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25・お昼ご飯は誰と食べる?




次の日。




「おはようございます。カレン様」

「おはようございます」



私が王子たちとも知り合いで、有力貴族などとも親しそうであったので、とりあえず顔をつなぎたい人達が声をかけてくる。



「おはよう、カレン」

「おはよう、カレン。今日も可愛らしいな」


レオナルド王子とダニエル様にもあいさつされる。



朝から麗しいご尊顔を拝見できて幸せだが、睨んでいる人たちもいるので、素直に喜んでもいられない。



お二人には他の女生徒とも、話くらいはして欲しい。


・・・ダニエル様は、このままでもいいけど・・・。




「おはようございます。カレン様」


ダニエル様達と話していると、とびきり可愛らしい声に挨拶された。

ヒロインのローズマリーだ。


「おはようございます。レオナルド様、ダニエル様」


とびきりの愛らしい微笑みで、ちゃっかり二人に挨拶している。



「カレン様、お忙しいと思いますが、今日の放課後にお時間いただけないでしょうか?」


なんの用事かだいたいわかっている、邪魔をするなと言いたいのだろう、逃げたい。


「申し訳ありませんが、今日はちょっと用事がありまして・・・また次の機会にお誘いください」


「では、明日、明後日でも良いのですが」



これは不満をぶつけるまでは、離してもらえない感じだね。




「私、最近まで遠くで暮らしておりましたので、女性のお友達があまりいなくて・・・・。

 色々ご相談したり、普通にお話をしたりしたいのです」



後ろで会話を聞いている、ローズマリーの取り巻き達の視線が痛いです。

けちけちするなと睨んでいます。



「わかりました。では、明日の放課後でもよろしければ」


「ありがとうございます!!」



花が咲いたようにほころぶ顔が美しくて、あざとい・・・・。

絶対、攻略対象様たちの目を意識している。


まあ、私もゲームの選択肢では「微笑む」を選択していたけどね。


「それはまた!」


軽やかにローズマリーが去っていく。





私は小さくため息をついて、午前の授業を受けた。





お昼休み。

私は素早く、教室から抜け出そうとしていた。


毎日、ダニエル様達と昼食をとっていたので、目立ちすぎたのだ。

クラス中の女生徒だけでなく、学年中の女生徒から睨まれているような気がする。


それも仕方のないことだけど。

王子と側近たちは、お昼休みはいつも一緒なので、私も攻略対象四人に囲まれて食事を取っているのだ・・・・。

つまり、ヒロインのハーレム状態。

そろそろ虐めが始まる頃だろう。できれば女の子の友達も欲しいし、意地悪なんてされたくない。


ヒロインって鋼のメンタルだったのね。

私にはこの状況はつらいです。



この状況はつらいので、こっそりと購買に行ってサンドイッチを買った。

中庭の隅で、一人で食べよう。

もしかしたらボッチ仲間がいるかもしれない、友達になれるかもしれない。


なんて甘いことを考えていました。




はい、捕まりました。


悪役令嬢に。



「あなたって、本当にずうずうしいのね。

 毎日、王子殿下に張り付いているなんて。

 今日は一人ってことは、やっぱり邪魔だから仲間に入れてもらえなくなったってことかしら?」


毎日、席を立つ前に捕まって、一緒に連行されているんです。なんて言えない。

私は、人と争うことは苦手なのだ。


「あの、王子殿下はお優しいので、私を追い出したりはいたしません。今日は自主的に一人で食事をしようと思いまして。

あの、皆様も積極的に話しかけてみればよろしいのでは・・・・」



王子御一行は揃って、女性にあまり興味がない。

女生徒の団体に話しかけられることは迷惑に思うと知っているけど、イケメンの定めだと思って我慢してもらおう。



悪役令嬢がキッと目を吊り上げる。

「あなたが邪魔で、声をかけられないんじゃない!

 もっと身の程をわきまえて、レオナルド様にまとわりつくのをやめなさいよ!

 私はレオナルド様の婚約者候補の最有力者なのよ。

 それに、こちらから話かるなんてはしたない。

 お声をかけていただくのを待つのが、つつましい令嬢の在り方でしょう。

 私はおまえとは違うのよ!」



私も話しかけていません。

話しかけられているんです。



ああ、言えないことばかりだとストレスがたまるのね。



ドンっと突き飛ばされた。


突き飛ばしたのは、少し太目のおとなしそうな令嬢だ。

悪豚の変わりは、見つかってしまったのね。



地面に座りこんだ私の制服が、少し汚れる。



どうしよう。

お昼ご飯、たべたいなぁ。


虐めの始まりを感じながらも、お腹は空くものなのだ。







彼女たちが去ったので、立ち上がり、パンパンとスカートの汚れを払い落とす。




とりあえず、サンドイッチでも食べて考えよう。




隅っこに、隅っこにと移動していくのに

どうして私は平和な学園生活を送れないのでしょうか。



木陰に隠れようと思っていたら、小さくも美しいガゼボを発見してしまいました。


中で昼食をとっていたのは・・・。



エメラルダ王女様御一行です。


見つかる前に逃げよう!!

と隠れる前に。

発見されてしまいました。



「カレン!!!」



「お久しぶりです。エメラルダ様」


「やっと、弟たちから離れられたのね!まっていたのよ。

 いつ侍女に呼びに行かせても、弟が断ってくるんだもの。

 私の方がカレンと仲良しなのにねえ」


エメラルダ様はニコニコだ。



「これからは一緒に、お昼をいただきましょう。

 カレンも私と先約があるからと言って、弟の誘いは断ってこちらにいらっしゃいな。


 ・・・・厄介な人に目を付けられているんじゃない?」



さすが、半分いじめっ子気質の王女様。

女同士の確執があるなんて、お見通しですね。


王女様は今年卒業されるから、一年だけだけど。

私は安全なご飯相手を手に入れました。



良かった。



それにしても、レオナルド様、勝手に誘いを断るなんて酷いです。






ありがとうございます。

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