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ヒコウ場
ここはヒコウ場。
少年たちの溜まり場となっている。
ここでは多くの少年たちが一堂に会しヒコウしていた。
「ちょっとマジでぶっ飛ぶわ、これ」
「どれどれ……うおっ! これヤバいな」
「この草が最高でさあ……飛べるんだよお」
彼らは毎日飛ぶのをやめない。
何かに取り憑かれたかのように、毎日飛ぶ。
幼き少年がさらに幼き頃--大空を夢見たあの頃のように、純粋な気持ちでヒコウを行うのだ。
ここはヒコウ場。
法の抜け道を滑走した少年たちが、ぶっ飛んだ思考と夢うつつな記憶の中でヒコウを行う場所である。
彼らは今頃、夜空のヒコウで何を見ているのだろうか。