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自称日本人の異世界放浪記  作者: sayi
第一章 出会い編
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第21話 王女


 ユリウスが尋問という名の拷問を終え6人に服を着せてから船より魔獄の森の家の前へと転移する。


 転移すると小さい毛玉が3匹引っ付いてきた。


「ユリウスにいちゃんおそいよ!もうひぐれだよ!」

「ニィニ!オナカペコペコ!」

「クェ!」

「なんか増えとるし…今から準備するけどコイツらを収容する家を用意せんといかんし念の為監視が必要ばい!」

「ならその監視私に任せてください、主」


 キッド達に言い聞かせるように話しているとそこへ赤髪で長さは肩まで、黄色の鋭い鷹の目で紺色のメイド服を着た身長160cmくらいの女性が近づいてきた。


「あ、主?そもそも誰?」

「私はレッド・グリフォンです!我が子を救って頂きありがとうございます!そして私は貴方に忠誠を誓います!」

「イヤイヤ!忠誠とか要らないから!そもそも助けたのはキッド達だし…巣へとお帰り!」

「いいえ!帰りません!また人間が来るかもしれませんしここならシド様がいらっしゃいますので安全です!」

「そうか…じゃその家も用意しないとな!」

「いいえ!主の側でお世話をさせて下さい!」

「そう言われてもなぁ〜」

「ユリウス様その娘の言う通りにしてあげて」


 ユリウスがレッド・グリフォンと話しているとこちらに近づく者達がいた。


 ユリウスは声のした方へと振り向くとそこにはシノとその息子。全身黒尽くめの革鎧を装備した黒髪短髪でシノと同じ目の色をしたシンが居て両脇にはブラック・ブラッティータイガーが2匹いた。


「やけん様はやめんね!いつもいってるでしょうが!」

「ユリウス様は、ユリウス様!変わらない」


 シノはユリウスの料理、特にポテトサラダ、じゃがバター等芋系を好んでいてあまりにも好きすぎていつしか様をつけていた。


 シノの息子、シンもまた母の影響でユリウスの事を主君と思っている。


「ユリウス様それよりもソイツらの監視はシンとこの子らに任せて!場所も馬房で良い!ソイツらにはそれで十分!」

「お任せを!」

「で、その娘らに名付けしてあげてユリウス様に仕えるのだから!それで良いよね」

「はい!是非お願いします!我が子も喜びます」

「クェ!」

「え〜…」


 そう言われ悩む。レッド・グリフォンの子を鑑定してみるとオスだった。


 暫く悩むと決まったのか名を告げる。


「これから君はイザベラ。その子はアレックス!それでどう?」

「イザベラ…はい!これからイザベラと名乗ります!」

「クェ!!」


 名をもらい喜ぶイザベラ。アレックスは余程嬉しいのかユリウスの周りを飛び回っている。


「じゃあシンさん。コイツらの事宜しく!さぁ家に戻ろう!」

「「うん(ウン)!」」


 キッド達と共に家の中へ入ると怒声が響き渡る。


「いつまでこんな小汚く狭い家に居なければいけないんだ!この方をどなただと思っている!シュナイゼル王国の第2王女様だぞ!」

「よせフランク!私は気にしない!それよりも助けていただいたマーノ様に対して礼儀がなっていないぞ!」

「しかし姫様!大賢者か何か知りませんが所詮は平民我々高貴な存在には遠く及びません!」

「おい!それ以上口を開くなこのクズが!」


 フランクの変わらない態度にイラッとして少し殺気を込めて話す。


 するとフランクはビビリながらもユリウスに反論する。


「き、き、貴様!ど、何処に行っていた!デッケンはどうした?」

「尋問したが?」

「尋問しただと?みが――」


 尚も言い続けようとしたフランクを制しエルネシアがユリウスに話しかける。


「貴殿がユリウス殿か話はマーノ様に聞いている。私の名はエルネシア・フォン・シュナイゼルという。此度の件助けて頂き礼を言う!」


 名前:エルネシア・フォン・シュナイゼル

 種族:人族

 性別:女性

 年齢:20歳

 職業:双剣姫(そうけんき)

 スキル:【双剣術】【軍師】【火魔法】【体術】【疾風】【気配察知】【魔力操作】【身体強化魔法】【魔力感知】【生活魔法】

 称号:炎双剣姫

 加護:火の女神フレーヤの加護

 詳細:シュナイゼル王国第2王女。冒険者登録をしておりAランク。シュナイゼル王国の宰相【ハーゲン・ビッツヘルン】にウラス砦にハルハンドの動きありとの命により騎士を連れてウラス砦にやって来た。だがちょうど賊が出たとの情報で魔獄の森に入り罠に掛かる。デッケンの事は残念に思っている。


「別に構いませんよ。それよりも晩飯を準備するので失礼します!クロエさん手伝って!」

「はい!承知しました!」

「主、私も手伝います!」

「はいよ!」


 フランクがまたしても文句を言っていたが無視しキッチンへと向かう。


 今日はホーンカウの肉を使ったステーキを作る為収納魔法から肉を取り出す。勿論キッド達の為にプリンも作る。


 ステーキの為にジャポネソースを準備する。その様子をクロエは興味深く観察して勉強している。キッチンの隅にはキッド、ノワール、アレックスが大人しく待っている。

 

 調理をし終えクロエ達と共に居間とエルネシア達がいる広間に料理を運んでいく。


「平民の食べ物等食べていられるか!姫様砦へ戻りましょう!」

「落ち着けフランク!ユリウス殿に何か意図があるのであろう!それにここは魔獄の森の中央と聞いた。フランクはどの様にして帰るつもりだ!」

「それは大賢者を利用すれば良いのです!王族の為ならば喜んでやってくれます!」

「貴様はマーノ様を何だと思っている!マーノ様はかの7英傑だぞ!失礼にもほどがあるぞ!」

「えっ!?」


 マーノが7英傑だと知り驚愕するフランク。

 それを聞いていたゼフとアネーシャは何を当然なことをと呆れて物が言えない。


 料理の準備を終え皆で食事をしだす。尚ノア、シノ、バルは寝る所は別に家があるが食事だけはユリウスの家で食べている。


 狭くなってきたので家を大きくしようかとユリウスは検討している。


 ユリウス達が食前の言葉を言った時エルネシア一行は戸惑っていたが直ぐに気を取り直し食事をしだす。


 エルネシアは気にせずに食べようとしたがゼフが毒見をしませんとと言い出し仕方なくゼフに譲って見守る。


 ゼフは最初恐る恐る口に運んだがあまりにもの美味しさでついつい夢中で食べてしまう。

 それを見て我慢出来ず聞いてしまう。


「おい、ゼファード!毒はあったのか?」

「あります!人を夢中にさせる毒があります!」

「何?そんなにか?」

「えぇ!私は今までこんな料理食べたことはありません!それぐらい美味いです!」

「何?では私も頂こう」

 

 そう言いながらエルネシアとアネーシャは食事をしだす。

 エルネシアが食べると王宮でもこんな料理食べたことはないと思いながら夢中で食す。

 アネーシャも同様だ。


 一人だけ食べない者がいる。フランクだ。


「何をそんな大袈裟な!所詮平民が作ったものなどたかがしている。姫様騙されてはいけませんぞ!」

「何を言うかフランク!騙されたと思って食してみよ!」


 そんなぁと言いながら渋々食事に口をつけるフランク。口に運んだ瞬間驚愕する。

 こんなの食べたことがない。そう思ったフランクはユリウスに向かって言ってはいけないことを言う。


「良し!喜べ平民!貴様を我が家の料理番として雇ってやる!貴族に仕えるのだ光栄な事だ…ヒィーーーー」


 フランクが言い終える前にユリウス以外の者達に睨まれ殺気を飛ばされる。


「お前死にたいのか?」

「そのようじゃのう!」

「愚か者と思っていましたが…それ以下でしたね!」

「ハァ〜!バカね!これだから貴族は嫌いなのよ!」

「アンタバカだね〜…シノ斧から手を離しな!」

「止めないで母さん!コイツ殺す!」

「姉貴の言う通りだ!剣のサビにしてくれる!」

「主の敵は私の敵です!」

「ばかはしんでもなおらないって、ぼくでもしってる!」

「キッドバカニシツレイ!バカイカ!」


 そんな声が飛び交う中エルネシアは焦りながらみんなの殺気を止めようとする。


「皆殺気を飛ばすのを止めて頂けないだろうか?この者にはきつく言っておくので!」


 そう言いながら頭を下げるエルネシア。それに続きゼフとアネーシャも頭を下げる。一人頭を抱えて震えるフランクを残して。


「皆止めんね!せっかくの飯が不味くなる。それに貴族の戯言をイチイチ聞きよったらきりがなかばい!」


 ユリウスの言葉で皆の殺気が止む。

 それを受けエルネシアがホッとした表情になる。


「礼を言う、ユリウス殿!」

「いいえ構いませんよ!それにしても王族は大変ですね!こんなバカ貴族を抱えてるんですから…」

「面目ない!これでも腕は確かなのだ!」

「腕は確かでも王族や貴族は民によって生かされてる存在。こんなのが貴族だと民に見限られる事になりますよ!王族はそんな貴族がでないようにするのが役目で民を導くものだと思います!」

「貴殿は!」

「よせ!ゼファード!」


 反論しそうなゼフを止め正論だなと思うエルネシア。まるで王族に使えているような気がしてならない。


「ユリウス殿は何処かの王家に仕えているのか?如何にもな言葉過ぎてそうとしか思えないのだが…」

「えぇ。仕えてますよ!異世界で!ですが」

「「「ッ!?」」」

 

 異世界と聞いて驚愕するエルネシア、ゼフ、アネーシャ。

 レオはユリウスが異世界人という事は知っていたが王族に仕えてるのは知らなかったが深くは聞かないことにした。


「良かったのか異世界人だと伝えて?」

「あぁ!食後に話すことを信じてもらうためにはそこは伝える必要がある」


 それを聞いたレオ達は納得し食事を再開する。

 フランクも復活し終始気まずそうに食していた。


 食後のプリンも食べ各々が酒を飲んで談笑している頃エルネシア達4人は酒を飲まず明日の話をしていたがユリウスがここにエルネシア達を呼んだことが気になり聞いてみる。


「ユリウス殿、そろそろ本題にはいってはくれないだろか?」

「えぇ、そのつもりですよ。では先ず、ハルハンドの狙いは姫様の命だけを狙っての行動ではありません!」

「それはどう言う…」

「今頃、【ラインハルト】王太子殿下は【ギルレア公国】に国交親善の為訪問されていますね?」

「あぁ、今頃帰国される頃合いだろう」

「そこのバカの実家、【キントレス辺境伯爵】の領地を訪れますね?」

「何だと貴様!私がバカにするのか!?この平民風情が調子に乗るなよ?」


 バカにされ激昂するフランク。

 それを気にすることなく話を続けるユリウス。


「お前にも関係する話だ。黙って聞け!」

「落ち着け、フランク。話を続けてくれないだろか?ユリウス殿」

「えぇ。話は変わりますが今回の訪問に同行している者の中に【ゲイリー・ビッツヘルン】が居ますね?」

「あぁ、宮廷魔法師で宰相の御子息だ」

「その魔法師が時空間魔法が使えていたら?」

「それは無い。鑑定と表示玉で確認して時空間魔法は使えない」

「ソイツ加護持ちでその効果で隠蔽を持っている」

「ユリウス殿、誰の加護なのだ?」

「異界の女神ベアトリーチェ」


 その言葉を聞き衝撃を受ける4人。

 あり得ない!という表情をしている。


「何を驚いてるんですか?こんな事でイチイチ驚いていたらこの先の話聞けませんよ。全部聞いてから反応してください」

「あ、あぁ。承知した」

「では。ゲイリー・デン・ビッツヘルンがハルハンドにいる数人の時空間魔法使いとともに、大量の魔結晶を使って時空間魔法でハルハンド兵5000人を【ルグルズ平原】に召喚し、ギルレア公国兵に扮してキントレス領に襲撃を行い、その混乱を利用して王太子を暗殺する事とその責任をギルレア公国に擦り付けてシュナイゼル王国とギルレア公国の関係悪化が狙いです!」


 ユリウスの話を聞き全員絶句するのだった。



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