第18話 魔法
朝食を終え家の外に出ると7人の人間ではない者たちと20は居るであろうブラック・ブラッティータイガーがいた。
「アンタ達!狩りと森を開拓出来る者は木を採伐していきな!後アタシ達の寝床を作るよ」
「ノアさん!家はもう用意してある。広さを確保してくれれば後はそこに建てるだけ!なんか要望ある?」
「もう用意してたのかい?そうだね…鍛冶場が欲しいね!」
「分かった!」
「聞いてたね?寝床は何とかなる!後は各自出来ることやりな!」
そう言うとシドの一族はそれぞれ森へと散っていった。ユリウスは中断していた種植を再開する。
レオは昨日と同じくシドに修行をつけてもらい、クロエとキッドは森の開拓。ノワールは森へと狩りに行った。
マーノはユリウスの近くで種植を見ていた。
「何を植えてるのよ?」
「色んな野菜やね!農地を広げて香辛料や果物とかも植えていくつもりたい!人数も増えたし食料が持たんばい!」
「それはそうね!大食いが居るわけだしね!」
「そうそれ!予想より早く食料が尽きるばい!肉はどげんかなるとして問題は野菜と香辛料たい!2カ月はもつけんそれ迄に収穫せんと…」
「2カ月で育つわけ?」
「そうやね!そうなる様に肥料を改良したけん!」
そんなやり取りをマーノとしていると、人が近づいてきた。
黒髪ショートで青眼、身長160cm前半で全身黒尽くめの鎧に背中には戦斧を背負っているシノと村娘の様な格好した女性が2人、クワを持ってユリウスに話しかける。
「私達はこっちを手伝う。畑を耕せば良い?」
シノの表情はやる気満々だ。よほどポテトサラダが気に入ってしまったのか朝食ではおかわりを沢山していた。
シノのやる気の圧にユリウスはたじろぎながらも言葉をなんとか出す。
「お、おう…助かるが…アンタはてっきり開拓の方にいくと思ってたんだが…」
「開拓は脳筋バカに任せれば良い!私はジャガイモが大事!」
「そ、そう…」
ユリウスがたじろぎながらシノの相手をしていると一人の女性が前に出てきてユリウスに頭を下げる。
「息子の世話をしてくれてありがとうございます!ララと言います!是非お手伝いさせて下さい!」
「ああ、大した事してないが…手伝ってくれるのは助かる!」
そう言うと3人はクワで土地を耕していく。
もう一人の女性はリノと言ってバルの奥さんでララとリノは魔族だった。
種植も終わり後はシノ達が耕しているところだけだと思っているとマーノがユリウスに話しかける。
「終わったわね!それじゃ魔法の勉強しましょうか!先ずは…魔力操作からね!」
「分かったばい!」
「体内にある魔力を集中して感じてみて」
「おう…」
ユリウスは集中して体内の魔力を感じることから始める。
「次に感じた魔力を血液の様に体内に循環してみてちょうだい」
「お、おう…結構難しかね」
手こずりながらも悪戦苦闘していたのだがユリウスは闘気の気を体内に循環するのと同じではと思考し気を循環させるように魔力を循環させる。
それがうまく行ったのか最初とは違いスムーズに行えるようになった。
「驚いたわ!この短時間でスムーズに循環を行えるなんて…」
「俺には気って言う自然エネルギーを体内に溜めてそれを使った闘気っていうのを纏って使用するんやけど、それと似てるなぁと思ってやってみた!」
「そう、それは気になるわね!分かったわ!それ私にも教えて欲しいわ!」
「分かったばい!」
「じゃあ、次ね!体内に魔力をいき渡せたらそれを纏ってみて!」
ユリウスはマーノに言われた通りやって行くこれも闘気を纏うようにやってみるも最初は苦戦するも段々と出来るようになってきた。
体を動かしてみると普段より強化されてるようだ。闘気に変わる身体の強化方法を見つけそれを維持出来るように研鑽が必要だと思考するユリウスだった。
そんな訓練をマーノと行い昼が近づいてきた。
森からノワールが狩りを終え、獲物を持ってきた。
シド一族も同様に狩りを終え戻って来る。
獲物は大量でホーンデビルラビットや全長1.5m程の鳥の魔物が大量にある。
種族:サンダーバード
詳細:魔獄の森に生息するBランクの魔物。
食用可能
ノワールはジャイアント・ファングボアが気に入ったのか今日一匹狩って来ている。
それらの獲物を開拓から帰ってきた者たちで解体してもらい昼食はサンダーバードを使った唐揚げにしようと心に決め、家の外に昨晩森の木で作ったテーブルや椅子を出していく。
昼食の準備でクロエと共に家へ行こうとすると先ほどのシノ達3人がユリウス達の前に出る。
流石に作業に邪魔になったのかシノは鎧を脱ぎカジュアルな服装になっている。
「調理手伝う!」
3人を代表してシノが手伝うと言い出す。やる気満々でまたしてもユリウスはたじろいてしまう。彼女はどうしてこんなにやる気に満ち溢れているのだろうかと思考しまう。
「包丁は触らせないぞ!」
「うん!構わない!」
シノの了承を得て家へと向かおとした時。
「ウチも見学していいかい?」
ノアがユリウスに話しかけてくる。
「構わないが面白くないぞ!」
「な〜に、職人がどんな道具を使ってるか気なっただけさ!鍛冶師の性だね!」
「そうか!分かった!」
ユリウス達は家に入りキッチンへと向かう。
米の準備をクロエにしてもらいユリウスはサンダーバードを解体してもらった肉を切る為に包丁一式を出した瞬間ノアが食い入る様に包丁を見る。
「へー、そこそこ年季の入った包丁だね!20年以上は経っているが手入れも行き届いている。相当大事にしてきたんだろうね。良い包丁だ!」
「ありがとう!これは大事な包丁何でね!料理人とって包丁は命に近い存在だからな!」
「そりゃそうだ!」
ノアとのやりとりを終え大量のサンダーバードを捌いていきクロエにサラダの準備してもらう。
こうして調理をしていき大量のサンダーバードを揚げていき味は醤油ベースのにんにくが効いた味と香辛料が入った塩コショウとブラックペッパーで味付けした味の唐揚げが出来上がる。
それをシノ達が外へと運んでいく。
その際ノアが「まだ食べるんじゃないよ!」と全員に釘を差し腹をすかせたバルが文句を言っていた。
サラダの盛り付けが終わり青じそのドレッシングをかけ完了しそれをシノ達が持って行く。
全ての料理にが準備し終えるとユリウス達も外に出て食事をし始める。
初めてユリウスの料理を食べた者たちは驚き生き良いよく食べ始め終始美味いと言いながら食べていた。
「いや〜。ユリウスの料理はどれも美味いな!ビールが飲みたくなる!」
「本当じゃな!特にこの醤油味が良い!ニンニクが効いていてたまらんわい!」
「私は塩ですね!」
「醤油じゃ!」
「塩です!」
「「ムー!!」」
シドとクロエで醤油か塩かで問答しているとマーノがユリウスにアレはないのか聞いてくる。
「ユリウス。レモンはないの?」
「あるばい!」
あらかじめ準備していたレモンを取り出しマーノに渡す。マーノは塩味の唐揚げにレモンを掛け食べ始める。
「う〜ん!これよ、これ!堪んないわね!」
それを見ていた皆もかけて食すが合う者と合わない者に別れる。シドは合い、クロエは合わなかった。またここでレモンを掛けるかかけないか問答が始まる。
そんなやり取りをしつつ食事を終え各々やるべき事をするために行動する。
ユリウスはマーノに魔法を教授すべく開けた場所へとやって来る。
マーノはどこからともなく一冊の本を取り出してユリウスに渡す。
「それも魔法ね?」
「そうよ!時空間魔法の異空間収納ね!容量は魔力に比例するわ!」
「それも覚えられると?」
「さぁ〜?才能次第じゃないかしら?」
ユリウスは渡された本の中を読むが言語翻訳は文字まで翻訳してくれないらしい。
マーノは仕方ないと言う顔をしながら。
「当然よね…分かったわ!」
そう言うとマーノは空中に魔力を具現化して文字を書きこの世界の文字を教えてくれる。
ユリウスは色々な星々を行き来している為その星の色んな言語や文字を学んできた。
この世界の文字も1時間で習得する。マーノはこれには舌を巻く程でもっと時間がかかると思っていた。
もう一度本を読むとそこには初級魔法の基礎が書かれていた。
「長々と詠唱をして魔法を出すのがこの世界の基礎みたいな事を言ってるのが一般的だけどそれはその魔法に対してイメージが出来て無いからよ。
魔法はイメージが大事よ!具体的なイメージが出来ていれば無詠唱で魔法の発動は可能よ!」
「アクアジーネもそんなこと言っとったね!」
「でも最初は魔法書で魔法理論を覚える必要があるわ!まぁ覚えてしまえば後は楽だけど!」
「分かったばい!」
ユリウスは初級魔法書を読み尽くし小さな火をイメージしながら魔力を変化させ小さな火をだす。ファイアボールだ。
「なるほど…難しいばってんやれんことはなかね!」
「初めてにしては良い方よ!才能によって出ないものもあるから!」
「属性はとかあると?」
「そうね。火、風、水、土の四大属性。それから光の聖属性、闇属性、無属性があるわ!」
「ほ〜う!レオの雷魔法とかキッドの神聖魔法何かはどれにあたると?」
「雷魔法は風属性からの派生ね!氷魔法や炎魔法も水属性や火属性からの派生よ!神聖魔法は聖属性の上位になるわ!聖属性は回復魔法が多いから!」
「ほ〜う!なるほどね~闇属性や無属性は?」
「闇属性は主に影魔法や呪魔法、死霊魔法とかノワールが使う血魔法ね!無属性は時空間魔法とか身体強化魔法が主よ!」
「分かったばい!」
「何度も言うけど、その人の才能次第だから覚えられなくても落ち込まなくていいわよ!」
ユリウスは初級魔法書を読み直しそれに書かれている四大属性魔法をやってみることにする。
結果時間はかかったものの四大属性は出せる事が判明した。
それからマーノは次々と魔法書を出しそれを読んでいくユリウス。
そんな訓練を繰り返し行っていると日暮れが近くなって来た。
訓練を一旦止め、採伐し終えた幹を分解していく訓練受けたお陰で魔力のコントロールも昨日に比べるとましになっている。
大分開けてきたので昨晩作っていた家をノアに場所はどこが良いか聞きながら設置していく。
見た目はユリウス達の家と変わりない。
それを二軒設置した。
家を設置し終え夕飯の準備に取り掛かろうとした時家の前の広場ではノワール達が狩りを終え皆に獲物を自慢したり解体をしたりしていた。
指揮をしていたノアがユリウスに気づき話しかける。
「訓練は順調かい?」
「あぁ。何とかね!で?何事?」
「ノワールがいきなり森の中に草原があるとか言い出してね!狩りをする者がついて行ったら本当にあってね!そこにホーンカウがいたのさ」
「珍しいのか?」
「草原があまりないからね!ホーンカウはそこでしか生息してないのさ」
「ほ〜う!」
(お前の仕業やね?)
『はい!この近くに草原が何箇所かありそこの一つにノワール様を誘導しました!ホーンカウはまだ生息していますので狩りはできますよ!気性が荒いようなので飼う事はできませんが』
溜め息をつくユリウス。まぁ仕方ないと思うことにした。
ユリウスは全長3m程度の黒色のホーンカウに鑑定を使う。
種族:ホーンカウ
詳細:魔獄の森の草原に生息する魔物Bランク。肉が上質で物凄く美味い。気性は荒い。
それが5体ほどある。
今日はあれで決まりだなと考えながら一体目が解体し終えていたのでそれをもらい収納してキッチンへと向かう。
するとクロエ、シノ、リノ、ララもやってきて手伝いをし始める。シノ達はノアに包丁を用意してもらったらしく本格的に手伝う気だ。
収納した肉を少しずつ出し切っていく。ホルモンもきれいに処理をして一口大にしていく。
肉の処理をクロエ達に任せ外に向かいバーベキューに使うドラム缶のコンロを数台用意して炭を入れた所でノアがやって来る。
「何だい!ひとりで全部準備しなくてもアタシ達がいるだ!頼りな!」
「あ、ああ」
「で?あとは火を付けるだけだろ?後は任せな!アンタ達火を起こすよ!手伝いな!」
ノアは本当に皆をまとめるのが上手い。
続々と指示に従いだす。
それを見てユリウスはキッチンへと戻る。
肉を切り皿に盛り付けするクロエとその皿を持って行くシノ達。
お陰でユリウスの手間も省けた。後は野菜やある物を準備するだけ。
ユリウスはその準備に取り掛かるのだった。




