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1話 最初の月曜日から水曜日
3日連続、朝の通勤電車を降りる間際のところで定期を落とした。
買ったばかりの、6か月間の定期券。
3日連続、同じ女の子が拾ってくれた。
3日連続、落としたことに気づかなかった。
座る席があったとしても扉の側の壁にもたれて立っている、おしゃれな子。いつもしっかりメイクして、赤みがかった茶色い髪の先をきれいに巻いて、毎日違ったピアスをしている。ほとんどスマートホンを見ているけれど、たまに顔を横に向け、外を眺める。
そんな私と正反対の女の子が、3日連続私の定期を拾ってくれた。何も言わずに、気づかないほどほんの少しだけ微笑んで。
それが、私とあの子のふたり通勤35回の、最初の3回。
