精霊探し ~少年
昨日、僕には弟ができた。
ちっちゃくて可愛かった。そして、弟には生まれてすぐにふわふわの毛玉の精霊と契約したみたいだ。だって、弟の回りをふわふわふわふわ漂ってるんだ。
弟もばぶばぶっていってるし。
両親もにこにこしながら、その姿を見てるんだ。
だからさ、僕も精霊が欲しくなった。
お花の精霊もちの母さんにいったら、まだ早いんじゃないっ?って言われた。四角い枠のような精霊もちの父さんにいったら、気持ちはわかるけど、やれそうか?って聞かれたから、元気にうなずいて、今日は近くの森に来てみた。
この森は奥が深いけど、手前は安全で子供達の遊び場だ。そして、精霊ももちろんいる。町中にも契約してない精霊がいるけど、やっぱり僕は森が好きだから、森の精霊にしたかったんだ。
森はいつもと同じで、沢山の精霊がいた。
精霊は全部違う。似ていても、色や形、能力が違う。もちろん名前も違うらしい。そのなかで、感性で決めるみたい。あって、見つめて、コミュニケーションをとれたら、1段階クリア。
そこから、契約になるみたいだ。
花の精霊はなんか違うし。
あ、スライム精霊!は、要らないな。
悩みながら、進むと、そこには人型の精霊がいた!
「うわっ!まじかよ!人型精霊だよ!!」
ついおっきな声を出しちゃったけど、精霊は振り返っただけで消えなかった。
そして、精霊はすごくきれいだった!小さいのにママよりキレイで、かわいかった!
「ねえ!僕と契約しようよ!」
ドキドキしながら手を差し出した。すると、精霊はパッと姿を消した。
「残念。人型の精霊なんて初めて見たのにな。しかもあんなに可愛いなんて!あっ!!みんなに自慢しなくちゃ!」
急いで、駆け出す。森を抜けて、家に帰り、ママにまず自慢した。
「人型の精霊見たんだよ!羽もついてたんだよ!」
「まぁ、ほんと?珍しいわね。」
「だよね!しかも可愛いんだよ!ガキガキしたロボットじゃないんだ!」
「あぁ、ユトウ博士の精霊さんのこと?あれは精霊さんでいいのよね?たまに違うんじゃないかって思うのよね。」
「違うよー!それより精霊さんだよ!」
それから、どれだけ可愛い精霊だったかママに聞かせていると、パパが帰ってきた。
パパも人型は珍しいと驚いていけど、珍しいからこそすぐに契約するかもなと笑っていた。少し残念。
「ところでお前の精霊はどうなった?」
「あ!忘れた!」
「また今度でいいかもな。あせる必要はない。自分のタイミングで自分にあった精霊を見つけるんだ。」
頭を撫でられて、ちょっと落ち着いた。
早くほしいけど、ま、今度でいっか。
そして、3年後。森ですれ違ったスライムと契約することになった。