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自称日本人の異世界放浪記  作者: sayi
第一章 出会い編
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第4話 女神


「ここは何処や?確か俺は光に包みこまれて…そっかあれは転移系の魔術やったんやね」


 周りを見わたすとそこは白い空間でなにもないところだった。ただ魔素とは違う【神気(じんき)】が存在しており、なにが起きるかわからない状況。


 警戒をしユリウスは左手首に着けている様々な色を付けた玉のブレスレットの黒玉に触れて武器を取り出そうとする。


 この黒玉は異空間収納ができる代物で他の色をした玉もそれぞれ種類ごとに分かれた異空間収納のブレスレットとなっている。


(どうするかね…武器を出したとしてもこの体は生体強化もしていない義体やけんね。闘気は使えるばってんどうしたものか…)


「そんなに警戒しないで。君に危害をつけるつもりはないから」


 ユリウスの後ろから声が聴こえ振り向くと白髮ロングでワンピースを着た身長160cmくらいで西洋のような顔立ちをした二十歳くらいの女性が立っていた。


(気配を感じんかったね。人ではなかろうね…考えられるのは…)


「あんた【管理者】だな?」

「正解!私の星では女神と呼ばれてるけどね」

「女神ねぇ~。まぁ、地球でも神と呼ばれる管理者が多かったからな」

「そうそれ!地球は多いよね管理者が!でもほとんど下級管理者だけどね」


 笑い出す管理者。管理者とは、星や宇宙などを管理するものでかなり強い力を持っている。めったに干渉はして来ないので安全だがたまに脳筋の管理者に喧嘩をふっかけられるがこの管理者は違うと判断した。そこで危害を加えるつもりはないだろうと思い警戒を解く。


「で?あんたが俺を転移させたんやろ?俺の船は無事なんやろうね?」

「それが君の素?面白い話し方だね!警戒は解いてくれたみたいだね!そうだよ私が転移させたんだ。勿論君が船という名の宇宙船も無事かな?君の本体は無事だから安心して。今ごろ私【アクアジーネ】が管理する星、アークガンドについてるよ」

「なんか含みのある言い方やね…にしてもアークガンドなんて聞いたことも無かね」


 ユリウスは思案顔になる。それもそのはず彼は銀河連邦間の星やその他の連合や星間帯の星を記憶しているが、アークガンドなど聞いたことのない星だ。


「それはそうだよ!異世界なんだから、君の知らない時空に有るんだよ」

「い、異世界だと?」

「そうだよ。剣と魔法のある異世界!」

「ま、ま、魔法だと…魔術じゃなくて?」

「魔術じゃなくて魔法だね!魔術は脳に刻まれた魔術式を大気中にある魔素を使って行使するけど、魔法は人体に【魔力】を作り出す器官があって魔素を取り込んで魔力に変える。それを用いて、イメージしたり詠唱を唱えたりして魔法陣からでる現象の事だよ」

「マジか〜ラノベとかに出てくるやつやん。ファンタジーばい。ってことは俺も使えると?いや!そもそもそんな器官俺には無かし無理か…」

「それについては大丈夫!君の体にも作ったからね!それと君の本体にも作っておきました!エッヘン!」


 ドヤるアクアジーネだがユリウスはそれどころではない。魔術を使える者は脳の容量上使える魔術は限られている。ユリウスの魔術は強力の為2つしか無い。それがラノベで知っている魔法が使えるようになったとなれば好奇心が勝る。


「脳の容量には関係ないんか?」

「アストラル体に記憶されるから義体で覚えた魔法は本体に移動しても使えるよ!後、君の魔術も魔法として使えるようにしておいたから。と言っても威力は本体より若干弱いけどね。」

「それもあんたがやったとね?」

「まっさか〜私じゃ無理だよ!もっともっと上の存在――」


 そこでユリウスは思い当たる事を言う。


「【究極神(きゅうきょくじん)】やね?」

「知ってるだ!」

「俺が知っているのは一人ぐらいやけどね…【時】を司る方ならやね」


 究極神とは、宇宙を創造し星々を作りあげた超常的存在で普通の人間では認知できない存在で強力な力すぎて表舞台に出てこない。通常は管理者を通してあらゆる宇宙、世界を管理している。


 ユリウスは、魔術で惑星を壊している所で究極神に『(わらわ)を超えるでは?』と思われ戦闘した時がある。ユリウスをボロクソにボコし意識を失った後別の究極神が介入し事なきを得た。


 ユリウスが意識を戻すと平謝りされ、それから何度か話し相手にされたりと付き合いがある。その時「究極神って自由奔放だな」と思ったユリウスだった。


「そっかあのお方か〜まぁ今回そのお方にもお力をお借りしてるんだけど、君の魔術に関しては別のお方だよ」

「はぁ~魔法まで与えて何が狙いね?」

「話が早いね!君と同時刻に地球上に転移魔法が発生したと思うだけど、あれは私じゃなくて別の星の管理者が関与してて私の星のとある国に勇者召喚しちゃって私が慌ててると君も知っているお方から君を推薦させられてね」

「はぁ~あのお方はなんばしよっとね!俺を巻き込まんでほしかね!」

「まぁまぁ!でね!勇者召喚を大量に100人ぐらいかな?それ位を召喚したもんだから召喚の代償として多くの命を失ったんだよね…召喚をなかったことにはできないけど犠牲者を減らしてほしいんだ」

「どうやって…あのお方の力で時間を遡るわけやね」

「そう大正解!君と船には2年前に行ってもらいます。そして【ハルハンド神帝国】の野望を阻止してほしいの」

「そんな事してあんたも負担がたまったもんじゃなかろうに?」


 過去を操作するのは相当の力がなければ不可能だ。中級管理者と言えど負担は相当な物ではないと思う。


「そこは大丈夫!あのお方が調整してくれるから影響はないよ!どう?やってくれる?」

「断る!俺にメリットが無かし、大体仕事があるそれを放っておく事はできんばい」

「メリットはスキルを上げるよ!それに仕事は大丈夫!君の居た世界とこっちじゃ時間軸が違うし、君は2年前に転移するから2年で君の居た世界じゃ2日くらいだよ」

「それでも断る!俺は百合花様以外の命令は聞かないことにしてると」

「あっ!そこは大丈夫!許可得てるしむしろ頑張りなさいって言ってたんだって」


 はぁ~何いってんだよあのババア!!と内心思うがこういったトラブルは、あの人にとって甘味に価する。どうせこの事も新たな玩具が見つかったとしか思っていない。


 百合花様とはそういう人なのだから。あの人に振り回される人を見てきたが散々なものだが結果としていい方向へと向かうので無碍にできない。


「はぁ~わかったばい。すれば良いんでしょすれば!」

「良かった!根回ししたかいがあったもんだよ!でね、もう一つやってもらいたいことがあるんだ」

「何ね?」


 半ば呆れた状態で聴く体制に入るこれ以上のことはないだろうと思う。


「それはね……()()()だよ」









 

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