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自称日本人の異世界放浪記  作者: sayi
第一章 出会い編
20/33

第20話 始末


 倒れた男デッケン・ハイマンはびくともしない

 ユリウスは溜息をつきながらデッケンに声を掛ける。


「いつまで死んだフリを続けるつもりだ…【血の騎士】さんよ!」


 倒れているデッケンから小さな呟き声を聞いたノワールが直ぐ反応する。


「ッ!ニィニ!ヨケテ!【ブラッティーファイア】ガクル!」

「チッ!」


 ノワールの言葉で横へ避けるユリウス。

 するとユリウスが元いた場所でいきなり燃え上がる。


「やれやれ…避けますか…せっかく姫様の抹殺が上手くいきそうだったのに!それに私の隠蔽を看破するとは…厄介ですね!」


 言いながら立ち上がるデッケン。


 名前:デッケン・デン・ハイマン

 種族:人族

 年齢:29歳

 職業:騎士(血の騎士)

 スキル:(【血魔法】)【剣術】【投剣術】【気配察知】(【魔力操作】)【体力増強】(【魔力感知】)(【隠蔽】)(【策略家】)【生活魔法】

 称号:無し(異界の女神ベアトリーチェの信者)

 加護:無し(異界の女神ベアトリーチェの加護)

 詳細:ハイマン伯爵家の次男。ハルハンド神帝国と家ごと内通している。ウラス砦に行く予定だった【エルネシア・フォン・シュナイゼル】に同行し賊に扮したハルハンド兵を裏で手引きを行いレッド・グリフォンを使って護衛諸共、邪魔なシュナイゼルの王族を殺そうと策略。人族至上主義者で忠誠心はハルハンド神帝国にある転移石所持。


「マーノさんよ!異界の女神って何なん?」

「邪神の事よ!それがどうかしたの…ってまさか!?」

「そう!加護持ち!」


 ユリウスとマーノがやり取りをする中それどころではないのがゼフとアネーシャ。そして我に返ったフランクだ。


「どういう事だ!デッケン!隠蔽して我々を騙していたのか!?」

「嘘よね?」

「デッケン!貴様生きていたのか?」

「…」


 3人が話しかけるがデッケンは黙ってユリウスを睨めつけて一向に応えようとしない。


「我々を裏切りハルハンドと手を組んでいたと言う事か?どうなんだデッケン!答えろ!」

「こっちを見て答えなさいよ!」

「嘘だろ?貴様は俺と同じ貴族派閥のはずだ!俺を裏切るはずがない!なぁ!?」

「うるさいですよ!虫けら共が!」


 3人が話しかける中やっと3人を見て応える。

 3人を見るデッケンの目は、嫌悪に近いような目で見つめていた。


「我々を裏切る?ハハハ!笑わせないで下さい!裏切ったのではありません!最初からハルハンドの為やってきた事ですよ!私の忠誠は女神ベアトリーチェ様にあります!私は生まれて物心ついたときから心はハルハンド神帝国民ですよ!」

「なっ!?」

「嘘でしょ…」

「嘘だ!そんなの嘘に決まっている…」


 3人の表情は様々だ。

 ゼフは絶句し、アネーシャは信じていた者に裏切られたショックが大きい顔をしている。

 フランクだけは現実を受け入れずに否定していた。


「実に面白いぐらいに事が運んでくれました。特にフランク!貴方は実に扱いやすかったですよ!実力のある【ディラン】を平民だからとウラス砦に残してくれてありがとう!彼は私を疑っていましたし彼がここに居たらプランを変更しいたでしょうね!せっかく上手く行っていたのに邪魔が入るとは…ねっ!」


 そう言いながらデッケンが短剣をユリウスに投げつけるがそれをかわし月光を鞘に収める。

 一方でこの状況を作ったのは自分のおかげと言われ信じたくない様子だった。


 その3人の様子を見て自分だったらどんな状況でも自分の主を死に物狂いで守るのにコイツらは何をやっているだと怒り怒声を上げる


「いつまでしけた面してんだ!どんな状況でも主を守るのが臣下の務めじゃないのか?いつまで他人に主を預けるつもりだ!しっかりしろ!!このバカ野郎が!」


 デッケンの投剣をかわしながら3人を叱りつけるユリウス。

 マーノはバリアを張りながらたまに飛んでくる短剣を姫様と呼ばれていたエルネシアに当たらないようにしていた。


 ユリウスの言葉をゼフとアネーシャはハッと我に返りゼフは迷いなく動き、アネーシャは若干戸惑いながらもエルネシアを守る為エルネシアの側による。


 フランクはそれでも動こうとせず現実を受け入れないでいると短剣がフランクに飛んできた。


「いつまでボーッとしてるの?きしはあるじをまもるのがしごとでしよ?ユリウスにいちゃんがいつもいってるよ!それともそのけんはかざりなの?」


 飛んできた短剣を素早く右前脚で弾きながら諭すキッド。

 その言葉に我に返りエルネシアの下へ向かいながら怒声をキッドに向ける。


「うるさい!魔物風情が!偉そうに口を開くな!」

「え〜。めんどくさいなぁ〜!たすけてもらったらおれいをいうものだよ?」

「キッド!イチイチ相手にせんでよかよ!後で好きな物作ってやるけん!」

「やった〜!プリンがいいなぁ〜!」

「キッドダケズルイ!」

「分かった、分かった!ノワールの分も作るけんグリフォンの親子しっかり守って!」

「ウン!マモル!」


 そんなやり取りをやっていると中々当たらないことに怒りを増し血魔法の槍を数本ユリウスに向かって放たれる。


「いつまで喋ってるつもりですか?剣も抜かずに避けるのが精一杯ですか?」


 これは避けられないとデッケンは思い余裕の表情で話しかけるが――


「分解」


 魔法が一斉に消える。


「なっ!?」


 驚愕の表情になるデッケン。

 ユリウスは右手を前にかざしているだけ。

 何が起きているのかサッパリ分からない。


「さて!短剣も尽きたようだしこっちから仕掛けますかね!」


 ユリウスは中腰になり右手を刀の柄を持ち抜刀の構えをする。

 次の瞬間少し離れた所から消え急いで抜剣し構えた時。


 キーン


 と音が鳴りデッケンの剣が折れる。

 思考が追いつかず焦りの表情になるデッケン。

 ユリウスは身体強化魔法を使い瞬歩で間合いを詰めて切りつけただけ。


 斬りつけた後また距離をとるユリウス。


「な、な、なに、が、何が起きている?う、ウジ虫が!何をした!?」

「何って瞬歩使っただけだが?」

「瞬歩だと?そ、そんなのあり得ない!ま、まさか【剣王】であるあの方と同じ技を…デマカセを言うなウジ虫が!…………【ブラッティー・ランス】」


 余裕がなくなり言葉遣いも崩れてきた。

 事実を受け入れられず詠唱を唱え魔法を放つ。

 その数10本になるブラッティー・ランスがユリウスに向けて放たれる。 


 だがそれを右手をブラッティー・ランスに向けて分解魔法を放ちブラッティー・ランスが消える。


 それを受けデッケンはまた驚愕する。さっきのは偶然ではなく何ならかの魔法で消されたのだと悟る。


 瞬歩も事実であれば自分の敵う相手ではないしこの事を父や本国ハルハンド神帝国に報告せねばいけない。懐から転移石を取り出そうとしながら時間稼ぎをする。


「参りましたね…私の魔法が通じないとは…でも次はそうは行きません!私の策略を持ってウジ虫であるあなたも姫様も殺して差し上げます!ではさようなら!」


 転移石を持ち発動させ魔法陣が出た瞬間それを打ち消すように妨害魔法が発動し転移石は発動しなかった。


「なっ!?な、何故発動しない!」

「お前、俺に気を取られすぎ!此方にはマーノさんがいるんだから無理に決まってるだろ?それに…」


 ユリウスはタバコを取り出し火を付け一口吸う。


「何だ!何が言いたいウジ虫が!」

「殺す気で俺とやりあったんだ。殺される覚悟はもちろんあるんだろう?」


 静かにユリウスが今できる精一杯の殺気を込めて言い放つ。


「ヒィーーーー!……」


 それを受けデッケンは悲鳴を上げながら泡を吹き気絶する。


「ふぅ~、こんなもんか?マーノさん!そいつらとグリフォン親子、キッドとノワールを連れて先に家に戻ってて?」

「良いけど。ユリウスはどうするの?」

「コイツらの尋問!」

 

 ものすごい笑顔でマーノに告げるがその顔を悪巧みをしている顔だとマーノは思う。


「程々にね!」

「別に殺したりせんよ!でも殺された方がましだと思うくらいにはやろうと思っとうよ!」


 それを満面の笑みで告げるがマーノは苦笑いしかでてこない。御愁傷様と思うのだった。

 3人はユリウスの顔を見て戦慄が走る。


 こうしてマーノのはユリウスと賊5人、デッケンを残し家へと転移するのだった。


 ユリウスはそれを見送り6人を連れ「転移」と言い6人と共に消えるのだった。





 所変わりここはユリウスの宇宙船の実験室、周りにはカプセルが壁一面並んでおりその中は液体で満ちていて様々な死骸が保存されている。


 中央には手術台が7つ並んでおり6人が手足に枷をつけられており身動きできない。しかも全員裸でだ。

 手術台の横にはナイフやペンチ、ノコギリ等といった物が7つ用意されている。


 そこで一人の男が目を覚ます。


「やぁ〜!目覚めたかい?ハルハンドのテイマー、ゾネス・テールーさん!」

「ここはどこだ!何故私は裸なのだ!」


 ユリウスを見るゾネス・テールー。

 その姿は白衣の中に白いエプロンを付けているが両方とも血まみれだ。


「ここ?何処だろうね?お前達は知る必要がないかな!」

「私を誰だと思っているハルハンド神帝国の一級テイマーだぞ!」

「知ってるよ」


 と言いながら手術台の横の台に置いてあるナイフを持ちゾネスの腹部に刃を向ける。


「な、何をする気だ?」

「何って、尋問?」

「や、やめろ!誰か助けろ!おい!デッケン起きているなら助けろ!」

「無駄だ!この手術台には一つ一つ消音の結界が張られてる。君の声は他の人達には届かないし、()()()()()()()()()()()()()()()()()

「聞こえなかった?」

「うん!お前で最後!」


 満面の笑みで答えるユリウス。

 この実験室はクリシュナの管理下にある手術台の一つ一つに消音の効果がある結界があって当然だ。


 尚、一人一人起きるように管理しているのもクリシュナだ尋問途中で起きないように管理されている。


 ゾネスは左右にいるデッケンや仲間を見るが身体は無事だが血まみれだ。それ見てユリウスを見るとゾネスは戦慄する。


「か、金か?金ならやる!望みの額をやる!だから助けてくれ!なぁ!」

「金は必要ない!」

「な、なら…じ、情報か?それなら喋る!だから助けてくれ!」

「それも必要ない!すべて知ってる。君達()()()()()()()()()()()をね!」

「なら何故?」

「お前は今までどれだけの異種族をいたぶり無残に殺してきた?魔物も一緒だ!どれだけ不幸にし殺してきた?」

「そ、それは当然のことだ異種族など人ではない!それこそ魔物と一緒だ!淘汰されて当然だ!我々は女神に選ばれし存在だ!」


 ユリウスの問いに当然の如く持論を掲げる。


「それじゃ俺がお前に同じ事しても良いよな?」

「えっ?」


 その瞬間腹部を刺されるゾネス。


「ギャーーーー」

「喚くな。ゴミクズが!」


 そう言いながら別の場所を刺し血しぶきが飛ぶ。

 ゾネスは痛みで叫び声しか出せない。

 するとユリウスが再生魔法をかけ、傷口が治り痛みだけが残る。

 

「ハァ、ハァ…助けて…くれ…私は…ギャーーーー」

「助けないし、助けは来ない!お前が今までやって来た事が帰っくるだけだ!お前が死にたいと思うぐらいまで永遠に続ける!今までの行いを少しでも悔いるんだな!」


 そう言いながらユリウスは尋問という名の拷問を繰り返しゾネス歯ユリウスに心の底から恐怖するのだった。



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