表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/33

24・イベント潰し




次の出会いイベントはダニエル様だ。



リリーが家から脱走して、街で迷子になり噴水に落ちる。

それをヒロインがびしょ濡れになりながらも助ける。


リリーを助けてもらったダニエル様は、ヒロインの優しさと大胆な行動に心惹かれるのだ。



ゲーム開始の四月は重要な出会いイベントが詰まっているのだ。








リリーの脱走は今日の三時くらい。



念のためお昼過ぎには、リリーが落ちる予定の噴水の近くでスタンバイだ。



スチルをよく思い出す。

リリーはパン屋の方からやってくるはずだ。


リリーの好きなゆでた鳥のささ身も用意してある。



一時間、二時間・・・退屈だけど油断はしない。

ダニエル様がゲーム補正で、ヒロインにメロメロになってしまうところはみたくない。

ヒロインにメロメロになったら、私にも冷たくなってしまうに違いない。ゲームの補正が強くありませんように・・・・・。



いた!リリーだ。



見慣れた太い姿が、ボテボテと歩いてくる。

あれじゃ噴水のふちに乗ったら、落ちるよね。



ローズマリーも噴水の淵に腰かけて待機している。


彼女に見つかる前に、リリーを捕獲!



広場の中ほどで、リリーに声をかける。


「リリー~。おいしいのあるよ~。こっちおいで~」


私の声に反応している。

鳥のささ身をフリフリして。


「リリー~」


「なー」


やった!リリーが振り向いてこちらにやってくる。


ローズマリーも気が付いてしまった。こちらに走ってくる。


彼女に捕まる前に、リリーをゲットしなければ。



私も前に進み、ローズマリーとタッチの差で、リリーを抱き上げる。

リリーは

「なあ~ん」と鳴きささ身をねだってくる。


座り込み膝に抱いたまま、ささ身をあげる。

間に合った、良かった。



「ちょっと!邪魔しないでって言ったでしょう!」


はいと返事はしていません。



ローズマリーがリリーを奪い取ろうとしたとき。



「カレン!」


とダニエル様に呼ばれた。


「ダニエル様!リリーがこんなところにいました」


モフりたいのを我慢して、ダニエル様に手渡す。

食べてる最中の動物は、モフってはいけないからね。


リリーは呑気に、ダニエル様の腕の中でもぐもぐしている。可愛い。


「リリーが家から抜け出すなんて初めてのことだからね。心配していたんだ。

 見つけてくれてありがとう」


美しい微笑みだけで、ご褒美は十分です。




これで終わってすぐに家に帰れるはずはないのだけれど。



「ダニエル様!その猫ちゃん、ダニエル様の猫ちゃんだったのですね。

 私、一人でいるのが心配で、後をつけていたんです」


可愛らしく小首をかしげて、ダニエル様に話しかける。

う~~~~ん、中身を知っているからあざといと感じるが、美少女は美少女だ。

周りの男性は、ニコニコしてみている。



「心配してくれてありがとう。

 じゃ、カレン帰ろうか」


ダニエル様は優しいが、女性には基本、素っ気ない。

私はペット枠だから優しくされているけれど。


「あ、あの私、同じクラスのローズマリー・モルガンと申します。

 私も猫ちゃん大好きなんです。よければ抱っこさせていただけませんか?」



ああ、ヒロインと攻略対象が出会ってしまった・・・・・。




「悪いけど、リリーは人見知りなんだ」


「でもカレンには抱かれていたじゃないですか。私も、猫には好かれる方なんですよ~」


にっこり微笑む。うん、男ならいちころの微笑みだね。


「そうなのかい。でも、リリーは今日は疲れているだろうから、早く休ませてあげたいんだ」


「そうですか・・・残念ですが諦めます。いつかお家に招待していただけたら嬉しいです。

 リリーちゃんと遊びたくて・・・・」



それってかなりずうずうしいお願いだよ。


公爵様の家に遊びにいきたいなんて、同じクラスなだけなのに。




それに答えず、微笑むだけでダニエル様は話を終わらせる。


「じゃあ、カレンうちに帰ろう。馬車はどこでまっているの?」


「今日はお忍びだったので、歩いてきました」



「そういえば、町娘の姿だね。似合ってる、可愛いよ」


ああ、この微笑みを失わなくて良かったよーー。

一人だったら、泣いているかも。


「それなら、僕の家によって帰ろうね」



ダニエル様は片手にリリー、片手に私を抱き寄せて馬車に向かった。




明日の学園が怖いです。












ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ