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20・学園入学!

ありがとうございます。



毎日があわただしく過ぎていき、私は十五歳になった。




孤児院学校もうまく回っているし、宝石の加工のお仕事も順調。

ダニエル様とも変わらずいい関係だし、エメラルダ王女とも仲良しだ。




だが、今年は緊張している。



四月から、ゲームの開始となるエルモア魔法学園に入学するのだから。



エルモア魔法学園は、全国の貴族の子弟と優秀な平民や裕福な平民の子供たちのみが入学を許可される。

優秀な平民には奨学金が出るが、それ以外は学費が高いので、お金がない貴族の三男以降や二女は、家が入れてくれないこともあるので、貴族全員ではない。



学部は三つあり、普通科、魔法科、騎士科と別れている。


普通科三クラス、魔法科、騎士科が一クラスの年が多い。




そして私は普通科を選んだ。


魔法科は火、風、水、土などメジャーな魔法中心に教えるので、私の他に誰もいないような魔法を伸ばすのには向いていない。


騎士科は・・・・いうまでもなく適性がなさそうだしね。



無理やり魔法科を選んでいれば、悪役令嬢に目をつけられこともないのだが、私の代わりに誰かが手下にされた時に、力になることもできない。

ヒロインの動向をうかがうこともできないし。




学園は学園内では身分は関係ないとされているが、トラブルが多発したため、二クラスある普通科は一組は王家、公爵、侯爵、伯爵家。

二組は入学試験が優秀だった子爵、男爵家、三組はそれ以外の子爵、男爵、平民となっている。



ということで。


私は普通科一組。公爵のダニエル様と、王太子のレオナルド様と同じクラス。

更に悪役令嬢は公爵家なので同じクラス、ヒロインも伯爵家なので同じクラス。

となんとも濃ゆいクラスに在籍することになった。



クラス別に教室に入り、簡単な説明があり、教科書などを配ると、今日はそれで終わりとなる。






悪役令嬢の様子を見る。

うん、早速取り巻きの女子に囲まれている。


ヒロインの様子を見る。

うん、早速取り巻きの男子に囲まれているね。



悪豚令嬢は最初から、悪役令嬢に絡まれていたから、さっさと離れた方がよいでしょう。

私はもう、豚じゃなく、美少女だから大丈夫だとおもうけど。






素早く帰ろうとしていたら、ダニエル様に捕まった。



「カレン!同じクラスだね。これからは毎日会えるね、嬉しいよ」


キラキラスマイル、眩しいです。


それでも適当に返事をして帰ろうとしていたら、王太子殿下に捕まった。



「カレン嬢。同じクラスだ、よろしく頼む」


目立つ。眩しい公爵令息様と王太子殿下様に囲まれていると目立つ。

早く帰らなければと心は焦るが、話をぶった切って帰るわけにはいかない。



「お二人は、魔法科や騎士科には進まれなかったのですね。大きな魔力をお持ちなのに普通科では物足りなくないですか?」



レオナルド様が少しイヤそうに答える。


「魔法も、剣術も、家庭教師がいるからな。それで十分だ。学園ではなるべく普通に過ごし、友人も作ってみたりしたい」


「僕も。領地の経営を学ぶなら普通科が一番バランスがとれている。

 それよりカレンは魔法科でなくて良かったの?カレンの魔法は役に立つと評判なのに」




子供から抜け出し、ゲームのスチルとおなじ、少年になったお二人は美しく、格好よくその破壊力に耐えるだけで必死なので、話はあまり頭に入ってこない。


「私の魔法は、変わっていますし、国のお役に立つようなものではありませんので」


たぶんちゃんと返事ができている?




「そんなことないだろう」


後ろから、低めのイケボイスが聞こえてくる。

こちらも攻略対象のアレクシス様だ、なんで?彼は魔法オタクなので魔法科のはず。


「カレンの魔法は素晴らしいと、父上がいつも褒めている。

 オレも一緒に学びたかった」


宰相の息子のアレクシス様は、宰相様のお宅にもお邪魔するようになったので、たまに言葉を交わすくらいには知り合いだ。


攻略対象三人に囲まれてしまった!!

悪役令嬢とヒロインが、こちらをチラチラ見ている。

もちろん他の人も。



「よお、そろっているな!」


普通科の教室に入り、声をかけてきたのは、四人目の攻略対象のキリアン・マルナガルド様。

赤い髪に黒い瞳のたくましい筋肉系のイケメンだ。ゲームをしていた時に思っていたのだが、彼は大きなワンコのようだ。



攻略対象全員集合!!!

逃げなければ、なにか悪いことが起こりそうだ。

あまりにも目立ちすぎる!!

私は、なんとかこの場を離れようと思い、きょろきょろしてみる。



「なに、お前たち早速ナンパしているの?

 うん、すごい美少女だもんな」


キリアン様はズケズケと物を言うタイプなのよね。


美少女なんて、すごい嬉しい。



「僕とカレンは幼馴染だよ。仲良しなんだ」


「私とカレンもたまに話をするくらいは親しいぞ。姉上の親友でもあるし」


「オレとカレンも前から知り合いだよ。うちにも遊びに来るし」




「何カレン?アレクの家に遊びに行っているの?いつから?なんで?」


ダニエル様がすこし厳しい顔になって聞いてくる、顔は笑っているんだけどね。うん、なんか怖いんだよ。



「なんだ、みんな知り合いか。

 オレはキリアン・マルナガルド。騎士科だ。よろしく頼む」



「はい、よろしくお願いします」



「ところで何故、皆さんこの教室にいらしたんですか?」


早速、ヒロインに会いにきたんじゃないよね?

まだ、出会いイベント起きてないよね?



「ああ、俺たちはみんな、レオの側近候補だからな。俺は主に護衛のために近くにいる」



そういえばそんな設定でした。



それはいい。もうわかった。


そんなことより怖い!



悪役令嬢がめちゃくちゃ私を睨んでいる。

紺色の髪に、紺色の瞳、少し吊り目の大変な美人さん。

美人が睨むと怖いんです。


もしかして、ヒロインより先に私が虐められますか?

もしかして今の状態は、ヒロインポジションですか?




本物のヒロインは・・・・と思って、ヒロインの方を見ると。



大変な美少女が、思いっきり私を睨んでいました。



悪役令嬢はわかるけど、ヒロインがなぜ私を睨むのでしょうか????






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