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自称日本人の異世界放浪記  作者: sayi
第一章 出会い編
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第29話 破壊王


 ゲイリーはユリウスの拷問に耐えれず十数分で全て話した。その話を聞き今後の事を考えながら話をしていた。


 今回のエルネシア暗殺や王太子であるラインハルトをギルレア公国の仕業に見せかけて暗殺するといったことや亜人の違法奴隷をギルレア公国経由でハルハンドに入国させる事。


 その全てを裏でハーゲン・ビッツヘルン侯爵が絡みハイマン伯爵も関与していたこと等が情報として入手出来た。


 これは直ぐ様国王に伝えなければいけないと王太子も張り切っている。本音としてこの国の膿を早く出し切りたいという思惑がある。


 今後の事を話し合う為レオ達も合流して広い客間に通され話し合っていた。


「これは物的証拠も必要になってきたばい」


 ユリウスの言葉に一同が頷く。証言だけでは裏で糸を引いていた者たちが言葉巧みに言い逃れをすることがあるかもしれない。


 それに同意するように王太子が口にする。


「ユリウスよ。何かないか?お前のことだ何か仕掛けをしているのであろう?」

「勿論!映像も取っとるよ!後は言い逃れない為に書状なんかあれば良かけど…まぁそれは何とかするばい」

「それにしてもライナックを王太子にしようとするとはな!あれは凡夫であり暴君になるであろうな…」

「兄上の言う通りです。ライナック兄上が王太子になれば国は大変なことになりかねます!」

「お二方の言うとおりですな!ライナック王子は女癖を悪くメイドや王都の女性に手を出すとか…挙句の果てには暴力を振るい奴隷にも容赦がないとか…困ったものです」


 王太子とエルネシアの言に付け加えるようにドクトリウム辺境伯爵が語る。それに対して頷くものや困った顔をする者と反応は様々だ。

 

 そこで話を切り替えるようにユリウスが気になっていたことを全員に聞く。


「俺この世界の歴史知らんのやけど邪王とか700年前とかなんなん?何が起きたん?」

「あぁ。そうだったな…ユリウス殿はこの世界のことは知らなかったのだな…では…」


 エルネシアがユリウスに昔この世界で何が起きたか話し始める。


 この世界には魔王が存在し今では4魔王と呼ばれているが700年前は5魔王であったのだがその一人の魔王が700年前に死亡して今にいたる。


 何故死亡したのかと言うと700年前はハルハンド神帝国がハルハンド帝国であってこの世界は平和であったのだがある事件で一変する。


 それはシュナイゼルの王女がハルハンドの皇太子に嫁ぐ話があったのだがその王女が一人の魔王【破壊王】に惚れてしまったのだ。


 魔王と言うのは人類の敵ではなく魔族などを取りまとめ人間と調和を作り出す者のことを言い決して悪いものではない。


 だが王女が破壊王に惚れたことによりハルハンドは相手が魔王であるならば仕方なしと諦め、しかも祝福してしまった。


 当時アクアジーネも王女の事を応援してしまい破壊王と無事結ばれアクアジーネ含む神たちが祝福したのである。


 この事を良く思っていなかったのがハルハンドの皇太子【ジェラルド・ウノ・ハルハンド】だった。


 その心の隙をついたのか分からないが次元の隙間から異界の神がジェラルドに加護を与えこの世界に異界の神ベアトリーチェの降臨を図ろうとした。


 そしてハルハンドはジェラルド指揮の元に変わっていき当時の皇帝や皇妃が突然倒れジェラルドが皇帝になったことによりハルハンドが大きく変化することになる。


 ジェラルドが皇帝なり先ず、国名をハルハンド神帝国とし、真の女神はベアトリーチェであると帝国民に周知し従えない者たちを集めその人たちを犠牲にして禁忌とされている勇者召喚をした。


 その勇者召喚を行ったことにより次元の隙間が大きくなることになり異界の女神が力を教示し信者が増え女神の力を増すことに。


 信者達に女神の加護を与え信者達を強くさせて他の国を襲い始めることになる。


 敵は最高神アクアジーネを邪神とし魔王が絶対悪と掲げ邪王と呼び召喚された4人の勇者と1人の大賢者は洗脳され他国との戦争に加わった。


 最初は静観していたアクアジーネの神達と【大魔王ライト】と魔王達は異界の女神がこの世界に関与し始めた時に動き始めていた。


 破壊王もその一人で仲間を率いて勇者達を洗脳から解いたのだが一人の勇者は自分の意志でハルハンド側についた。


 そして3人の勇者と大賢者達は魔獄に拠点をおいていた破壊王の元で暮らすようになり段々力をつけていった。


 力をつけた勇者達はシュナイゼル王国、フリーゲン王国、ジャシアーノ皇国へと渡り大賢者だけは破壊王の元に残り【破壊5武将】の一人となる。


「それがマーノやね」

「そうね」


 そう言うマーノの顔は儚げだった。


「話を続けても?」

「悪かね、話をおって」

「かまわない!では…」


 その頃には異次元の隙間が【異次元門】になり異世界からベアトリーチェの加護を持つ強い兵が来てベアトリーチェまで降臨する。


 戦争は激化し神対異界の神、魔王達対異世界の戦士たち、ハルハンド神帝国対シュナイゼル王国が筆頭の6カ国が戦うことに。


 6カ国はシュナイゼル王国、ジャシアーノ皇国、【フリーゲン王国】、【聖グラナルド教国】、【魔法王国セル】、【ドレント山国】である。


 戦争はアークガンドの住民たちが有利に進み異世界の戦士たちは魔王達が倒していたのだがベアトリーチェだけは神の力を結集しても無理だった。


 最終的に破壊王と6カ国の代表である英雄や勇者達に5武将の大賢者8人で女神ベアトリーチェを退け破壊王が自分の命と引き換えに異次元門を封印した。


 ベアトリーチェは邪神とされこの戦争を【邪神大戦争】とし破壊王とともに戦った七人を【7英傑】と呼ぶようになり6カ国は【6大英雄国】となった。


 邪神は退けられ異次元門は封印し戦争も終結したがハルハンドは鎖国し他国との接触を避けるようになり人類至上主義を掲げている


 戦争は終わったがハルハンドに邪神の力は残り世界統一の野望をやめていない。戦力を増強し続け異次元門の封印を解こうとしている。


「という事が大まかな出来事だな。合っていますかマーノ様?」

「大体わね。でも破壊王が戦争に加わったのは奥さんがジェラルドに殺されたっていうのが抜けているわね!」


 それまで黙って聞いていたシド、クロエ、ノア、シノ、バル達がそれぞれ感想を言う。


「あの時の破壊王様は復讐心がすごかったからのう」

「えぇ。当時は大変でした」

「なだめるのに大変だったよ。はぁ~」

「仕方ない事、()がいなかったら…」

「俺は何もできなかった…」

「チビスケだったものね!」

「うるせぇ!泣き虫女!」

「「何よ!(何〜!)」」


 終いにはマーノとバルが言い合いをする。


「何か、見てきた感じがするんやけど…」

「同感だ…ユリウスもしかしてシド達って…」

「まさか〜そんなわけ…ないよね?」

『愚主にレオナルド様鈍感ですね!』

「「何〜!」」

「バカやるんじゃないわよ!」


 バチンッとユリウスとレオの頭を殴るマーノ。

 ここにいる誰も彼もがシド達の正体に感づいていた。特にドクトリウム辺境伯爵とディランはジャックが言った言葉を覚えている。


「剣王はあの時シド殿達に5武将と言っていたなぁ」

「えぇ。ドクトリウム閣下!自分も聞きました5武将が3人と」


 ドクトリウム辺境伯爵とディランは視線をシド達に向ける。向けられたシド達は困った顔で応える。


「お主らが考えてるとおりじゃよ!ワシは5武将の一人じゃ!」

「恥ずかしながら私もその一人です…」

「懐かしいね〜アタイは入ってなくてよかったよ!」

「母さんは破壊王の武器でしょ!」

「シッ!うるさいよシノ!」


 ゴンッとシノの頭を殴りつけるノア。

 そこでバルが不意に口にする。


「泣き虫女がいなかったら兄貴が最後の一人なのになぁ〜」

「そうなんか?」

「そうだぜ!5武将の前は四天王て言われてたし」

「ほ〜う!マーノは5武将であり7英傑か〜何かすごかね!」


 そう言いながらユリウスはマーノを見つめる。マーノは手を握りしめ今にも殴りかかる勢いだ。

「恥ずかしいからやめてくれる?」

「ハイ。すいません!」


 勢い良くマーノに土下座をするユリウス。

 それを見なかったように話を変えるレオ。


「残りの5武将はどうなったんだ?」

「一人は魔王の一人である【龍神王】様のところへ帰ったわい!あと一人は知らん!」

「あの人は破壊王様一筋でしたから…」

「それは龍神王様のとこに帰ったやつもそうだったじゃないか」

「そうでした!」


 フフと笑うクロエとノア。昔話は尽きない様だ。そんな中シュナイゼルの人達は聞き捨てならないことがある。

 

 それはシノが言った姫という言葉である。もしかしてと誰もが思った。そこでエルネシアが思い切って聞いてみる。


「シノ殿。先ほど言った姫とはどなたの事で?」

「姫?あぁ!破壊王様と【クリスティーナ】様との子の事」

「「「「「ッ!!」」」」」


 驚くシュナイゼル一行だがバルが爆弾を落とす。


「そう言えば破壊王様って元人間でシュナイゼルの王子だったよな、父ちゃん?」

「「「「「ッ!!!」」」」」

「このバカ者が…」


 歴史には破壊王の事は詳しくは記載されてない。それが元人間でシュナイゼルの王子ときたものだ、驚くなというのが難しい。


 ただ一人驚いていないものがいた。


「ラインハルト兄上、やけに落ち着いていますね?」

「あぁ。知っていることだからな」

「知っていたのですか?」


 更に驚くがどうしてエルネシアは知らないのか、同じ王族なら聞いていてもおかしくない。にも関わらずエルネシアは驚いているどういう事かと考えるシュナイゼル一行。


「この件は代々の王と王太子、【先大公閣下】だけが知ることエルネシアが知らないのは無理もない!恥ずべきことではない。むしろ喜ばしいことなのだが事が大きいのでなココだけの話にしてもらいたい」


 と言いながら頭を下げるラインハルト。

 バルはマーノとノアの手によって袋叩きに合っている。


 エルネシアは疑問に思った事をラインハルトに向かって聞く。


「その姫はその後どうなって居るのですか?」

「その件は俺も知らない!マーノ様は?」

「ごめんないね。これだけは言えないわ!時が来れば話せるけど…今じゃないわ!」


 場が静まりかえるがそれを変えるためユリウスは自然な声で話す。


「まぁ、よかやん!時が来れば話してくれるんやろ?ならそれでよかやんね!考えても仕方なか!これからの事ば考えんと!」

「そうだな。今はユリウス殿の言う通りこれからの事を考えるとしよう!」


 驚くべきことはあったが今は考えるべき事がたくさんある。今後のためにも話し合うのであった。




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