16・王女様2
ありがとうございます。
王女様には私と同じ年齢の十三歳の弟と十歳の妹がいる。
そして王子の方は、ゲームの攻略対象だ。
なのでとても美しい。
蜂蜜色の金髪にエメラルドグリーンの瞳。
ゲームの中でもイケメンオーラをまとい、キラキラしていた。
そして十歳の王女様、噂だと美しいと誉れ高い、王妃様にそっくりで流れるような金髪にきらめくグリーンの瞳、妖精のような美少女だそうだ。
王様もイケメンだ。
家族そろって美しい金髪にグリーンの瞳。自分以外全員、際立って美しい容姿。
それじゃあ、エメラルダ様もつらいだろう。
私も美しい兄弟がいるので、よーーーーくわかる。
周りの人が、一人だけ残念な顔だと、口に出さなくても思っているのを日々感じて落ち込む。
兄弟はどうしたって比べられるのだ。
私の場合はお父様が森のくまさんだったので、少しましかもしれないが・・・・・お父様はちょっと太目で目が細いだけで、実は身長が高くて、足も長くて、痩せればきっと素敵なんだろうと予想できる。
お父様は私を見るといつも笑ってくださるから、目がない顔しかあまり見たことがないけど、真剣な顔をしているとするどい切れ長の目なのです・・・・。
王女様に初めて呼ばれてから、五日が経ったので、再び御呼ばれしていく。
王女様のところに案内してくれる侍女にこっそりお礼を言われた。
怒りっぽかった王女様が、穏やかになったそうです。
「待っていたわよ!カレン」
王女様が満面の笑みで迎えてくれる。
「今日はお化粧をしていないのよ。していなくてもこんなに美しい目だなんて、ほんと素敵ね。
手拭きも用意してあるの、さ、隣に座ってちょうだい」
さっそくお仕事です。
エメラルダ様に目を閉じていただく。
まずは、上まつ毛を長く、たっぷりと生やしていく。
そして下まつ毛。こちらは少し控えめに短めに生やしていく。
「目を開けてください」
うん、完璧な目だわ。
エメラルダ様は鏡を覗き込む。
「やっぱりカレンは最高だわ!
次は唇をふっくらとした厚みのあるものにして欲しいの」
「エメラルダ様の唇は、薄めでもきれいな形をしていると思うのですが、本当に厚くしてしまってよろしいのですか?」
「もちろんよ。ふっくらとした、魅力的な唇にしてね」
ご希望通りに。
エメラルダ様は大満足のようだ。
鏡をみてはニコニコしている。
ちょっと顔が緩みすぎだけど、それも普通だろう。
私も美少女に変わってからは、毎日鏡を見てはニヤニヤしている。
美しい顔は何度見ても幸せな気持ちにしてくれる。
初めから美しい人は違うのかもしれないが、不細工と言われ続けてからの美少女だと、ありがたみが違うのだ。
「カレン。私は美しいわね!」
「はい、大変美しいです。エメラルダ様」
「気分がいいわ~」
とエメラルダ様。
二人でテラスに場所を変えてお茶にする。
「美しくなると、世界が変わるわね。カレン。
あなたはもともと美少女だから、よくわからないでしょうけど。
はじめあなたに出会ったとき、美少女過ぎて、嫌いだったのよね」
「その、私は美容魔法に目覚めるまでは、大変醜い顔でした。
はっきりいって、豚の様でした。
なので、世界が変わるという気持ちはよくわかります」
「まあ、カレンも不器量だったの?」
「ええ、眉毛は太くてボサボサ、目は糸のように細く、鼻は豚のように上を向き、唇は分厚く輪郭がにじんでいました。体重も今より三十キロもありましたし。
思い出したくもありません」
「私達、仲間なのね」
「エメラルダ様より、もとの私ははるかに見苦しかったですが。
兄と姉は美男と美少女で比べられてつらかったです 。ブスだの不細工だの二人には毎日言われていましたし」
「そうなのよね、顔のいい兄弟がいるとなおさらつらいのよね」
うんうんとエメラルダ様が頷く。
「私には弟と妹いるのだけど、ね。
弟が生まれた時、少し辛くなったわ。
生まれた時から、パッチリとした美しい瞳をしていたのよ。
お父様もお母様も、他の人たちもみんな弟に夢中になったわ。
私は何をされたわけでもないけれどね、誰も私を見てくれなくなったの。
妹が生まれてからは最悪ね。
妹は最高の美少女なのよ。
私だけが、器量が悪いと、陰口もたたかれたわ。
色々努力もしたのよ?
マナーを完璧にしたり、スタイルだけでも良くなるように運動をしたり。
でも、顔は変わらないの。
お化粧をすると、少しはましになった気がしたけど、今思い出すと酷い顔だったわね。
カレンのおかげよ。
今はとても幸せな気持ちだわ」
ありがとう。
と美少女が笑う。
うん。
よーーーーくわかります。
とても楽しい時間を過ごし、お土産をもらって家に帰る。
金貨の詰まった小箱がまた入っていました。
嬉しいけど。
次に美容魔法を使うことがあったら、お土産は断ることにします。
だって親友だもんね!




