10 イルミナの能力
うーん、これは一度自分の能力をきちんと確認しておく必要があるな。
正直自分のステータスとか情報量が多過ぎてあまり見たくないんだけどね……よし。
わたしは意を決して自分自身に持てる最大レベル、【能力鑑定】Lv6を使う。
名前:イルミナ
種族:人間/魔法使い
クラス:聖女/魔女
性別:女
年齢:10歳
レベル:24
HP:309(312)
MP:1516(1889)
内包魔力ランク:SS
STR:36
INT:105
AGI:65
VIT:26
DEX:85
WIZ:112
LUK:55
スキル:
魔導の極みal
古代語魔法Lv10 真古代語魔法Lv10 精霊魔法Lv10 大精霊魔法Lv10 神聖魔法Lv10 神威魔法Lv10 暗黒魔法Lv10 深淵魔法Lv10 強化魔法Lv10 闘気魔法Lv10 召喚魔法Lv10 異界魔法Lv10 竜言語魔法Lv10 真龍魔法Lv10 空間魔法Lv10 時間魔法Lv10 付与魔法Lv10 錬成魔法Lv10 呪術魔法Lv10 死霊魔法Lv10 物理魔法Lv10 無属性魔法Lv10
魔法耐性Lv10 上級魔法耐性Lv10 物理耐性Lv10 上級物理耐性Lv4 熱変動耐性Lv9 感電耐性Lv9 衝撃耐性Lv8 斬撃耐性Lv8 貫通耐性Lv8 鑑定耐性Lv5 全状態異常耐性Lv6
MP自動回復Lv10 魔力消費軽減Lv10 魔力吸収Lv10 魔法力増幅Lv10 魔力自動結界Lv10 物理自動結界Lv10
道具鑑定Lv9 能力鑑定Lv6 鳥の目Lv8 気配感知Lv8 魔力感知Lv10 モンスターテイマーLv9 威圧Lv6 気配遮断Lv6 魔法スキル作成Lv2 魔道具作成Lv10 迷宮構築Lv7 迷宮再生Lv6
STR補正Lv4 INT補正Lv10 AGI補正Lv8 VIT補正Lv6 DEX補正Lv9 WIZ補正Lv10 LUK補正Lv2 取得経験値増加Lv7 必要経験値減少Lv4 パーティライズLv3
転生者ex 叡智ex 言語翻訳ex 聖女ex 魔女ex 不老不死(魔法使い)ex 神域到達者ex
うへぇ、情報量多いよ。
自分のこととはいえくらくらする。
いつも鑑定スキルのレベルを下げて情報量減らす理由がこれ。
頭に中に一気に情報が流れ込んでくるので、処理が大変なのだ。
……しかし、転生前に持ってなかったスキルがいくつかあるね。
エクストラスキルは【叡智】と【不老不死(魔法使い)】、【言語翻訳】しか持ってなかったんだけど、【転生者】、【聖女】、【魔女】、【神域到達者】が増えてる。
転生前に持っていた【大賢者】が無くなってるのは何故だ……
あと【取得経験値増加】【必要経験値減少】と【魔法スキル作成】は持ってなかった。
【取得経験値増加】と【必要経験値減少】は神様からのギフトだね。
一から育て直しだから上がりやすくしてくれたみたい。
ありがとう神様、ポンコツなんて言ってごめんなさい。
たぶんこれからも言うけど。
【魔法スキル作成】だけど……これ多分【魔導の極み】関連の追加スキルだね。
自力で新たな魔法スキルを作成できるスキルみたいだけど……これ人間なんかに与えていいスキルじゃないと思うんだけど。
あぁそうか。アルテマスキルはもともと神に至るスキルなんだから、【魔導の極み】から派生するスキルがぶっ壊れてないわけないよね。
これは研究するのが楽しみだわ。
アルテマスキルは【魔導の極み】だけじゃないけど、他のアルテマスキルを取得しないようにしないとね。
また神様に呼ばれてはかなわない。
まぁ、【魔導の極み】を取るのに1300年かかってるし、ほぼ魔法スキル全振りで生きてこれだから、他の極みスキルを取るのにあと何千年かかるんだかって話だけど。
「カルナヴァルはわたしと従属契約した後どうしてたの?」
「どうって、勿論鍛えてましたよ。最強の魔導師とはいえ、仮にも人間に負けましたからね。ドラゴン仲間からも非難されちゃって……」
「えっ、わたしの所為!? ごめん、そんなことになってるなんて思ってなくて……」
「あぁ、気にしないでください。その後難癖つけてきた馬鹿ども全部ブッ飛ばしてやりましたから。あのことは慢心していた我には良い薬でした。自分を鍛えるという楽しみも増えましたしね。」
「ふーん、ちょっとステータス見せてもらっていい?」
「勿論です。貴女は我の主なのですから。」
むしろもっと見てそして褒めてオーラを出してくるカルナヴァルにちょっと苦笑しながら、わたしはカルナヴァルのステータスを覗いてみる。
使うのは情報量を減らした【能力鑑定】レベル4だ。
名前:カルナヴァル・ネブラニグドゥ
種族:オニキスドラゴン
クラス:従属竜(聖女/魔女)
性別:♀
年齢:4105歳
レベル:25
HP:7776(7779)
MP:6564(6570)
STR:546
INT:315
AGI:436
VIT:668
DEX:304
WIZ:351
LUK:98
流石は竜種、ヒト種なんかがひっくり返っても太刀打ちできないステータスだなぁ。
そして気になる種族の項目。
「カルナヴァル、あなた宝石竜に進化してるじゃない。凄いわ。」
「えっ、そうなんですか? 我は鑑定スキルを持っていないですから自分のことは判らないんですよね。そうかー、進化してましたか。嬉しいですね。」
宝石竜は竜種の上位種族。
カルナヴァルの以前の種族はブラックドラゴンだったんだけど、進化して上位種になったみたい。
だからレベルが低めなんだね。
高位の魔物はレベルが100になると上位種に進化できるんだけど、ドラゴンはもともと種としてステータスが高いから、競ってレベルを上げたりしないらしい。
最強種なんて呼ばれてるしね。
なので、上位種に進化したドラゴンは割と稀なんだ。
カルナヴァルはわたしに負けたことで、それをバネに頑張ったんだろう。
努力が実って良かったねぇ。
ちなみにヒト種はレベル100になったら進化できるのかは謎。
だれもレベル100になったことないからね。
まぁ、ヒト種は転化っていう裏技があるから、多分進化はできないと思う。
……少しステータスについて説明しよう。
30歳くらいの人間の成人男性のSTRやVITなどの肉体的ステータスが平均20くらい。
鍛えている騎士や兵士、ハンターでも30あれば常人離れしてるとか言われちゃう。
平民は一般教育や教養が足りないのでINTやWIZは低い傾向にある。
まぁ、識字率も低いしね。
今のわたしのステータスは人間としてはありえない数値なんだけど、これは補正系のスキルのおかげ。
まぁ、種族も魔法使いなんだけどさ。
補正系のスキルは能力値常時補正のパッシブ効果の他にレベルアップ時の上昇値にも補正が入る。
まぁ、補正系のスキルは取得も育成すごく面倒、というより地味アンド地味で、取れればラッキー上がれば超ラッキーくらいに考えておいたほうがいいくらいなんだけどね。
しかし、わたしSTRとVITひっくいなぁ。
それでも成人男性の平均値は超えてるけどさ。
「それでフィオレンティーナ殿。我を喚んだ理由ですが……」
「うん、移動手段とか魔法の助手とか、有り体に言えばわたしのサポートだね。暫く同行してもらおうかと思ってるんだけど、いい?」
「我は従属契約者ですのでそれは構いませぬが、失礼ですがフィオレンティーナ殿はかつてほど自由な身の上では無いのでは?」
「と、言うと?」
「どうやら其方の村落に身を寄せておいでのようですが、我を連れて行けば流石に大騒ぎになるのでは?」
たしかに30メートル超えの大型の魔物だしなぁ。
ドラゴンなんて魔法文化全盛の時代ですら幻とか言われていたのに、そんなん連れて行ったらヤバイか。
「カルナヴァル、人化とか使えないの?」
「少々触媒が足りませんね。無理矢理人化しようと思えばできなくはないですが、ツノとか尻尾とか隠しきれませんね。」
「ん、まぁそれでもいいや。どうせ村の人たちはわたしのこと聖女だの魔女だの思ってるんだから、ツノや尻尾の生えた女のコ1人くらいどうってことないって。」
「いい加減ですね……ちょっとお待ちください、人化しますね。」
すると30メートル超えの巨体がするすると小さくなり、身長160センチくらいの女のコになる。
「ああ、見た目は竜人族に似てますね。これでどうですか? ツノと尻尾以外は人間に見えると思うんですが。」
人化したカルナヴァルはハッキリいって可愛い。
見た目は17歳くらい。綺麗な黒髪、透き通るような白い肌、ボリュームのある胸とお尻、キュッと締まったウエスト、すらりと長い脚。
くそう、正直羨ましい。
カルナが言っていた竜人族というのは亜人の一種で、見た目はツノの生えた人間だ。
そういえば似ているか。
まぁ、竜人族に尻尾は無いんだけどね。
わたしと言えば肉体的には9歳から変化しないワケだし、いわゆる寸胴お子様体型だ。
村には同じ年頃でももっとメリハリのある体型の娘もいるので、かなり悔しい。
まぁ、暴魔熱の影響で肉体の成長に使うはずにエネルギーをほぼ生命維持に使っていた所為もあるだろうけど。
転生前がわりとナイスバディだったから尚更悔しいなぁ。
美人の母がいるから、容姿はそこそこだと思うんだけど、いかんせんどこをどう見てもお子様だ。
魔法使いとして肉体の成長は固定されいるため、もう成長も老化もしない。
生きている限りはこのままの姿だ。
……なんか惨めな気持ちになってきた。
「うん、いいんじゃないかな。相変わらず可愛いわね、あんた。」
「我を可愛いなどという酔狂な御仁はフィオレンティーナ殿だけです。」
「あ、そのフィオレンティーナってのはやめてくれる? 転生前の名前だし、今はイルミナって名前だから。」
「ではイルミナ殿と。」
「殿ってのもなんだかなぁ、呼び捨てでいいよ。」
「それはダメです。我とイルミナ殿は主従なのですから、線引きはしなければなりません。」
「うーん、呼ばれ慣れないなぁ。」
「ではマスターとお呼びしましょう。かつてマギアマスターと呼ばれたイルミナ殿ならば呼ばれ慣れているでしょう。」
「それもどうかと思うけど、まぁそれでいいか。今も村の人たちからは先生とか呼ばれてるし、あまり変わらないか?」
「ではマスター、今後ともよろしくお願いします。我のこともカルナとお呼びください。」
「わかった。カルナ、今後ともよろしくね。」
※スキル講座
【能力鑑定】知覚スキル
対象の能力を覗き見するスキル。
レベル3までの低レベル能力鑑定は対象に不快感を与える上、覗ける能力も名前、レベル、性別くらいで全く役に立たない。
レベル4からHPやMP、ステータス値など一気に情報量が増え、対象に不快感を与えなくなるためサイレントで使える超有用スキルとなる。
【鑑定耐性】のスキルで防衛可能。
同じスキルレベルの場合、耐性の方が有利となる。
スキル表記にある「al」はアルテマスキル、「ex」はエクストラスキルのこと。
エクストラスキルは所持しているだけで効果を発揮するパッシブスキルな上に、このスキルを持つことで新たにスキルが手に入る可能性がある。
今回は初登場スキルが多すぎるので、今後そのスキルがピックアップされた時にスキル講座で解説します。