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17・猫じゃないけど猫でもいい

ありがとうございます。




私は逃走資金のためだけにお金をためているわけではない。



孤児院改善の次の目標。

特に貧しい人たちの、生活改善だ。



具体的には、大人も子供も通える学校を作りたいと思っている。



貧しい人たちの多くは、大人も字が読めず、計算もできない。

子供達にも勉強をさせてあげたいけど、大人にも底辺から浮かび上がるチャンスをあげたい。



また資金ができたので、たくさんの石板とロウセキ(チョークのような石)を買う。お手本の文字表も頑張って書いた。お手本というにはあまりにも美しくないが、大切なのは読みやすさだ。

家に帰って練習できるように、一家に一枚だ。



新規に校舎を用意するのはお金がかかりすぎるので、孤児院で何度かに分けて、子供も大人も教えてもらう。



それと忘れてはならないのが、炊き出しという名の給食だ。ご飯が食べれるなら、大人も子供も参加しやすいだろう。

炊き出し要員には、近所の貧しい家庭の女性を雇った。

孤児院五か所で十五人雇い入れた。

シスターや神父様の負担が増えすぎたので、教師も五人雇った。

焼け石に水だが、仕事に就ける人が増えたのはいいことだろう。




お父様にも協力をお願いして、領民救済予算を確保してもらった。



私の加工する宝石が、流行となり、売り切れ状態らしい。

なので予算は潤沢なのだ。


今では他領地の鉱山から、難ありの石をたくさん買い込んでいる。


おかげで毎晩宝石の加工をする私の寝室は、宝石箱状態だ。ルビー、サファイア、エメラルドにダイヤ、アクアマリンにオニキス、ターコイズ、宝石は見ているだけでも楽しい。



お金はいくらあっても足りないので、他に特許もとった。

靴の中敷きだ。



どんどん大きくなる子供たちにブーツを買ってあげても、あっという間に小さくなってしまうのは困るから最初から大き目の靴を買い固い革を三枚ほど中敷きにいれたら、評判となり。

売れだしたので特許をとった。

足が大きくなるたびに、一枚づつ中敷きを抜いていけば子供も長く靴がはけるのだ。

かなり売れている。

私がなにもしなくても、お金が入ってくるのはありがたい。



毎日は忙しく、充実している。



嬉しいね。











珍しくダニエル様が、私を家に招待してくれた。

いつもふらっと勝手にやってきて、ふらっと帰っていくのに。



公爵様の屋敷に出かけていくので、お土産があった方がいいかなぁ。と少し悩み、ダニエルの瞳と同じ色のアメジストを持ち手に埋め込んだ、木のしおりにした。最近うちの領で出した新商品だ。

なかなか良い作りで、気に入っている。



ダニエル様の自宅は、大邸宅だ。さすが公爵家。

大きな門に広い前庭。白い壁に緑の屋根。

こんな素敵な家に住みたい。


ダニエル様と結婚する人は幸せだ。




「やあ、カレン、よくきてくれたね」



ダニエル様は真顔でも美しいが、微笑むとさらにキラキラオーラが激しくなる。


細身の黒のズボンに上質な白いシャツ、さりげなく黒いタイを首に巻いている。

イケメンじゃない人がやったらいけない着崩しだ。

同じ年ごろにしては背が高いが、大人ほどじゃないのに、なんでそんなに足が長いのだろう。



「お招きいただきありがとうございます」


お土産を使用人に渡す。


「私の領のはやりの品をお持ちしたので、よろければ使ってくださいね」


「ありがとう。カレンの家は、今の流行の最先端にいるよね。うちの母親もルビーのバラがとても気に入っているよ」



「それに・・・カレン、ほんとうに可愛くなったね。

 もっとポチャポチャしている方が可愛らしいとは思うけど」


太ってて可愛いのは猫だけです。



ダニエル様が目を細める。

うん、かっこいい。


いつも猫といるからだろうか、今日のダニエル様は少し猫っぽくて、色っぽい。



普通は応接室に通されるのだろうが、リリーがダニエル様の私室にいるので、そちらに通される。



シンプルな磨かれた木目の家具たち。同じく木目のきれいな床板。

ダニエル様らしい部屋だ。



私と似ているとダニエル様が言い張る、リリーがソファーに座っている。

フカフカのクッションが置いてあるので、リリーの指定席だろう。



「なー」っと鳴いてダリエル様のところにやってくる。



モフモフの長い毛、どっしりとした体、藪にらみの碧い目。

う~~~~ん。

不細工だけど可愛い。

可愛いけど不細工だ。



私もソファーに座り、リリーを抱き上げる。


猫なら、こんなに太っていても可愛いのよね~。

良くお手入れされた毛が、最高に気持ちいい。

無言でモフモフしてしまう。リリーもゴロゴロと喉をならし、気持ちよさそうだ。



「う~~~~ん、可愛い。リリーが増えたみたいだね」


「私は、猫じゃありません」


ダニエル様は機嫌がよい。


痩せても似て見えるのね。

まあ、可愛いと言ってくれているのでいいか。



私もモフモフに突っ込んだ手が幸せで、楽しい。

あーーーーーーー、顔も突っ込みたい。



でも、変なことしてダニエル様に嫌われたら困るしね。

ヒロインと絡んでも、修道院送りにならないくらい、仲良くなりたいな。



私は、美しくなって悪豚令嬢じゃなくなるだけじゃなく、攻略対象とも仲良くなって、修道院送りの未来から脱出するのです!




いまさら気づいたのですが、ダニエル様はよく私の髪の毛をフワフワしています。

あれはもしかして、モフられていたのでしょうか?

自分で髪をフワフワしてみても、気持ちがいいです。ものすごい猫ッ毛なので。



私は猫じゃ、ありません。







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