよ。と言う事でバイバイ、新しい囮が見つかったからお前はもう必要無いわ」
「そうだよ、お前はもう必要無いよ」
勇者の高橋も言って来た。
「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」
死ねの声と共に俺は谷に落とされた。よく見ると辛木が反対方向の谷に落とされている、宏太も辛木に続いて谷に飛び込んでいった。
――――――――――――――――――
「・・・・俺は・・・確か・・谷に落ちたんだっけ?」
起き上がらず周りを見てみると地下水がところどころ漏れて一種の幻想的な風景を作り出していた。
「あーなんか引っかかる、俺は、確か・・・・・・谷に・・・・・・・思い出せねえ」
何かが頭の中で引っかかるが後少しのところで思い出せなかった。
「起き上がるか、つっ!」
起き上がろうとすると体中に違和感を感じた。
「アハハ、何で首から下の感覚が無いんだ?」
俺の体をよく見ると腕や足が反対方向に曲がっていた
それに落ちてくる途中岩にぶつかったのか、肋骨も粉々になっていた
「アハハハハハハ、そうだよな、谷から落ちたのに意識もあって無傷って事はあるわけないよな。」
佐藤が落ちた谷は宏太達が落ちた谷の数倍は深い谷だったので(それに宏太達が助かったのは、宏太が女神の友達という加護を持っていたために起こった奇跡なので)何も加護を持っていない佐藤が無事でいられるはずがなかった。
「・・・・・・このまま死んだらどれだけ楽なんだろう・・・」
死ぬ事を覚悟して最後にこの幻想的な風景を楽しんでおこうと周りを見た。
すると、小さな石が他の石を押して初めに落ちていた石が止まり、止まっていた石は下に落ちていくと言う現象を見た。
「・・・・・・・・あっ」
佐藤は全てを思い出した、古田がもう俺は必要無いと言われ勇者までもが俺はいらないと言いクラス全員で落とされて今ここに居るという事を。
「そうだよ、そうだよ、思い出した、俺は谷に落ちてる途中にあいつら全員に復讐するって事も思い出したわー」
そして俺はステータスのあの能力を使う事に決めた。
「悪魔でも邪神でもなってやるよ! 進化族発動!」
―――――――――――――――――――――
《進化族になれると言うスキルは消滅しました》《 ? と言うスキルは必要無いと判断され消滅しました》
「うっ、」
俺が目覚めるとスキルの事を思い出し起き上がってみた。
「って!、なんじゃこりゃー!」
俺は全身骨だった。
「いや、この世界にはスケルトンが存在するって知ってたけどまさか進化族がスケルトンだったとは・・・」
俺は周りを見渡してみると俺(だった物)を見つけた
「うわ!って俺じゃねーか!・・・・・こんなになってたのによく意識あったな、一代目俺よく頑張った!」
俺は、手を合わせて拝んだ。
「そういえば進化族って最終的に何だったんだ?ステータスオープン」
(佐藤 砂糖)(サトウサトウ)
種族:進化族
性別:?
職業:ゲーム廃人、オタク
年齢:17歳
レベル:1
HP:10 最大HP10
MP:35 最大MP35
力:10
攻撃力:15
防御力:20
俊敏性:20
運:80
魅力:170(ただしスケルトンのみ)
勇者力:?
(装備)
(スキル)
言語理解
鑑定
バラバラになってもスケルトンパワーで復活
睡眠無
(称号)
ゲーム廃人
オタク
世界管理の女神と出会った
進化族
モテモテスケルトン
異世界から来た者
なああああああ!何でスケルトンになったのにゲーム廃人とオタクが治らねーんだよー!スケルトンのみモテるって何なんだよ!
ハア、ハア!、まあいいこの種族の進化族を鑑定すればいいんだよな。
鑑定
(進化族)
説明:人間の数がまだ少なく魔王がまだ存在しなかった昔 族 として世界の中心に立ったと言われる種族、今は滅びて存在しない
「えええええええ!何そのチート設定!これやばい!絶対にやばい!・・・・・今はスケルトンだけど・・・」
これは調べる必要がありそうだな。
「まあ今はそんな事気にしなくていいか、ちょっとこれ貰っていくぞ」
俺は一代目俺が着ていた血だらけの服を肩にかけて歩き出した。
「おお!同士じゃないか!何でこんなところに居るんだ?」
「えっ?」
俺が振り向いた先には、スケルトンが居た。
スケルトンの冒険は30秒で終わりを告げた




