表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームオタクの異世界最弱譚  作者: メヌエット
5/13

勘違い

風邪ひいてあげれませんでした・・・。

すいません。

「咲本さん、何してるの?」

「え、えーと・・・。ぐ、偶然だね橘くん!」


 そう言うと、清華は木の陰に隠れる?のをやめ公人の前に立つ。


「え?あ、うんそうだね。偶然だね。」


 咲本さんにさっきは見られてると思ったんだけどな。僕の気のせいだったのかな?


 ふと、そんなことを疑問には思ったものの、清華の次の問いかけで疑問は頭から離れていった。


「た、橘くんは何してたの?買い物?」

「えーと、買い物かな。」

「へー。いったい何を買いに来たの?」

「えーと、錬金術に関する本を買いにきたんだ。僕、足手まといになってるから、少しでも皆の役に立てればと思って・・・。」

「そ、そんな足手まといだなんて!」

「ううん。いいんだ。ホントのことだから。」

「うぅ・・・。」


 流石の清華も強くは否定できなかった。

 余りにも、ステータスや転職に差がありすぎて、下手なことを言えないのだ。


「そ、それでその本は役に立ちそうなの?」


 重い空気に耐えられなくなった清華が本の話題を振ってくる。


「んー、役に立ちそうかな。まだ試したわけじゃないけど回復薬くらいなら僕にも作れそうだし。」

「へー、回復薬なんかが作れるんだ。なら、これからは回復薬買わなくていいんだね!」

「う、うん。でもまだ作れると決まったわけじゃないし、それにちゃんと効能があるかもわからないからなぁ。」

「なら、私が実験台になってあげるよ!」

「じ、実験台って・・・。なんか僕が危ない薬を飲まそうとしてるみたいだね。」


 思ったことを苦笑しながら呟くと、公人が怒ったと勘違いした清華は


「ご、ごめんね!そんなつもりじゃなかったの!え、えっとなんていうか、その、うぅ・・。」

「ふふ、別に怒ってないから大丈夫だよ。」

「ほ、ホントに?」

「うん。」

「ほっ。良かったぁ~」


 清華は公人の言葉を聞いて安堵し頬を緩ませる。

 公人はそんな清華の緩み切った顔を見ながら、とても新鮮な気持ちになった。


 そういえば、咲本さんとよく話すには話すけど、周りの視線を気にせず、話すのって初めてじゃないっけ?


 周りをきょろきょろするが周りに人気はなく、広場はがらんとしている。

 

 普段は視線にあてられるから余り話したくなかったけど、こういう状況で話すのは結構楽しいな。


 そんな風に考えた所で話の本題から脱線していたことを思い出し、実験台もとい、回復薬の試飲についてもう一度聞いてみる。

 

「でも、本当に僕の作った回復薬を試飲してもらっていいの?」

「うん!全然いいよ!」

「でも、お腹とか壊すかもしれないよ?」

「大丈夫!橘くんなら絶対に上手く作れるよ!」

「んー、でもなぁ・・・。」


 公人は腕を組んでしばらく悩む。


 確かに、誰かに試して貰いたいのは山々なんだけど、失敗した時がなぁ。でも、自分だけ飲んでもちゃんとしたものが出来てるか不安だからやっぱり他人の意見が欲しいし。でも、咲本さん女の子だしなぁ・・・。


 ようやく答えが決まって、組んでいた腕を下ろし、顔を清華の方に向ける。


「咲本さん申し訳ないけどお願いすることにするよ。」


 すると清華の顔がパアッと明るくなり笑顔で返事を返してきた。


「うん!任せてよ!橘くんのために私頑張るよ!」

「う、うん。あと、1つだけいいかな?」

「ん?なにかな?」

「もしも、体調に異常が見られたらその時は・・・。」

「その時は?」


 1つ溜めをを入れてから、はっきりした口調で言った。


「その時は僕が責任を取るよ。」


 時間が止まった。そんな気がするような間をおいてから、清華が声を上げる。


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?せ、責任って、えっと、あの男女のあれというか、契りというか、え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」


 清華の顔が火を噴いたかのように真っ赤になる。

 公人はしまったと思い、清華をなだめにかかる。 


「ご、ごめんごめん言い方が悪かった!誤解だよ!看病するとかそういう意味合いだから!」

「ど、どうしよう私。こ、こんな急にまさかプロポーズされるなんて。でも嫌ではないけど、いやむしろ望んでいたとも・・・。いやいや、でもこんな急に・・・。そ、そうよ何事も段階って大事よね。うん!そうだわ!お付き合い!お付き合いから始めることにしよう!」


 あぁ、駄目だ・・・。なんか手遅れっぽい・・・。


「た、橘くん!」

「は、はい。」

「私たちにはまだ早すぎると思うの。」

「う、うん。」

「べ、別に嫌ってわけじゃないのよ!?ただ、段階って大事だと思うの!」

「そ、そうだね。段階はちゃんと踏むべきだね。」

「だ、だからお付き合いから始めましょ!」

「咲本さん・・・。」

「な、なに?」

「誤解だよ・・・。」

「・・・え?」

「責任っていうのは看病ってことだよ・・・。さっきも言ったんだけど、咲本さんパニックになってて聞いてなくて。」

「わ、私の勘違い?」

「う、うん。」

「・・・うわぁぁぁぁぁぁぁ!」


 清華はいきなり涙目になり奇声を上げ始めた。


「ど、どうしたの!?」

「・・・っだ、だって・・わっ、私、あ、あんなはしたないことを、は、恥ずかしい、うぅ・・・。」

「さ、咲本さんが悪いわけじゃないよ!僕の言い方が悪かっただけだし。」

「うぅぅ。でもぉ・・・。」

「もしかしてお付き合いからしましょうとか、嫌じゃないとか言ってたこと気にしてるの?」

「っっっっっっっ!!!」


 清華はより一層涙目になり、うずくまってしまった。


 うぅ、困ったな・・・。どうしたものか。


「おーい。咲本さーん。」

「・・・。」

「僕、きにしてないからー。」

「・・・・・・。」

「焦って、口が滑ったんでしょー?こんな僕と付き合うだなんて咲本さんも嫌だろうしね。」

「・・・・・・・・・。」

「んー、困ったな・・・。あ!そうだ咲本さん、さっきあっちの通りでアイス売ってたから食べてみない?」

「・・・・・・・・・・・・食べる。」

「だよねー、食べないよねー・・・ん?」


 すると、清華はバっと立ち上がり


「た、食べたいっていったの!た、橘くんのいじわる!」

「い、いじわるしてるわけじゃないよ?ただ、びっくりして。」

「い、いいからアイスでしょ!ほら食べに行こ!」

「う、うん。」


 先頭を歩きだす清華を見て、何とかなったと思い少し安堵する。


 でもなんだか少し、怒ってたような・・・。気のせいかな?




 清華は先頭を歩きながら、公人には聞こえない声で呟く。


「別に嫌じゃないもん・・・橘くんのばか・・・。」


 その呟きはやはり公人に届くことはなかった。





 その後、アイスでなんとか機嫌をとれた?公人は錬金のための素材を買いに雑貨店や道具屋などを清華と二人で回った。


「えーと、薬草は街の郊外にあるからいらないから、いるのは薬膳キノコだけか。」

「薬膳キノコならさっきあっちにあったよ橘くん!」

「ありがとう咲本さん。・・・あ!これこれ!」


 公人は清華に誘導されキノココーナー的な場所に連れてこられ、お目当てのキノコを見つける。


 全体的に青色がベースとなっているキノコで、所々に薄い斑点のような模様がはいっている。匂いは、見た目からは想像も出来ない、ふわりと甘い匂いがする。


「不思議な匂いがするキノコだね。薬膳っていうからもっときつい匂いを想像してたけど、果実みたいに甘い匂いがするよ。」

「本によるとそのまま食べられるみたいだよ。味も果実みたいな味だけど、薬膳と同じ効能が得られるから薬膳キノコって名前になったらしいよ。」

「そんな良いものだと、値段も高いんじゃ・・・。」


 清華はそう思い値段を見る。

 そこには1つ200ギリンと書いてあった。ちなみにこの世界の通貨はギリンと数えるとステータスペーパーで確認済みだ。


「あれ?そんなに高くないね。さっきのアイスと同じくらいの値段だよ。」

「基本的にどんな環境でも育つみたいで世界各地に出回ってるらしいよ。この辺でも【リーシャの森】に行ったら生えてるみたいだよ。」

「へー、そうなんだ。」

「じゃあ、5つほど買って帰るかな。」

「ねえねえ!他にも素材になりそうなの探してみようよ!」

「うーん、そうだねもう少し見てから会計しようか。」


 清華の提案にのりもう少し店内を歩き回る。


 へー、結構品数があるんだなー。


 雑貨屋の広さは特別広いというわけではない。広さで言えばコンビニくらいなのだが、机の上や、天井からつるしていたりするので商品の数は結構なものになっている。

 そんななかふとあるものに目が留まった。


「なんだこれ?」


 それは、瓶の中に入っていた淡い赤い光を放っている石だった。

 蓋をあけ手にしてみるとほんのり熱を放っているのがわかる。

 気になった公人は奥で腰を掛けている店主らしきおっさんに聞いてみることにした。


「すいません、これは何という物ですか?」

「んぁ?それは炎石だ坊主。」

「へー、これが。」


 炎石はさっきの本にも書いてあり、公人は興味を持っていたのだ。


「これいくらですか?」

「1瓶で5000ギリンだ。」

「結構高いんですね。」


 瓶の大きさは市販のジャム瓶くらいで大した大きさでは無かったので公人は少し高いなと感じた。


「仕方ないだろ炎石は火山の火口付近でしかとれないんだ。むしろここに置いている分は相場より少し安めにしてる。」

「なるほど、そういうことですか。」


 その後、清華が戻ってきたが、清華はピンとくるものがなかったようだ。


「橘くんは何か見つけた?」

「うん。これなんだけど。」

「へー、綺麗な石だね。光ってる?」

「うん。炎石っていうんだ。少し試してみたいことがあってね。」

「そうなの?なら買う物は薬膳キノコと炎石ね。」

「うん、会計してくるから外で待ってて。」

「うん、りょーかい。」


 その後、2人は宿に帰り、明日、錬金を試してみるということを清華に伝えた、公人はベッドに寝転がり、疲れた体を休ましていた。


「ふぅ、今日はなんだかつかれたなぁ。」


 仰向けに寝転がった状態で炎石の入った小瓶を眺める。


「これを上手く使えればきっと・・・皆の役に立てる。」


 公人はそう自分に言い聞かせ、早くお荷物になっている状態から抜け出したい。そう願うばかりだった。


いつも読んでいただきありがとうございます。

今回はかなり遅くなってしまってすいませんでした・・・。

季節の変り目で風邪をこじらせてしまいました。

ですが、もう治ったのでまたこれから頑張りたいと思います!

誤字、脱字がありましたら報告してもらえると嬉しいです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ