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自称日本人の異世界放浪記  作者: sayi
第一章 出会い編
16/33

第16話 動き出す者たち〜百合花視点〜


『…だそうです。見ていましたか?』

「はい!バッチリと!」


 驚きましたね…ユリウスことユウちゃんが異世界に行ったので楽しみにしていたのですが、驚きの事実が判明しましたねぇ。

 これは銀河連邦の中枢、【ジン王国】の王家を揺るがす事になりました。


 面白い!実に面白い!

 顔がニヤけて来たので扇子で口元を隠します。


 様々なことを裏で手を回さなければうるさいのが居ますからねぇ。


 ジン王国には4つの王家があります。


 1つ目が、現王【神流(かみな)・ジン・杏樹(あんじゅ)】の【神流家】

 2つ目が、現王の第1王配の実家である【天王寺家】

 3つ目が、現王の第2王配の実家である【神堂(しんどう)家】

 4つ目が、前王の実家である【華京院家】で私の実家でもあります。


 前王は私の父でしたが今は隠居してから行方がわかりません。ハァ〜困った父だこと。


 王位継承は【()()()】の力を秘めた【()()()】の位が高いほど王位継承権が貰えます。


 極神核の位は初核、2核、3核等とありますが初核が本当は4つあったのですが今の所2つしかなく残り2つは所在が不明です。


 現在初核を所持しているのが神流・ジン・杏樹と【天王寺・ジン・晶】が所持しており次期王とされております。


 元々初核は()()()()()()()()()()心愛(ここあ)様から我々4王家に渡された物です。


 これは伝承なのですが初核は我々王家以外にも頂いている者が居たらしいのですが所在は不明です。今その方が現れたら王位継承権はその方にもあるということです。


 現れたらねぇ。フフフ


 極神核は初核から生まれた2核、2核から生まれた3核です。4核だけは3核の力と人工的に生み出された物になります。


 極神核の位は極神力に繋がり初核に近ければ強いのです。

 

 王家の人間は極神核を積んだ【()()()】を所持しているんですが極神核には人格があるので人を選ぶので所持している者が限られている現状です。


 前王の神器船は現在、現王の神流・ジン・杏樹に極神核が気に入られ所有権が移行しているのです。


 とまあ、ジン王国の仕組みはこんな感じですね。

 今はクリシュナの話を聞かなければ。


「まさかユウちゃんが行った異世界にそんな物があるとは…ですが確証があるわけではありませんね!クリシュナは引き続きそちらの世界を調査しなさい!」

『了解しました』

「それが事実であればその世界、いや星も重要になってきます。分かっていると思いますが慎重に調査なさい!」

『はい。慎重にいきます。事が事なので』

「そうね…それにしてもユウちゃんは濃密な日を送っていますね!彼らが支えになってくれれば良いのですが…」

『おそらく大丈夫かと彼らには彼らなりの事情がありますので』

「そうね、見ていた感じそう思うわ。でもね私としてはユウちゃんを見て欲しいのよ!」


 私にとってユウちゃんは大切な存在。

 何が何でも守りたいのだけれども私にも立場があります。


 私は周りに【冷酷智将】と呼ばれ恐れられ主に軍部や政治にも関わっています。その為情報収集や厄介な犯罪者等を極秘に始末する部隊を持っています。


 ユウちゃんはその部隊に所属しています。

 ただの1部下にすぎないと思われるかもしれませんが私にとってはそうではありません。


 嫌な汚れ役をさせている自覚はあります。

 ですがこれもユウちゃんを守るため、仕方ないことです。


 ユウちゃんには辛い人生を生きてきた。だからこそ報われてほしいのです。もう一度人を信じて欲しい、心から笑って過ごしてもらいたいと私は思い行動に移してきました。


 通信を終え一人で物思いにふけっていると部屋に来訪者が現れます。


「失礼します。百合花様お客様をお連れしました」


 青髪ロングをポニーテールにした身長は165cmくらいの白をベースにした軍服を着た女性【華京院・ジン・遥花】です。この子は私の孫娘で三姉妹の長女です。


「とうしてください」

「はい。どうぞお入り下さい」


 入ってきた人は160cm前半の黒髪に右側を三つ編みにしたラフな洋服を着た女性【仙台風(せんだふう)】殿です。この方神出鬼没な方で何をやっているか分からない人です。


「久しぶりですね。仙台風殿」

「久しぶりだね〜!百合花殿!」


 相変わらず何処か掴みどころがない方です。


「今日はどうしたのですか?」

「いや〜。おたくの所のユリウス君が行方不明と聞いてね〜」


 その瞬間、場の空気が変わります。

 主に私と遥花です。その情報は極秘、それにユウちゃんが異世界に行き10分も立っていない。

 本当にこの方はどこで情報を手に入れているのか…


「変に隠さないことだね〜ユリウス君を心配しているのは何もあんた達だけじゃない!()()()()()はあんた達もわかってるはずだよ!」

「えぇ。風殿の気持ちは痛いほど分かります。それで?どうするおつもりですか?」

「そりゃー当然――」

「お祖母様ユウが異世界に行ったって本当!?」

「待ちなよ!今百合花様は来客の対応中だよ!」


 ドタドタと入ってくる2人。

 騒いでる方が身長160cmくらいで水色の髪をロングに伸ばしウェーブがかかった白の軍服を着た女性、【華京院・ジン・絵梨花】私の孫娘で三姉妹の三女です。


 その絵梨花を止めている方が身長170cmくらいで緑髪ショートに同じ軍服を着た女性、【華京院・ジン・紗花】三姉妹の次女となります。


「すいません!絵梨花が止まらなくて…」

「良いのよ紗花!でどうしたの?絵梨花?」

「何でユウが異世界に行ったの?お祖母様が企んだことなの?」 

「いえ。偶然よ!ユウちゃんが異世界に行ったのは巻き込まれただけよ!まぁ向こうで依頼を受けたみたいだけどね!」

「何?依頼って?」

「神殺しという名の管理者殺しねぇ」

「そんなのユウ一人だけでは無理!私も行く!」

「やめなって!そもそもどうやっていくつもり?」

「止めないで紗花姉!それは私の【(さざなみ)】で行く!」

「3核の神器船持ち出してどうすんのさぁ!異世界って言っても低文明だよ!だめに決まってんじゃん!」

「行っくったら行くの!」 

「止めなさい2人とも!百合花様と客人の前ですよ!」


 ここで遥花が二人を止めます。流石しっかりした長女ですね。

 そこへ部屋をノックする音が聞こえてきます。


「はい。どうぞ」


 入ってきたのは身長が150cm後半で黒髪ショートで顔を狼の仮面で隠し口は開閉可能なマスクでできたものを着けていて服は黒の軍服を着た女性の様な人物通称【ウルフ】と言う私の部隊の部下です。


「失礼するッス!緊急事態ッス!」

「続けなさい!」

「了解ッス!ユリウス先輩が消えた同時刻に銀河連邦内で同じ様に消えた者が6人確認されたッス!痕跡を調べた結果、ユリウス先輩と同じ術式だと確認が取れたッス!」

「リストは?」

「百合花様の端末に送ってるッス」

「分かりました。確認します」


 リストを確認するとどれもSSSクラスの特級犯罪者ばかり…厄介です。

 6人中4人が特別刑務所で永久投獄されていた者、2人は戦艦事召喚されていることになる。


 ユウちゃんなら大丈夫ですが相手は戦艦を2つも持った特級犯罪者6人が一気に、しかも管理者も同時となるといくらユウちゃんでも骨が折れる。


 そんな思考をしていると風殿がいつの間にか私の後ろに現れリストを見る。


「う〜ん…【魔星帝国】出身の者も居るね〜」

「魔術も扱うから厄介ッス!」

「百合花殿!さっき私が言おうとした事なんだがね〜?私は異世界に行こうと思うのだよ〜!」

「ッ!?行けるのですか?でもユウちゃんが行っているのは過去であって今行っても…」

「うん!()()()()が使えるからね!そこは大丈夫でしょ〜なんとかしてくれるじゃないかなぁ〜?」

「ハァ〜。どうせあなたのことです…止めても行くのでしょうね!」 

「そりゃ勿論!こんな面白い事見逃せないよ!百合花殿も楽しんでいるくせに!」


 はい!面白がってますよ!

 どう調理してやろうかと悩んでいる所ですから!


 すると絵梨花が「私も行く!」と言った所を遥花が鋭い眼光で睨み黙らせ提案をします。


「百合花様!6人とは言え戦艦2つ持った犯罪者です低文明でも自重なく武器を生産し暴れる可能性が出てきました!ここは百合花様の部隊【シャドー】のリーダとして風殿と共に行きたいと思います!」

「あら?珍しいわねぇ~!遥花が率先して行動するなんて!」

「ユウ君が心配…いえ!ユリウスだけでは荷が重いかと!そこで、紗花、絵梨花、ウルフも連れて行きます!それから私の船【華仙】を持っていきます!」

「2核の神器船を使うつもりですか?」

「念の為です!何かとてつもなく嫌な予感がします…これは私の勘ですが…」

「貴方がそうまで言うのなら何かあるのでしょう。分かりました。許可します!」


 遥花の直感は当たります。私が遥花に許可をだすと紗花が遥花に質問を投げかけます。


「アタシ達もかい?遥花姉さん、それは過剰すぎなんじゃ?」 

「いえ!もし、召喚された勇者が戦艦を持っている犯罪者に生体強化や改造でもされたら?ただでさえ厄介な犯罪者が職業やスキルと言った未知の力を持っているのよ。念には念を入れなければけないのよ!」

「そう…遥花姉さんがそこまで言うなら仕方ないね!」

「私は絶対行く!ユウに変な虫がついているかもしれない!」

「ウチもッスか?うちは戦闘はからっきしっすよ!」


 遥花の考えは最もな物です。敵が何をしだすか分からないし、ただでさえ職業やスキルと言った未知の力があるのです。ここは遥花を信じましょう。


 紗花は渋々、絵梨花は行く気満々。


 ウルフは行きたくないのでしょう。ですが貴方はそんなに弱くないはずです。少なくともこの6人の犯罪者に引けを取らないぐらいには。


 ここで遥花がウルフに切り札を打ちます。


「ウルフ。現地にはユリウスが居るのよ!役に立とうと思わないの?」

「行くッス!先輩の役に立つなら何でもやるッスよ!」

「決まりね!風殿、お願いします!」

「了解〜!私に任せなさい〜!」


 ウルフもユウちゃんには弱いのよねぇ。

 大丈夫でしょう。

 ドヤ顔になる風殿が部屋を出てそれに続き紗花、絵梨花、ウルフもでていく中遥花だけ残り私に頭を下げる。


「わがままを聞いていただきありがとう御座います!」

「良いのよ!ユウちゃんの力になってあげて!」

「はい!勿論です!」 


 その言葉を残し部屋を出る遥花。

 部屋には私だけとなり気を引き締めて何もない空間に向かって声をかけます。


「遥花達の事お願いできますか?【紡】様」


 すると誰も居なかったはずの部屋に黄金の髪を伸ばし白色の法衣のような物を着た女性が不意に現れる。


「任せよ。妾にとって造作もないことよ。あちらの管理者にも伝えておこう。じゃが!奴らが行くのは小僧が異世界に行って1年経った後にするが良いな?」

「何故かお聞きしても?」

「直ぐでは面白くない!こういうものは少したった後が面白いじゃろう?そうは思わぬか、百合花?」


 私は扇子広げ口元にあてながら隠すきっと酷い笑みを浮かべているので…フフフ。


「えぇ。そうですねぇ!その方が面白いですよ!」

「特にあの三姉妹、一人は表に出しておったが後の2人表面上には出していなかったが内では物凄く小僧の事を気にしておるようじゃぞ!小僧が順当に行けばかなり面白いことになろう!」

「そんなにですか?」

「小僧が心身ともに成長すればじゃ!」

「成長するでしょうか?」

「そう急かすでない!時間はゆっくりある!妾達はゆっくり楽しもうではないか?」

「そうですね…フフフこれからもっと楽しくなりそうです!」

「そうじゃな!楽しくなろて!」

「フフフ」

「ハハハ」


 心配はありません。結果は目に見えているのです。ユウちゃんが成し遂げることを。

 私達はその過程が楽しみなのです。

 ユウちゃんがどう変化するのか…本当に面白くなって来ました! 

 



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