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自称日本人の異世界放浪記  作者: sayi
第一章 出会い編
24/33

第24話 女神降臨


 このドクトリウムという男中々出来るとユリウスは思う。剣豪はバルも同じだが剛獣とついている。大猩猩になるらしいがどれくらい強いのか…


 ドクトリウム辺境伯爵に対してそう思っていると本題を話される。


「お主と戦いたいのは山々だが…今はそうも言ってられん状況だ。ハイマンの小倅からあらかた聞いたが事実か?」

「えぇ。事実ですよ。()()()()()()

「鑑定か…にしても…」

「私の鑑定は他のと違い人の過去まで分かる鑑定眼でしてね。真実性は保証できますよ」


 それを聞きレオ達は前から聞いていたから知っているがエルネシア一行とドクトリウム辺境伯爵達は戦慄する。


 それを使い悪用されたらたまったものではない。さっきより本気の殺気を込めユリウスに問いかけるドクトリウム辺境伯爵。


「お主そんなスキルを手に入れて何をするつもりだ!」

「依頼をこなすだけですよ」

「依頼だと?誰からの依頼だ!」

「女神アクアジーネ直々に貰いましたよ。ハルハンドの野望を阻止して欲しいと」

「そんなの信じれるわけが無いだろ!この平民風情が!」


 またしてもフランクがユリウスに食って掛かるがその場に神気が突如現れユリウスはもしやと思い身構えた瞬間。


「本当の事だ。フランク・デン・キントレス!ユリウス君に依頼したのは紛れもなくこの私女神アクアジーネだ!」


 威厳のある言葉と共にこの場に姿を現すアクアジーネ。

 それを見た瞬間ユリウス以外の者が席を立ちアクアジーネに対して跪く。


 この世界の最高位に当たる女神だ、跪かないのがおかしい。本能で従っているのだ。

 全員恐れ多くて喋れない中ユリウスだけはアクアジーネに話しかける。


「久しぶりやね。この星の女神がこんなにやすやすと顕現してよかとね?」

「普段は許されないけど、リチャード君とエルネシアちゃんにはユリウス君の味方になってもらう必要があるし私の【使徒】であるユリウス君が貶されてのはねぇ〜」


 そんな軽い口調でユリウスに話しかけるアクアジーネだったがフランクを見る目は冷たい。


 アクアジーネに睨まれているフランクは使徒と聞き冷や汗が止まらない。

 平民だからと見下していた人物が実は最高神の使徒だ。自分とは位が違う。


「で、本音は?」

「君に対しての愚行が多いとうるさい人がでてきそうで怖いんだよ!特に君の上司!この世界っていうか惑星ごと破壊しそうだよ?そんな人物に睨まれるのは嫌だね!」


 アクアジーネの言葉を聞き戦慄する一同。

 そんなにも強力な力を持った人物に仕えているのかと驚愕する。それでも受け入れられないのがフランクだ。


「そんな方じゃなかばい。そもそも低文明の惑星にいくら次元が違うからと武力で黙らせるお方やなかばい。やるなら精神攻撃やろうね!二度と人として立ち直れないぐらいには追い詰めるやろうね!」

「だろうね!百合花さ――」

「お、お、恐れながら、アクアジーネ様。そ、それがどうだと言うのですか?せ、世界を滅ぼすとか低文明だとか訳が分かりません!そんな平民如きに使徒など大袈裟です!そこは選ばれし――」

「黙れ、フランク・デン・キントレス!お前の一声でこの世界が滅びる可能性があると言うことを理解しろ!異世界である地球やその他の惑星だけでもこの世界の文明より優れているのにそれよりも高位の文明であるユリウス君を敵に回すつもりか?」

「えっ?あ、えっ?」


 それでも理解が追いつかないフランク。

 尚も混乱するフランクに追い討ちをかけるアクアジーネ。


「そもそもユリウス君はおうぞ――」

「余計なことを言うなアクアジーネ!」


 静かな怒りを込めて言うユリウス。

 それを言われたアクアジーネはユリウスに舌を出しやっちゃいましたって顔をする。


「ごめん、ごめん!これは秘密だったね!それで…」


 アクアジーネがユリウスに謝罪した後再びフランクに冷酷な視線を向けながら話す。


「フランク・デン・キントレス!この件には私には到底敵わないお方が関わっておられる!そのお方はユリウス君を気に入ってこの世界に召喚することを了承していただいた!その方に目をつけられれば私もこの世界も終わりだ!」


 そこでエルネシアが恐縮しながらアクアジーネに問う。


「アクアジーネ様が敵わないお方とは…」

「詳しくは言えないが私達神を産み出す存在とだけ言っておこう」

「最高神様を産み出す存在…」

「さてユリウス君!今日は君の成長を見に来たと言ってもいい!」


 気分を取り直しアクアジーネがユリウスに話しかける。その様を見てエルネシアはユリウスが特別な存在なんだと改めて思うのだった。


 アクアジーネはユリウスを一旦ジーと見る。


「なんね?ジロジロ見て」

「いや~うまいぐわいに成長してるね!【とある力】も覚醒しそうだ。後は君自身の心身の成長のきっかけが必要だね」

「とある力?」

「君の()()()()なら持っている力だよ!」

「父方の、ね…俺の父親は()()()()()()()()()やしね!実父の事は尊敬や敬ってはいるが俺の家族は俺を育てくれた人達だと思っとる」


 何処か悲しげな物言いで応えるユリウス。

 それを見てそれもそうかと思うアクアジーネ。

 そこで気を取り直しアクアジーネが全員に向かってこれからのことを話さす


「さて。君たちにはこれから苦難や葛藤が襲うだろがそれに心折れずに立ち向かって欲しい。特にレオナルド・ハワード、エルネシア・フォン・シュナイゼルそしてディラン・ペルティナ」

「はい…」

「「ハッ!」」

 

 突然名前を呼ばれ混乱するレオと瞬時に応えるエルネシアとディラン。だがなぜディランが呼ばれたのか本人も困惑している


「3人はユリウス君を除きここにいる誰よりも苦労するけどその先に必ず成長があるから頑張って!」

「「「ハッ!」」」

「それとシド、リチャード・ドクトリウム、若人の事頼んだよ」

「「お任せを!」」


 シドとドクトリウム辺境伯爵はこの世界の最高神に頼まれ張り切って応えるのだった。


「最後にユリウス君、そう遠くない未来君に助っ人が来るから対応宜しく!」

「それはどういう事…ハッ!?まさか…」

「私じゃ同仕様もできなかったよ…」


 ユリウスは思い当たる人物があるのか嫌な顔になりアクアジーネは諦めた顔をしている。


「それじゃ。前にも言ったけどこの世界を楽しんで過ごして!私のお願いはユリウス君の好きな時にでも良いから!じゃあね!」

「おい!ちょっと待たんね!」


 ユリウスの静止を無視して言葉を逃げるように去って行くアクアジーネ。

 その場の神気がなくなりユリウス以外の全員の緊張が和らぐ。


 特にフランクは神に叱られその顔は真っ青になり今後どうして良いのか分からなくなっていた。



 そこでドクトリウム辺境伯が呟く。


「まさかアクアジーネ様が降臨なされるとは…それに使徒か…」

「あまり俺が使徒だということを口外しないで頂きたい。シュナイゼル王国にどれだけハルハンドの間者が紛れているか分からないものですから」

「そうか…それもそうだな!それよりもお主…いや使徒殿に失礼か…貴殿には儂に対してくだけた口調で話してくれて構わん!儂は堅苦しいのが苦手でな!先ほどのアクアジーネ様に対してが素なのであろう?」

「使徒扱いもやめてください…分かった。ドクトリウム卿そうさせてもらう!」


 そこでドクトリウム辺境伯が右手をユリウスの前に出し握手を求める。ユリウスはこういうタイプは嫌いになれず仕方なく苦笑いを浮かべ握手に応じる。


 それまで事の流れを見ていたエルネシアが私もと思いユリウスに話しかける。


「ユリウス殿私もレオ殿達と同じ様に話してくれて構わない!」

「「「「「「姫様!」」」」」」

「良い!私も堅苦しいのは苦手でな気軽にしゃべってもらったほうが私としては楽だ!それにこの世界の最高神であるアクアジーネ様と気軽に喋る仲なのだぞ!そもそもアクアジーネ様に劣る1王族にすぎない私が偉ぶる必要はない!」


 自信満々に語るエルネシアに対して、相手は使徒だしなと思う者がいる中フランクだけは顔を青くしながらも懲りていなかった。


「アクアジーネ様の使徒だから何だと言うのです!高位の文明だか何だか知りませんがこの世界を壊せる力がある?バカバカしいそんなの出鱈目です!たかだか平民の分際で…」

「ハァ〜、フランク。あれだけアクアジーネ様に叱責を受けたにも関わらずその神様の言葉も疑うとはつくづく懲りない男だ…」


 呆れてものが言えない一同。あれだけアクアジーネに叱られたのにもかかわらずその言葉も疑うとは手に負えない。


「ユリウス殿…」


 エルネシアはフランクをどうしたら良いのか分からなくなりユリウスに助けを求める。


「言いたいことは分かるがこういうバカは放っておいたほうが良い!話が進まなくなる!そもそも俺たちがここで訪れたのはハルハンドの野望を止める為だ!違うか?」

「そうだったな。ドクトリウム卿話を進めよう!」

「そうですな、姫殿下。話によればキントレス領を襲うと同時にウラス砦も襲うとのこでしたが確認させた所ハルハンドの砦に3000の兵が準備をしておりましたな!」

「そうか…」

「しかしこちらも1000迄ならキントレス領に助力できるでしょう!儂も向かいますので!」

「それではこちらの守りが手薄にならんか?しかもドクトリウム卿も参戦となると…」

「心配には及びません!倅のマルクスが居ますので大丈夫です!」


 ドクトリウム辺境伯は後ろで待機しているマルクスをちらっと見る。その顔は自信に満ち溢れていた。


「俺の偵察ではそこまで本格的にウラス砦は攻めるつもりはないだろう。問題はルグルズ平原に来る5000の兵だが銃を装備した者達が見られた。その数1000だ」

「銃…銃剣部隊か…厄介な!」

「フム…キントレス領の領都【トゥエンテ】には城壁はありますが銃での攻撃は想定しておりませんからなそもそもギルレア公国とは友好国!そもそも攻撃されるとはキントレスは思っておらんでしょう!」


 3人が思案しているとそれまで黙っていたマーノがおもむろに発言する。


「そもそもハルハンドの奴らは策がバレたと思っていないのだから奇襲で私が大魔法を放つわよ!それで半分は減るはずよ!それに防がれたとしても物理無効の結界を張れるから銃なんて大した事ないわ!」

「さすが大賢者様ですな!これほど力強いとは!こちらも銃を持った部隊を200ほど準備させよう!ユータス、マルクスその様に動け」

「分かりました。父上」

「かしこまりました」


 そう言うと二人は準備のため部屋を後にする。

 キントレス辺境伯にも力を貸してもらえればよいがこのフランク(バカ)の親だ、ユリウスの事など聞くわけがない。


 どうしたもんかと悩んでいるとシドがユリウスに話しかける。


「ワシも障壁を出すので銃の事は気にするでない!ハルハンドは精鋭を出すんじゃろ?マーノが数を減らしてもシュナイゼルの兵でどうこう出来るか分からんがワシの子らがおれば大丈夫じゃ!問題は剣王と呼ばれておる男じゃな」

「そうやね。どれ程の力をもっとうか分からんばってんその男は俺が相手するばい!ドクトリウム卿、姫様、トゥエンテとルグルズのすぐ近くに林があるはずだ!そこに兵たちを隠して奇襲を掛けるのはどうだろう?」

「確かにあの林なら兵を隠せるな」

「キントレスの奴がこの事を受け入れるわけがない!ましてや儂の事をよく思っておらんからいきなり兵を連れて行っても警戒するだけ!貴殿の話に乗ろう」


 こうして話は進んでいくのだったがフランクが良からぬことを考えているのを見逃さないユリウスだった。




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