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8・大デブではない




私、カレン・グレスランドは未来について考えていた。




このまま痩せたら、悪豚令嬢からは脱出できるのではないか?


しかし・・・・・。



脱出しても、美しくなければ結婚相手に困るだろう。

やっぱり奇麗になって、老人の後妻とかにならないようにしなければ。

まあ、お父様は私をそんなにひどいところには売り飛ばさないだろうけど。



前世の両親を思い出す。

普通にいい親だったから、先に死んでしまって申し訳ない。


私にできることと言ったら、この世界で幸せになることだろう。そしたらきっと喜んでくれる。そういう親だったから。




そういえば、私が悪役令嬢の手下にならなかったら、他の子が目をつけられるのかな?

それもなんか嫌だなぁ。



いっそのことヒロインが攻略対象の誰とも仲良くならなければ、悪役令嬢もおとなしいのでは?

ゲームだと、デフォルトは王子と婚約。ヒロインと特に好感度が高くなると、その他の攻略対象と散々いちゃつき結ばれていた。

悪役令嬢は王子の婚約者だから、王子とイチャイチャしなければ、虐めなさそうなものだが、攻略対象のイケメン達は揃って、王子の側近だったからヒロインも王子のそばに居ることになるのよね。

で、やっぱりゲームの強制力かなんかで虐めに走るだろう。



ヒロインが、攻略対象意外と結ばれればオールOKなのでは???



うん。

学園に入ったらそっち方向で頑張ろうかな。



出会いイベントは全部覚えているしね!



一番大事なのは私が痩せることなんだけれども。








それからしばらく私は頑張った。

おやつはたまにフルーツだけ。

毎日散歩の時間を少しづつ増やした。


はじめはゆっくり歩かないと、転がるし、足を痛めるので短い距離しか歩けなかったけど。3か月たった今では午前と午後に分けて5時間、早歩きをしている。



体重は・・・・・。

51.4キロ!!

3か月で10キロ以上減りました!

初めの約70キロと比べたら、かなりの減量です。



もう大豚ではない。

鼻も普通になったから、子豚でもない。

普通のデブです。


140センチで51.4キロでは、普通とは言い難いが

普通のデブです。



体重は毎日魔力を使い切れば、もっと減るのではないだろうか。

他の人にも私の整形魔法を使ってあげれば、喜ばれるのではないだろうか。

この世界で、私にできることがあるかもしれない。



せっかく転生したのだから、幸せになりたいし、周りも幸せにしたい。




とりあえず、エイミーのそばかすを消してあげようかな?

あとは・・・・・・。











私はお父様の執務室に行った。



トントンとノックをして、カレンです、お父様と声をかける。


おはいりと聞こえてきたのでドアを開けて部屋に入る。



「カレンがこの部屋にくるとは、珍しいな」



笑顔をのお父様が迎えてくれた。



忙しいお父様の時間を無駄にしては申し訳ないので、すぐに用件を切り出す。




「お父様、我が家の領地にはルビーの鉱山があったと思うのですが」


「うむ、あるな。

 ルビーだけではなく、サファイアの鉱山もあるぞ」


「まあ、素敵!」



「カレンも宝石の装飾品が欲しいのかな?

 なら、良い原石が出た時にプレゼントしよう。

 カレンの瞳の色に合わせて、サファイアの良い石が見つかるといいな」



「いえそうではなくて、宝石の装飾品はとても好きですが、欲しいのではなくて私の魔法がお父様のお役に立てると思ったのです」



「お前が木に模様を掘っているのはみたことがあるが、石にもできるのか?」



「はい、庭にあった石で試したら色々なことができるのがわかりました。

 私は石に模様を刻むだけでなく、複雑なカットを施すことができます。

 それだけでなく、ひび割れのある石のひびを無くすことができるのです」



「そうなのか。もし本当にひびを無くせるのなら、売り物にならなかった石も売りに出せるだろう。

 それは素晴らしい!」



お父様が嬉しそうに笑った。

嬉しそうだがあまり本気にしていなそうだ。



「この石で試してごらん」



お父様が磨かれているが、気泡が入っていたり、ひびがある石をいくつか渡してくれた。



ソファに座り、まずはひび割れのある石に集中する。

小さい石なので人差し指に魔力を集める。



白くふわっとひかり、スーッとひびが塞がっていく。



「おおー!!!」


覗き込んでいたお父様が声を上げる。


「消えている!

 石の中のひび割れが消えているぞ」


無傷になり、きらめく赤い石をお父様が光にかざす。


「うん、よい石だ。

 濁りも消えている。

 半分にカットして売りに出そうと思っていたのだが、この大きさのままなら十倍は高く売れるだろう。

 カレン、カレンのその力はとても役に立つぞ!!」


お父様が頭を撫でてくれる。

嬉しい。



「お父様こちらも見てください」



気泡の入った石も気泡を消したのでみせる。



「おお、これも美しい。

 気泡があるのとないのでは、かなり価値が違うのだ。


 カレン、お前は我領の宝石職人に採用だ!」



お父様が思い切りニコニコ顔でふざけて言った。

お父様、笑うと細い目が本当になくなる・・・・。



お父様が、靴箱くらいの木の箱をもってくる。



「カレン、たくさんあるからゆっくりでいいよ。

 これも亀裂も濁りもない石にしておくれ。

 大きな石を割らずに売り出せたら、鉱山からの利益は何十倍にもなるだろう!!」



お父様は私を持ち上げて、クルクルと回ってくれた。

もう、大デブではないので、そんなこともしてもらえるのだ!




「そういえばカレン、だいぶ痩せたな。

 顔も美しくなったような・・・・」



気が付いていただけましたか。

嬉しい。



「痩せすぎなんじゃないのか?

 医者に診てもらったほうがいいのでは?」



お父様、まだまだ健康体重にもなっていませんから。







お父様もニコニコになり

私も就寝前の魔力枯渇させるアイテムを手にいれ、満足して自分の部屋に戻った。



ルビーやサファイアのひびを消すだけではなく

繊細なカットを刻み、バラの花にする予定なのだ。

ふふふふっ。



お父様喜んでくれるかなぁ。








誰か読んでくれないかなぁ。

よろしくです。

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