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第10話 ガーディアン その2(守護霊様 続き)


 前話の最後にも書いたが、私は守護霊様の話をこうやって公開することに、怒られるのではないかという不安が多少なりともあった。


 その怖れ心の元になっているのは、かの『恐怖新聞』や『うしろの百太郎』などの怪奇マンガの大御所『つのだじろう』先生の体験漫画である。


 大昔に読んだので、もううろ覚えで詳細が違っていたら申し訳ないが、大まかなニュアンスは大体合っていると思われる。


 確かオカルト研究家である先生が当時、この方面のことに煮詰まっていて、つい守護霊様に悪態をついてしまったのが事の起こりだったような……?


『存在するというなら、出てこいっ!』 みたいな口の利き方をしたのではなかったかなと記憶している。

 そうしてある一件が起きる。


 ある夜、先生が一人で寝ていると、急に金縛りに遭った。

 この頃はまだ、先生自身がほとんど直接怪異に遭遇したことがなく、実質初めての金縛りだった。


 動けない、これが金縛りというヤツかと思った途端、両足首をグッと掴まれるや斜めに引っ張るように持ち上げられた。


 頭が動かないので目だけを足元の方に向けるのだが、足どころか掛けている布団さえも持ち上がっていない。

 だが、確実に両足を斜め上に上げられている感覚がある。


『お前は誰だ!』

 声が出ないので先生は頭の中で怒鳴った。

 答えはない。足も掴まれたままだ。


『俺に恨みでもあるのか?』

 こう頭の中で問うてみた。

 すると半分だけ足が下がった。しかしすぐにまた上に引っ張られる。


 そんな風に上げ下げされているのに、布団の衣擦れの音も動く気配も全く見えない。


 ―― これは肉体の足を掴まれているのではなく、幽体の足を引っ張り上げられているのだ ――

 先生はそう思い当って、あらためてゾゾッとしたそうだ。


 どうやら相手は自分に友好的ではない様子。そんな相手が自分の幽体を体から半分引きずりだしているのだ。

 もしかするとこのまま()()()()()()()()()()かもしれないという怖さが浮かんで来る。


 しかし恐いながらも何度か問いを繰り返しているうちに、ある事に思いあたってきた。

『もしや貴方様はわたしの守護霊様ですか?』


 すると今度は掴んでいた手が離れて、パタンと足が下に降りた。

 答えはYESという事だ。

 しかしまたすぐに両足を掴まれて持ち上げられてしまう。


 先生曰く、この時 足から頭まで体が真っ直ぐになっている体感で、足だけでなく胸のあたりまで肉体から出ているらしかった。

 なので持ち上げられると、胸の辺りが圧迫されるように苦しかったそうだ。


 とにかく先生は先の無礼を詫びた。

 親しき中にも礼儀ありである。 

 

 親子喧嘩で『馬鹿野郎っ!』などとつい怒鳴って、ぶっ飛ばされた経験を持つ人も少なくないのではないだろうか。

 まあ、先生自身がオカルトを研究していたので、体験も兼ねてだったのかもしれないが。


 真摯に謝るとやっと足は降ろしてもらえたが、金縛りは解けなかった。

 そんな状態ながら先生は、オカルト研究家としての千載一遇の機会として色々と質問をする。

 そうして完全ではないが、御姿を見せて頂くことが出来た。


 足元の闇に、ぼうっと男性の顔が現れた。

 その斜め上、また横や下にも。始めの男性を囲むように幾つかの顔のみが闇に浮かび現れた。

 

 私の記憶では、その黒い闇をバックにおそらく7,8人ほどの顔が描かれていたと思う。

 真ん中の人が一番大きく描かれていた。

 その横には猫の顔も。


 これはおそらく補助霊という者かもしれない。

 ちょっと動物霊? と思ってしまったが、ネットで拾った説によると、稀に可愛がっていたペットなどが補助としてつくこともあるらしい。

 そんな風に慕って来てくれたら、泣いちゃうかもしれない。


 というような話を以前、雑誌か単行本かも覚えてないが読んだ記憶だけがあるのだ。

 つまり、身近であっても当たり前のことだが、身内どころか大統領よりもずっと高位な畏怖の対象。


 神様の御使い様を一般的に天使と呼ぶが、人からしたら神様も天使もすでに天界の人。

 もうリスから見たブロントサウルスであり、これがT‐レックスに変わろうがトリケラトプスになろうが、脅威・畏怖の加減は変わらないだろう。


 神様と守護霊様を一緒にしてはいけないだろうが、まず人の私からすると上記のような感じで高次元な方なのである。


 ともかくこのような体験談を読んだ記憶があるので、どこまで書いていいものだか、青田は少し迷っていた。


 何しろ今までお読み頂いている読者様にはお分かりかと思うが、青田はどうにも茶化してしまうというか、軽い調子に表現してしまうノリがある。

 自分自身が堅苦しいのが苦手なせいもあるのかもしれない。


『 いい気になるな 』 と、もしかすると怒られるかな。

 もちろん軽視する気などないのだが、うっかり調子づいて不興を買ってしまうことなんて、現実社会でもよくある事だ。


 ちょっと状況も相手もまったく違うのだが、ずい分昔 悪夢で首吊りの亡霊と対峙した時にうっかり軽い調子で話したら、凄くドスの利いた声で怒られた覚えがある:(;゛゜''ω゜''): ヤクザも出せないような、まさしく押し殺した低音で。

 ……アホである……。(この話はいつか別エッセイ『夏だ! お盆だ!』の方で語りたい)

 

 なのでここで打ち終わってもすぐに更新せずに、一晩寝かせておくことにした。

 それで何も(リアクションが)なかったら更新しよう。

 青田はそう思って、打ち終わった第9話をすぐに上げずにおくことにしたのだ。


 そうしたら朝方か夢を見た。


 ふと気がつくと自室の布団の上に立っていた。

 部屋の中は明るいが、開け放したドア向こうの居間はまだ薄暗い。


 と、なにやら小さな白く光るオタマジャクシのようなモノが左右から闇の中に沢山現れた。

 もしやこれが人魂というモノか? 豆電球サイズなのだが。

 

 ソレはすぐに、まさしくエサに集まるオタマジャクシのように中央に集合すると、空中にペンライトアートみたいな人型を作った。

 

 ほんの一瞬だったが、着物を着た人だと思った。顔はこちらを見て微笑んだように見えた。なので恐さは感じられなかった。

 

 と、そのドア横にあるラックから、いきなり○○さんが現れて飛び降りてきたかと思うとササッと居間の方に出て行ってしまった。ドアの外はすでに電気がついて明るくなっている。先程の光の人はもういない。


 ええっ? 久しぶりに出てきたと思ったらどっかに行ってしまった。

 (彼も実質、自室のガーディアンなのだが、その話はまたいずれ)


 これは追いかけて行った方がいいのか? なんて思う間もなく、こちらの白い天井の方から声がした。

 前回より長くなってしまったので、分割しました。

 続きは推敲しだい打ち上げます。

 大晦日にバタバタ更新ですみません。お暇な時にどうかお付き合いくださいませ。

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