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自称日本人の異世界放浪記  作者: sayi
第一章 出会い編
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第12話 魔族


 翌朝、レオは何かいい匂いが漂ってきて目覚める。寝ていた広間にシドはおらず起きたあとだと思われ居間に移動したら、そこにシドが囲炉裏の前で座りお茶を飲んでいた。


 キッドとノワールは、キッチンの側で待機して居た。

 レオがシドが着ている服が昨日と変わっているのに気づいた。

 シドはレオに気づき話しかける。


「おはようレオ」

「おはよう。昨日と服装が違うようだが?」

「これか?ユリウスに用意してもらったものじゃ!どうじゃ?良いじゃろ?」

「見たことない服装だな」

「着物じゃよ!着心地が良くてのう」


 シドが着ている着物は昨日の夜ユリウスが作ったもので白い生地に背中に金色の糸で獅子の刺繍が施されたものだった。


 レオはシドの横に座りシドが淹れたお茶を渡され一息つきシドに話しかける。


「それ良いな!似合ってる」

「そうか。似合っておるか!ワシは背中の刺繍が気に入っておる!そうじゃ!ユリウスにお主に渡すように頼まれておったんじゃった!」


 と言ってシドがレオにユリウスから預かっていたものを渡す。

 それはレオが元々着ていた服とレザーアーマーだ。

 これもユリウスが服を修正しクラッシャー・ベアーの皮を使って作ったレザーアーマーになる。


「すごいな!俺の服が元通りだし、この革鎧も凄い丈夫そうだ」

「それはクラッシャー・ベアーの皮で作った革鎧だそうじゃ」

「クラッシャー・ベアー!?そんな物を一晩で…シドの服といいこれといい…ユリウスは寝てないんじゃないのか?」

「ちゃんと寝とうよ」


 ユリウスがキッチンからデカイお盆に朝食を乗せ居間にやって来る。


「本当か?こんなの1日で出来るもんじゃないぞ!」

「ワシも思って聞いたんじゃが教えてくれなんだ」

「そりゃー、企業秘密やけんね!教えられんよ!さぁ!朝食にするばい!」


 そう言うとレオとシドの前に朝食を置いていき、またキッチンに戻り足りない分の朝食を準備していく。もちろんキッドとノワールの分も。

 朝食の準備を終え囲炉裏の前に座るユリウス。


 実際、着物や装備等一日で出来るものではないがユリウスは、船の設備を使い設計図を作成し素材を準備し自動で作り上げたものだ。


 時間がかかったと言えばクラッシャー・ベアーの解体でその他は片手間で出来る。サイズ等は、クリシュナが分析しているのでバッチリだ。


「お〜!これは魚か?実にうまそうじゃ!」

「鯖の塩焼きに黄色いものが卵を使っただし巻き卵、吸い物は豆腐を使った味噌汁だ」

「よくこんなに食材があるなぁ。後どれぐらいの量があるんだ?」

「当分保つぐらい量はあるばい」

「そうか」


 ユリウスが持つ異空間収納には一人で1年は保つ食料が入っているが人数が増えた。しかも大食いだ。半年も保たないかもしれない。


 早急に農業や狩りをしたり、街などで食料を確保する必要がある。これはユリウスが頑張らなければいけない。


 そのことを考えながら朝食を食べているとレオ達は美味いと言いながら食べている。しかもキッドとノワールは魚より肉が良かったらしく肉が食べたいとせがんでいた。


 昼食は肉を用意すると約束し2匹をなだめ朝食を終える。


 その後レオは、装備を自分の服とレザーアーマーに着替えてシドと共に外に出てレオの修行を開始する。


 ユリウスは農地を確保するため森の開拓し始め、これに元のサイズに戻ったキッドが手伝うと言い木々を風魔法で切っていく。


 残るノワールはというと元のサイズに戻り狩りをしに森にへと向かうのだった


 時刻は昼になりユリウスとキッドの頑張りによりいく分か拓けてきた。ノワールも順調で5匹のホーンデビルラビットと全長5m程度の猪型の魔物を狩ってきた。


 種族:ジャイアント・ファングボア

 詳細:魔獄の森に生息するBランクの魔物。

    食用可能。


 この図体でBランクか〜とユリウスは思う。これは夜の食事にしようと考え解体は後にしようとノワールが狩った魔物達をしまった時。


『愚主。森からこちらに近づいてくる者がいます』

(人か?)

『姿は女性の様ですが相当の実力者かと…』


 ユリウスがクリシュナとそんなやり取りをしていると修行を一段落終えたレオとシドがユリウスの下にやって来る。


「ほ〜う。懐かしい奴が来よるのう」

「シドさんの知り合いね?」

「昔の知り合いじゃ。今は東南の森近くで暮らして居るんじゃが…昨日ユリウスの魔力を知って様子見に来たんじゃなかろうか?」

「様子見ねぇ〜そんなに気になる事なんかねぇ~」

「あれだけの魔力を放ったんだ。気になるんじゃないか?実際昨日はシドが来たわけだし」

「そうじゃのう。ワシは害があるか確かめに来たんじゃが…アヤツもそんなとこじゃろ」


 シド達と話していると森から来訪者が姿を現す。

 身長は160cmで黒髪ボブカットにウェーブが掛かっており服は黒のドレス姿で腰に小さな袋を所持した二十代前半の様な若い女性がユリウス達のもとに歩み寄る。


「あら?シドもいらっしゃるのですね。どうりで懐かしい魔力を感じていましたが…久しぶりですね、シド」

「久しぶりじゃのう。会うのは何百年ぶりか?」 

「そうですね。400年ぶりかと…それよりも!貴方ですね?昨日強い魔力を放ったのは」


 と言うと来訪者はユリウスを見る。

 来訪者は警戒しているのかその目は鋭い。


「あぁ、俺だ。ユリウス・グレイベンと言う者だ。この森を開拓する必要があったんでね!魔法を出すためにした事だ。何分、魔法には不慣れなもんでね!気になったのなら謝る」

「これはご丁寧に。私はクロエです。魔族なのですが言わなくても鑑定されているのでお判りかと思いますが!」

「やっぱり分かっていたか…」

「クロエはアラクネの亜種から進化した蜘蛛神でのう。まぁ神と言っても土地神の様なもんなんじゃが」

「他人の情報をそんなに喋らないで下さい、シド!」

「それはすまんかったのう」


 名前:クロエ

 種族:魔族(蜘蛛神)

 性別:女性

 年齢:930歳

 職業:蜘蛛女王

 スキル:不明

 称号:不明

 加護:不明

 詳細:不明


 シドと同じ様にスキルと詳細等が不明だ。

 ユリウスは念の為警戒をしておく。


「クロエ。そんなに警戒せんでもユリウスは異世界人じゃ!それもアクアジーネ様の加護持ちじゃ!」

「異世界人…それもアクアジーネ様の加護持ち…」

「おいジジイ!何をべらべら喋っとうとや!勝手に話すんやなか!」

「それは同感です。シドは昔から口が軽かったので…」

「失敬な!ワシの口は軽くないぞ!2人を信用してるから言ってるだけじゃ!」

「「信用の話じゃなか!(じゃないです!)」」

「ねぇ!おなかすいた!」


 ここまで黙っていたキッドが我慢できず催促をする。それにはノワールも同じで頷いている。


「あ、あぁ。そうだな。後の話は家の中で食事をしながらでどう?クロエさん」

「お邪魔しても宜しいのですか?」

「あぁ。これから準備するから時間が掛かるがそれで良ければ」

「構いません。なんならお手伝いしますよ!これでも料理には自信がありますので!」

「構わないが包丁は触らせないぞ」

「大丈夫です!自分のがありますので!」


 と言うとクロエは腰に下げた小さな袋を触る。


「それは?」

「これはアイテムボックスです!小さいですがかなりの量の物資を入れることが出来ます」

「そっか…異空間収納の様なもんか」

「何か?」

「いや、何でもない!さぁ、家に案内するよ」


 ユリウス達はクロエを家へと案内し、レオ達を居間でコーヒーのパックと水を入れたヤカン、カップを2人分渡し囲炉裏に炭を置きシドがそれに火魔法で火をつけゆっくりする様に伝え、ユリウスはクロエを連れてキッチンに入る。


「家やキッチンが立派ですね!それに見たことがないものがあります」


 クロエは周りをキョロキョロしながら物珍しい感じで見回す。


「そんなに珍しいか?」

「はい!コンロや冷蔵の箱、水道等は似たような物が魔道具でありますがそれ以外は見た事がありません。これは何ですか?」

「これは洗浄機で皿等汚れた物を自動で洗う物だな」

「まぁ!自動で汚れ物を洗ってくれるなんて凄いですね!流石異世界!さっき言った魔道具は異世界人の知識から作られたものなんです!」

「異世界人の知識?沖田総司の知識ではないな…その他にも異世界人が召喚されているのか?」

「ソウジの事をご存知でしたか…シドですね…!はい…ソウジ以外にも居ますよ!それよりも早く作りませんか?お腹をすかせた子が居ますので…」


 クロエがキッチンの隅を見るとユリウスも視線を向けるとそこにはキッドとノワールが座って待っていた。


「ユリウスにいちゃん!ぼくはらへったよ〜」

「ノワールモ、オナカペコペコ!」

「お、おう。今から作るから待っとかんね!さぁ、クロエさん作業に入ろう!」


 キッチンの作業台に材料を出していくユリウス。

 先ずは米から研いでいくため洗い場で研ぐ。

 クロエにホーンデビルラビットの解体を頼み米を研いで炊飯ジャーに入れた後スイッチを押し、サラダを作っていく。


 サラダのドレッシングはユリウス特製のシーザードレッシングでそれを野菜と混ぜ合わせていく。


 クロエは解体を素早く終わらせユリウスに指示をもらいホーンデビルラビットの肉を適度な大きさにカットしていき下味をユリウスがしていく。


 下味をした肉をユリウスがガスコンロの上でフライパンを使い肉を焼いてステーキにしていき皿の上に乗っけていく。


 フライパンに残った肉汁にユリウス特製、醤油ベースの焼肉のタレを絡め火を通しステーキの上にかけていき、それを人数分焼いていく。


 そんな作業をやっていると炊飯ジャーからご飯が炊けた音が鳴る。


「丁度炊けたみたいだな。後はサラダを盛り付けして朝食の時に作った吸い物を温めるだけだ」

「随分と美味しそうな匂いです!それに手際が非常に良いですね!」

「褒めてもらえるのは光栄だがこんなの朝飯前だ」


 ユリウスにとって料理は幼い頃からやっているので当たり前の事で人数が増えようが変わらない。

 朝食時に昼食用にと作っていたコーンポタージュを温め器に盛り付けし作った料理を広間へと持っていく。


「待たせたね。できたばい!」

「ユリウスに貰ったコーヒーを飲んで待っていたからそうでもない」

「そうじゃ!レオと喋っておったしそうでもないぞ」


 料理を2人の前に置き次の分を取りに行こうとした時キッチンからお盆に料理を乗せて持って来たクロエと出くわす。


「悪いな。客人に手伝わせてしまって」

「今さらですよ。それに私も学ぶ事がありましたので、寧ろ此方からお礼を言いたいぐらいですよ!」

「そうか…助かる」

「いいえ!後はご飯だけですのでお願いします!」

「分かった」


 ユリウスはご飯を準備しにキッチンへと向かうのであった。


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