第8話 冒険者登録
「あんちゃん生き物に興味があるのか。だったら冒険者登録をするのがおすすめだぜ。優秀な人についていけばいろんな生き物を観察できるからな」
「本当ですか?今後の研究に役立つかもしれませんね」
「ビュッフェも行きたい!」
困ったな。子供に冒険者登録ができるとは考えにくい。そんな危ない仕事を子供ができるわけないからな。
私はずいぶん困った顔をしていた。そのおかげでこの言葉が聞けたのかもしれない
「一緒に登録すればいいじゃないか。あんちゃんは賢そうだから魔術師かな?でそっちの嬢ちゃんがマスコットだ。これならパーティーに入れてくれる冒険者も多いだろう」
何!?子供が冒険者登録をできる!?それはどのような合理的な理由があって…
メリットの例を出すとしたら。
①若い頃から経験を積むことによって1人前になるまでを早くする。
②お小遣い稼ぎをしやすくして経済を回している。
③最悪親が働かなくても生きていくことができる。
④孤児や浮浪児でもお金を稼ぐことのできる環境を作る
こう考えるとなかなか理にかなっているような気がしてきたな。
ビュッフェは、大人の私が守らなくては。
「いかんいかん!両親にちゃんと許可を得てからにしなさい!」
「………わかった」
とりあえず私だけでも登録しておくか。
「すみません!冒険者登録を!」
「はい!かしこまりました。名前、年齢、職業、身分、住所を書いて提出してください。住所は、家を持ってない冒険者が多いので書かなくても結構です」
結構緩いな…住所と連絡先書かなくて大丈夫なのか?
名前川上学、年齢32歳、職業科学者、主に天文学の研究、身分平民、これでよし…と
「ありがとうございます。ずいぶんとキラキラネームですね。次はこの水晶に触れてください。光の強さが魔力量で、水晶に書かれた数字がステータスです」
キラキラネーム?異世界では不自然だったか…まあいい、こっちの世界では相手の能力を簡単に測れるのか。大企業の面接などに用いることができそうだな。
さて。ステータスはいかに!
私は徐にその水晶に手を伸ばした。
受付嬢の表情が変わり、緊張感が伝わる。
「うそ…でしょ…」