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第2話

   

 しばらくホームで立ちすくんでから、ようやく頭が働き始める。こんな時のためのスマホだ、と気づいたのだ。

 スマホの地図アプリで現在地を確認した上で、知り合いの誰かに連絡をとり、迎えにきてもらおう。

 そう考えたのに、スマホを見れば圏外のマーク。電話もメールも無理であり、地図アプリはなぜか開くことすら出来ない状態になっていた。

 ほとほと困り果てた私は、改めて周りを見回しながら、大きな声で叫ぶ。

「おーい! 誰かいませんか!?」

 人々が寝静まった夜遅くだから、これが都会ならば近所迷惑に違いない。しかし声の届く範囲に誰もいない場所では、そんな心配も不要。いや心配するというより、逆に「うるさい! 静かにしろ!」と誰か出てくるのを期待するくらいだが……。

 あたりは静まりかえったままで、私の声に応じる者は一人もいなかった。


「うん。無人のホームに突っ立っていても、何も解決しないぞ」

 自分に言い聞かせるように呟きながら、私は左側の雑木林に向かって歩き始めた。

 集落あるいはせめて一軒だけの民家でもいいから、とにかく人間を探そう。ならば山奥よりは平地の方が可能性が高い。おそらく林を越えた辺りに誰か住んでいるのではないか。そう考えたのだった。

 私の想像を支持するかのように、それらしき林道も見つかった。舗装されていない土の道だが、明らかに獣道(けものみち)ではない。人間の通行のために用意された道だった。

 雲間からの星明かりだけでは不十分なので、スマホのライト機能で足元を照らしながら進む。大きな木々に挟まれた小道を十数分、てくてく歩いたところで……。

 前方に人影が見えた。

   

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