銀の雨
雨の音の輪郭
細かく散る
銀と銀
窓枠の情景
薄灰色の世界で
濡れた梢
鳴かぬ鳥のシルエット
君は眠る
ふくよかな夢の中で
赤いブランケット
飲み残したコーヒー
滴る窓硝子の雨粒に映る
屈託もない光景
聴覚の中で感じている
弾け散る
銀と銀
ぼんやりと明るい部屋と
静けさにたゆたう
幸福と飢餓
仕切りと囲いは
思った以上に厚く
あの鳥は鳴かないし
きっと君は
あたたかな夢をみてるのになぜ
冷たい窓をつたう
一滴
僕の心にやがて沈む
小さな銀の弾丸
波紋ばかり作りつづけている