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第1話

   

 一日の仕事が終わり、疲れた体を引きずって電車に乗り込んだ。この状態でガタンゴトンと規則正しく揺られると、どうしても眠気を誘われるのだろう。

 今夜も私は、いつも通り車内で居眠り。ただし、いつもみたいにウトウトと浅い眠りではなく、グッスリ熟睡してしまったらしい。

 ハッと目が覚めた時、電車は見知らぬ駅に到着していた。


 ドア全開で停車しており、車内は真っ暗。乗客は全て降りた(あと)らしく、一人の姿も見えない。

 終点まで乗り過ごしてしまったような状況だが……。

「どこだ、ここは……?」

 電車からホームへ降りながら、思わず叫んでしまう。

 この路線の終点ならば、大きなターミナル駅のはず。しかしここは小さな田舎駅だった。

 線路に挟まれたホームが一つ。ホームに置かれたベンチも、いかにも古そうな木造の椅子だ。照明器具も歴史の教科書で見たガス灯みたいな形状で、ボンヤリとした明かりを放つだけ。

 夜空を見上げても、月の光は全く見えない。かろうじて雲の隙間から、星明かりが少しだけ届く程度。

 薄暗い中で左右を見回しても、駅舎の(たぐ)いは全く視界に入らなかった。最初の印象以上に寂しい場所らしく、民家や商店も皆無。右手に見えるのは山ばかりで、左手には雑木林が広がっている。

 近隣住民どころか駅員の姿もなく、文字通りの無人駅だった。

   

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