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自称日本人の異世界放浪記  作者: sayi
第一章 出会い編
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第30話 宴会


 話し合いやラインハルトとドクトリウム辺境伯爵、リリムの魔獄の肉の売買が終わりユリウスはクロエ達と夕食の準備をしていた。


 肉の売買はクリシュナが高額に設定した所即買いだった。金額は全部で白金貨10枚以上で1千万ぐらいになる。ユリウスの想像以上だった。


 王家にはクラッシャー・ベアーの毛皮をサービスとして献上した所ラインハルトやエルネシアが大変喜んでいた。


 特にエルネシアはレオが装備しているレザーアーマーが気になっていたらしい。クラッシャー・ベアーは3匹程献上しているのでエルネシアにも渡るだろう。


 夕食は戦ってくれた兵を労うためホーンカウやサンダーバード、ホーンデビルラビット、ジャイアント・ファングボアの肉を使い焼肉と焼き鳥にした。


 これが簡単でいいのだ。酒は食料と違いかなりの量を日本で十年間買い込んだり船で作っていたため大量にあり全員に振る舞うことにした。


 時刻は夕刻となり城の中庭と訓練場を使い大宴会となる。ユリウスは中庭で焼きクロエはしばらく訓練場で焼き方を教えるそうだ。


 焼き方で肉の味わいが変わってくるので厳重にやることに。暫く焼いていると料理番達やメイド達が気を使ってユリウスの代わりに焼こうとしてくれる。


 最初は頑なに変わろうとしなかったユリウスだがリリムに客人だからと言われているそうだ。代わらなかったら怒られるとのことで可哀想になる。


 焼き方を教え料理番と代わりユリウスはラインハルトがいる席に案内されるとそこにはエルネシアやドクトリウム辺境伯爵、キントレス辺境伯爵、リリムもおり酒を飲みながら談笑していた。


「楽しんでるみたいやね」


 ユリウスが声を掛けるとそこに視線を向け皆笑顔で迎えてくれる。特にキントレス辺境伯爵の笑顔は昨日や今日の昼間と違い純粋な笑顔だった。


 何故こうも変わるのかと不思議に思っているとキントレス辺境伯爵が話しかけてくる。


()()()()殿()この酒は美味い!特にこの麦焼酎と言ったか…これを氷だけで飲むのが一番だ!!」

「あ、あぁ…」


 キントレス辺境伯爵の代わりぐわいに戸惑っているとリリムが助け舟を出してくれた。


「父上は大の酒好きで中でも蒸留酒が好きなのですが…父上は殊の外この酒が気に入ったようで…すいません!」

「よかよ。リリムさんが謝る事やなかばい!でも気に入ってくれたら良かったばい!良かったら作り方教えようか?」


 その言葉にいち早く飛びつくのがキントレス辺境伯爵だった。


「本当か!!是非教えていただきたい!麦であらば我が領の特産ともなっているのでな!是非頼みたい!」

「わ、分かった、分かったから近いって!」

「ガハハハ!良かったなキントレス卿よ!隠居後の楽しみが出来て」


 ドクトリウム辺境伯爵に言われ少し不貞腐れながらキントレス辺境伯爵は応える。


「煩いわ。脳筋め!だがこれで隠居しても楽しみができたのは事実。この麦焼酎を我が領の特産品にしてくれるわ」


 これが後の【麦焼酎発祥の地】としてキントレス領を有名にさせ多くの人を魅了する【麦焼酎の始祖】トーマス・キントレスなのだがこれはまた別の話…


「ユリウス。この焼き鳥と言うもの美味いな!城下町で食べた串焼きとは別物だ!特にタレがいいしチーズをベーコンで巻いて焼いた物もまたワインにあう!」

「王太子に喜んでくれるのはうれしかね!」

「ユリウス。俺は堅苦しいのは嫌いだ!俺の事はハルトと呼べ!」

「はいはい。それじゃあハルト!肉ばかりクワンで野菜ば食わんね!」


 ユリウスはハルトの皿に野菜を置いていく。それに戸惑うのがハルトで実は野菜が苦手なのだ。


「野菜は…」

「騙されたと思って食ってみ!俺等が作った野菜やけんうまかばい!」

「では…う、美味い!」


 玉ねぎをフォークで刺し焼肉のタレにつけて食べるハルト。美味しかったのか次々と他の野菜も食べていく。


「あのラインハルト兄上が野菜を食べるなんて…だがこの味で納得できる。それぐらい美味し物だ!」

「ですね。ユリウス殿これらは売っていただけますか?」


 エルネシアに同感し売買出来ないかユリウスに聞くリリム。


「う〜ん。今は人手が足りんし売るほど無いんよね…そうだ地下の亜人達ウチで保護して構わん?そしたら人手不足も解消できるし!」

「いい案だと私は思う!聞けば帰る場所も無いとか…ならばユリウス殿の所で保護してもらったほうが安全だ!どうだリリム?」

「そうですね。それが最良かと思います。ユリウス殿宜しくお願いします!」


 悩みのタネだった違法奴隷をどうにかできて安心するリリム。そこに上機嫌となったドクトリウム辺境伯爵が立っているユリウスの肩に腕を回す。


 身長が2mあるドクトリウム辺境伯爵に絡まれ嫌そうな顔をする。


「堅苦しい話は終わったか?ユリウスよ。ここにお前が焼いた肉や用意した酒がある!今はそれを楽しもうではないか!」

「暑苦しかね、おっさんは!でも確かにそうやね!」

「でだ!ユリウスよ、この芋焼酎を…」

「わかっとうばい!たっく、酔ってもしっかりしとるんやけん困ったもんばい!」

「ガハハハ!そういう性分でな!」


 はぁ~とため息をつくユリウスだったがこれもそんなに悪いものではないと思いこの場を楽しむことにした。


 キッドとノワールはアレックスとはしゃぎレオは酔いつぶれシドは兵達にジャックとユリウスの戦いを話したりと各々楽しんでいた。


 特にドクトリウム兵やキントレス兵は食事や酒飲み食いして今までの味わったことのないもので戦って良かったと思いドクトリウム兵は帰ったら自慢してやろうと思い大いに楽しむのであった。


 宴会が終わり各々客室に案内されユリウスはキッドとノワールと共に二次会をしていた。アレックスは疲れてベットで寝ている。


 主に明太子にホルモンや肝と言った物を酒の肴にして飲食して談笑していたらノックが鳴る。


 ユリウスが「どうぞ」と言うとメイドと共にエルネシアが入ってく来た。姿は赤のドレス姿で昼間の鎧姿と違い戸惑うユリウス。


「綺麗やな…」


 思わず呟いてしまったユリウスだがあまりにも恥ずかしくて誤魔化すように懐からタバコを出し吸い出す。


 言われたエルネシアも恥ずかしくなり顔を隠しながらユリウスが座る椅子の近くの2匹の前に行く。


「ひめさまだ!どうしたの?」

「アソブ?」

「元気が良いな。遊びはまた今度にしよう。今はユリウス殿に話があるのだ!」


 そう言いながら2匹の頭を撫でる。2匹もそれを快く受け入れ嬉しそうに尻尾を振る。


「そうなの?おはなしスキだよ!」

「ウン!ノワールモスキ!」

「そうか」

「空いとう椅子に座りんしゃい!」

「あ、あぁ、ありがとう」


 ユリウスが空いている椅子に指を差し促しそれを若干照れながら礼を述べながら座る。


「何飲むね?」

「そうだな…ユリウス殿は何を飲んでいるのだ?」

「ハイボールやね」

「では、同じ物で」

「分かったばい」


 会話をしながら新たなジョッキグラスを収納魔法から取り出し氷魔法でアイス・キューブを作り出しジョッキに入れていく。


 そしてウイスキーとペットボトルの炭酸、レモンカットを用意しジョッキにいれ完成したものをエルネシアに渡し「お疲れ」と言いながら乾杯をする。


 一口のみ炭酸のシュワシュワした喉越しと芳醇な酒の香りが一気にきて口が驚くが嫌いではない寧ろ好ましいと感じてしまう。


「ユリウス殿と会ってから驚きが絶えないのだが…ワインより美味しく感じてしまうとわ」

「ワインより飲みやすいけんね。でも飲みすぎると後が大変ばい!」

「気をつけておこう。それよりこの赤い物は何なのだ?」


 先ほどから気になっていた皿に乗っている明太子を指差しユリウスに聞く。それを聞かれた本人は興奮しながら紹介する。


「これは明太子やね!福岡のソウルフードばい!福岡人にとってなくてはならんもんばい!」

「フクオカ?何かは分からないがユリウス殿にとって好物のようだな」

「そうやね!こればかりは皆に出しとらんとよ。直ぐ在庫がなくなりそうやけん。食ってみい!」


 そう言いながらフォークをエルネシアに渡しうながす。エルネシアは促されるままフォークで明太子に手を付け口に運ぶ。


 ピリッと辛く直ぐ様ハイボールを口にする。これが美味しくてたまらずで明太子に向けてしまう。


「美味しいな。ユリウス殿が言うことが分かるようだ。この味を知ったら直ぐなくなってしまうな」

「ぼくそれきらい!からいもん」

「ノワールモニガテ!」

「そうやねお子様やけんね!よしよし!」

「おこさまじゃないよ」

「ウン!チガウ!」


 2匹を撫でながらなだめてエルネシアに応える。


「姫さんの言う通りやね。だけんださんとよ…早くタラを手にせんといかん!」

「タラとは何なのだ?」

「魚やね!」


 魚と聞いて残念な顔をするエルネシア。

 エルネシアが何が言いたいのかユリウスはすぐに察知し「大丈夫」と言う。何でかとエルネシアが思っていた時ユリウスが応える。


「海は魔獄の北にあるんよ!やけん近い内に漁に行ってみよかなと思っとうと!」

「そうなのか…それで入手出来たら我が国は変わるだろうな。我が国は内陸だから魚は入手出来んのでな」

「ハルトやおっさんあたりが黙っとらんやろうね!ハハハ」

「全くその通りだ!フフフ」


 お互い想像できるのか笑い合う二人。キッド達は話が分からず2匹の好きな飲み物を飲んでいる。


 そんな風に笑い合っているとエルネシアが本題を思い出し顔つきを引き締めてハイボールを一口飲みユリウスに向き合う。


「ユリウス殿ここ2日助けて頂きありがとう」


 ユリウスはいきなりで新たなタバコを取り出し火を付ける。


「なんね改まって。礼なんか要らんよ!これは俺の依頼でもあるんやけん!ついでたい!ついで!」


 礼を言われて照れてしまうのを隠すように強調して伝えるがエルネシアはどうしても口で伝えたかった。


「それでもだ!口に出して言わないとどうしても私も落ち着かない!」

「そうね…分かったばい!」

「ユリウスにいちゃんてれてる?」

「ホントウダ!テレテル!」

「照れとらん!」


 2匹と言い合うユリウスを見てつい笑ってしまうエルネシア。


「なんね。笑ってから!見せもんやなかばい!」

「すまない。微笑ましくてな。つい笑ってしまった。すまない」


 エルネシアが頭を下げたので慌ててタバコの火を消し姿勢を直すように促す。


「王族がそうやすやすと他人に頭を下げるんやなか!」

「そうだったな…ユリウス殿と話していると私が王族であることを忘れてしまうな」


 そう言いながら姿勢を正し頭を掻きながら苦笑いを浮かべる。


「で?それだけやないんやろ。別に話があるんやないと?」

「そうだな。実は…暫くユリウス殿と行動を共にしていいだろうか?」

「何でまた?やることがあるやないと?」

「私がやることがあるとすれば軍や騎士の強化の派遣か政略結婚だな…」

「そりゃあ大変やね」


 そこで一息つくためにハイボールを飲むエルネシア。飲んでスッキリしたのか自分の言いたいことをぶつける。


「私は強くなりたい!ユリウス殿と肩を並べれるように。今回の件が王都に知られれば私や今回関わったものは王都に招集されるだろう。無論ユリウス殿も!」

「そうやろうね…昼間話した通りに行けば必ずその招集の時に敵は動き出すやろうね!」

「そうだ。今後必ず剣王のような強者が出てくる筈だ。そうなった時に対応できる強さが欲しい!誰にでも勝てる強さが!」


 そこで三度タバコに火をつけ一息ついたユリウスが応える。


「そう簡単な物やなかばい!期間も長く見る必要があるしね。そこら辺大丈夫なん?」

「そこは父上…陛下に問うてみるのでおそらく大丈夫だろうがまわりがな…」


 これには苦笑いで応えるエルネシア。

 王事態は何とかなるが周りの貴族が黙っていないだろうと考えるエルネシアだがユリウスには策がある。


 もし招集で敵に動きがあれば王族に反対的な貴族派を一気に黙らせる策がそれには時間が必要だ。恐らく敵も時間をかけてくるはずだ。


 招集は一ヶ月後になるだろうとユリウスは考えていてクリシュナも同意見だ。


「分かった。何とかなるでしょう!良かよ、魔獄の森で良ければすぐに住むと良か!」

「本当か?良かった…てっきり断られると思っていたからな…」

「全部が全部断らんばい!姫さんが居ることでこっちにも利益が出る算段やけんね!」

「そうか…分かった!では自室に戻るとしよう」

「また明日!」

「あぁ。また明日!」

「ひめさまばいばい!」

「マタネ!」

「2匹共早く寝るんだぞ」

「「は〜い!」」


 そう言ってユリウスの部屋から出ていくエルネシア。残されたユリウスは2匹と晩酌の続きをするのだった。




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