表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ペンギン三兄弟

ペンギン三兄弟 〜 4話 宅急便こわい の巻

作者: たかはら りょう

ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。

今日も仲良く暮らしています。


ピンポーン!

ドアのチャイムがなりました。

「お届け物でーす」

チャン「ああ、どうも」

チャンは宅急便屋さんから荷物を受取りました。


チャン「また、ゴンあてだよ」

チャンは荷物を運びこんでくると、

うらめしそうに部屋の奥を見つめました。

奥の壁一面には、ダンボール箱が天井まで届きそうなほど山積みになっています。

すべてゴン宛ての荷物でした。


チャン「おーい、ゴン。いい加減にこの荷物片付けてくれよ。部屋がダンボール箱に占領されるのも時間の問題だぞ」

ゴン「あー、わかってるんだけどね、面倒くさくってさあ。明日やるから」

チャン「明日明日って、絶対明日やらないでしょ、やるなら今でしょ」

ゴン「古いこと言うねえ、じゃあ手伝ってよ」

チャン「しょーがねーなー。おいドンもいっしょに。あれ?ドンがいない」

ゴン「あいつまた、逃げ出したな」

チャン「あの労働察知能力は大したもんだね。働く時に限って姿消しちゃうんだよなあ」

ゴン「まあいいや、オレたちだけで片付けようぜ」

チャン「ぜんぶゴンの荷物だけどな」

ゴン「まあまあ、そうお堅いこと言わずに」

ゴンは、柔らかい手でペンペンとチャンの肩を叩きました。

チャン「しかし何入ってんのこれ」

ゴン「うーん、なんだろう。ネット見てるとさ、ついついポチッと買っちゃうんだよね。でも何買ったかよく覚えてないんだよなあ」

チャン「ちょっと、それもどうかと思うよ」

ゴン「まあ、開けてみよう」


ゴンは1つの箱を開けてみました。

ゴン「おお~、ゴジラだ。カッケー!」

箱から出てきたのは、ゴジラのフィギュア大でした。


チャンは別の箱を開けてみました。

チャン「あ、これもゴジラじゃん」

出てきたのは、ゴジラのフィギュア中でした。


チャンは、また別の箱を開けてみました。

チャン「まさかの、三連チャン」

出てきたのは、ゴジラのフィギュア小でした。

チャン「ゴジラばっかじゃねーか」

ゴン「だって好きなんだからしょうがないじゃん」

チャン「ゴジラ好きのペンギンなんて、聞いたことないよー」

ゴン「見て見て、これ目が光るんだぜ」

ゴンがスイッチを押すと、ゴジラは鋭い目を赤く光らせ、「ギャオー」と吠えました。


チャン「とりあえず全部開けてみようぜ」

それから、チャンとゴンは、何十個もの箱を開けて、中身を取り出しました。

部屋の中は、ダンボールの空き箱と、何十種類ものゴジラや怪獣のフィギュアで、足の踏み場もないほど、いっぱいになってしまいました。

チャン「ダンボールとフィギュアの海に

おぼれそうだ。たすけて...」


と、そこへ

「ただいまー!」

ドンが元気よく帰ってきました。

ドン「楽しかったなー、骨董市に行ってきたよ。掘り出しものがたくさんあってね、いっぱい買っちゃった。あとで荷物が届くからよろしくね!」

チャンとゴンは、くちばしを開けたまま

凍りついてしまいました。


おわり

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ