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癖じゃなくて個性です  作者: さくらりん
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わい誕生 ~ゲン

気づいたら、そこにおった。


何が?わいが。


精霊の誕生なんて知らん。わいは、気づいたら、今の姿で花の上に座っていた。


「重いんだけど?!」

「あ、すまん。」

ぶちギレた声に驚き、羽で飛ぶ。羽?と思いつつもうまく操れた。

今の声の主を探すと、どうやら座っていた花らしい。

相手にはこちらの声が聞こえていなかった様で、まだぶつくさいっている。なんでも、わいは、突然現れた不届きものらしい。


訳もわからず、そこらを飛び、自分が精霊という存在だと気づく。瞬きするごとに、自分の能力や、人との関わり、からだの仕組みなどが理解できていく。


わいが理解したのは、名前はゲン。手足羽の動かしかた、能力は言語理解、人と関わると知識が増えるということだけ。精霊は、自分のことは理解できても、他のものはあまり理解できないものらしい。そして、それを補ってくれるのが人で代わりに能力を提供するというわけか。


「ま、わいにはいらなそうだな。」


そう、わいは誰かが口にしてくれればそれを契約なしに理解できるから、知識不足は基本補えるだろう。わざわざこの能力を提供する必要はないな。


ひとり納得して、そこらをふらつく。

回りには様々な精霊がいた。

あそこの木に寄り添っているのは、緑の葉のような精霊。もう、葉なのか精霊なのか見分けがつかないが、へったくそな歌で自分は精霊だとうたっているから精霊だ。

あっちには、でろでろした、いや、ぶにぶに?あー、どーでもいいや。へんな水色の塊が急いで動いている。なんでも早く人と契約してしまいたいらしい。良くあんなに急ぎながら、ぶつくさ言えるな。

池の回りには、多少色味の違う花の精霊が誰が一番きれいか言い合っている。そして、お互い言葉が通じてないから、勝手に話して勝手に納得して終わってる。アホの集まりにしか見えん。

そして、それを見てただの花たちは笑っている。

「へぇ。精霊は自分の事しかわかんねぇけど、他は違うのか?」

いや、花たちの笑い声を聞いていると違うらしい。精霊が何を話しているかはわからない。でも、いつも同じ時間に集まっていつもいなくなる花の精霊がおかしくて仕方ないみたいだ。

飛び回っているうちに、世界の事がわかってきた。

この世界には、精霊、人、動物、植物といわれるものが存在するらしい。で、精霊は自分の事しかわからない。人は各々の言語でしか交流できない。動物は同じ種族は理解できる。植物も同じと。で、特例として精霊と人が契約を交わすと共有できるってことか。

うん、わいには関係ないな。わいは知りたかったら、お喋りな奴探せばいいしな。全く不自由ないな!


ひとり納得したわいは、さっき花の精霊がいた池に降り立った。うん、基本聞き取り辛いが植物はおしゃべりだから、ものの名前を教えてくれるのはありがたいな。そして、足を水に浸し、疲れをとる。

「羽動かしてるのに、足冷やしてもしゃぁないのにな。でも冷やす!」

その時、盛大な声が聞こえた!


「うわっ!まじかよ!人型精霊だよ!!」


うっせぇな。わいは今休憩中や!!黙ってろ、ボケ!

これが初めての人との関わりとなる。








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