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小さな賢者の魔導学  作者: 五泉 昌
聖女転生編
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4 新たなる目覚め

……目が覚めたら、ベッドの中だった。

どこだここ。

少なくともわたしの魔導工房ではない。

わたしは世界各地に自分専用の研究施設としての工房を持っているんだけど、今いるここはそのどれでも無い。

窓からは光が差し込み、外からは人々の生活音が聞こえてくる。

とりあえず現状を把握して見ないことには始まらない。

わたしは自身に【能力鑑定】を使う。

スキル【能力鑑定】は対象のステータスを確認することができるスキルだ。

種族や年齢などのパーソナルデータからステータス数値等、個人情報を抜き取るスキルなので人に向けて使うのは非常に失礼とされている。

まぁ、自分や魔物に使うぶんには問題ない。

高レベルの【能力鑑定】ともなれば所持スキルまで覗けてしまうので、戦闘でかなり優位に立てるようになるが、鑑定スキルは押し並べて成長が遅いことで有名であり、実戦で使えるほどの高レベル【能力鑑定】持ちはそうはいない。

わたしが自分に使うのは【能力鑑定】Lv3。

種族とレベル、後HPとMPが解る程度のものだ。

本当はわたしの【能力鑑定】はスキルレベル6まで上がってるんだけど、わたしはスキルが多い分情報量が多くてあまり高レベルの鑑定をしたくないのだ。


名前:イルミナ

種族:人間/魔法使い

性別:女

年齢:9歳

レベル:1

HP:25(25)

MP:386(412)


うーん、やはりレベルが下がってるね。

ちなみにわたしの転生前のレベルは89。

たぶん人類でわたしより高レベルの人はいなかったんじゃないかな。

嘘かホントか到達した人がいないから定かじゃ無いけど、ヒト族のレベルは99でカンストらしい。

1300年生きて転生に至ったわけだけど、人生の後半は研究ばかりしてレベリングは殆どしてなかったからなぁ。

もっと戦闘こなしてればカンストしてたかもしれないね。


慎重に現状を把握しよう。

神様は転生前になんか言ってた。

えーっと確か「新たな器は、地上に於いてお主と最も波長が近く、且つ不自然の無い器に転生する」だったか。

つまりこの少女の身体がもっともわたしの波長に近かったってことだ。

まぁ、生まれ変わったものは仕方ない。

不自然の無い器ってどういうことだろう。

転生するってことは肉体は別で生まれ変わるんだと思ってたけど、どう見ても赤ん坊では無い。

ステータスでも9歳となっていたワケだから、つまり、元いた誰かの身体を乗っ取ったのか?

だとしたらあまり気分のいいものじゃ無い。

しかしHP低いなぁ。

レベル1だし仕方ないとは思うけど、このHPじゃ無理な戦闘は出来ないな。

低ランクの魔物に小突かれただけでも瀕死だよ。

その代わりMPはレベル1にしてはかなり高い。

これはステータス補正系のスキルとアルテマスキル【魔導の極み】のお陰だね。

確認してないけど、スキルは間違いなく転生前のモノが揃ってるみたい。

神様がギフトもくれたみたいだし、追々確認していこう。

ただまぁ、上位スキルは今のわたしでは使えないな。

現状、使用コストがMP最大より高いものもあるし、MPを使いすぎると発狂することもあるし。


MPは魔法力ではなくて、精神力のことを指す。

MPを瞬間的に使いすぎると【精神疲労】状態になり、それでもMPを使い続けると【精神汚染】、【発狂】といったバッドステータスに陥る。

具体的には精神的にネガティヴになる。

長い時間【精神汚染】に陥ると【廃人化】することもあるから、MP管理は最重要項目だ。

これらのバッドステータスは【魔導の極み】や各種耐性スキルを取得しているわたしですら完全には回避することはできない。

世の中そんなに甘く無いのだ。

なので、どんなにMP最大値が増えてもMP管理は重要になる。

スキルによっては魔法スキルでなくてもMPを使うから、スキルの濫用は自らを滅ぼす諸刃の剣になる。

転生前とはMP総量が違うんだし、感覚を間違えないように気をつけよう。


しばらくは毎日正午に更新します。

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