ギルド
すいません、予約投稿の日付が1つずれていたみたいです・・・。
「ステータス項目のそれぞれの意味を教えて!」
清華の声に反応してステータスペーパーから先ほどのステータスは消え、その代わりに質問に対する回答が浮かんできた。
STR 数値が高いと攻撃力が上がる。
DEX 数値が高いと攻撃の命中率が上がる。
VIT 数値が高いと防御力や体力が上がる。
INT 数値が高いと魔法攻撃力が上がる。
AGI 数値が高いと素早さが上がる。
MND 魔法の使用可能回数が上がり、回復魔法の回復量が上がる。
「ほー、なるほどなこういう意味だったのか。」
「これを見て、岩本のステータスを見るとやっぱり戦士がお似合いのステータスだな。」
「うむ。神代の言う通りだな。」
「う、うるせー・・・。」
何故、こんなことをしているのかというと、ステータスの項目の意味がよくわからないという4人の意見があったことから始まった。公人は当然分かるので、当初は公人が説明しようとしたのだが、わからないことは紙に聞けと言う、言葉を思い出し、実験もかねて実際に紙に聞いてみたというわけだ。
「じゃあ、お金の稼ぎ方を教えてくれる?」
公人がそう聞くとステータスペーパーは清華の時と同じようにステータスが消え、回答を表示した。
一般的な冒険者はギルドに冒険者登録することでクエストを受け、それに見合った報酬を受けとることで生計を立てています。
「へー、ギルドがあるのか。」
「ねぇ、橘くん。ギルドって?」
「うーん、簡単に言うと冒険者のための施設かな?ゲームとかでもそこでクエストを受けたりすることで素材や報酬をもらえるんだよ。」
「なるほどね。」
「じゃあ、まずは街に入ったらギルドを探すことにしよう。」
「そうだな、なら凛が言った通り、取り敢えず街にでも行ってみるか。」
優斗の提案に全員が賛成し、一旦、街に行ってみることになった。
「いらっしゃいませ!本日は何のご用でしょうか?」
「え、えーとギルドに登録をしたいんですけど。」
「あ、新規登録の方ですね。ではこちらの紙に必要事項をお書きください。」
そう言われ、受付の女の人から紙を5枚渡された。項目は名前や性別といった、てもありふれたものだったので苦労することはなかった。
5人とも無事に書き終えて、優斗がまとめて全員分を受付に渡す。
「確認させていただきますね。・・・・・はい、オッケーです。ギルドカードを発行しますのでしばらくお待ちください。」
「あ、わかりました。」
その間、僕らはステータスペーパーを使って、色々と情報を引き出していた。
ここに来るまでの道のりで分かったが、これは万能の事典のようなものだとわかった。
道々に生えている植物の名前、街で売られていた珍しい食材、スキルの説明等、大抵のことならこの紙が教えてくれた。ちなみにここまでの道のりも、ステータスペーパーで調べた。
ホントに便利な紙だな。まさか異世界の知識やステータスの事だけじゃなくて、地図の代わりにもなるなんて。
5分ほどしたところで受付のお姉さんが帰ってきて、僕たちにギルドカードを渡し、今はその説明を受けていた。
「まず、見てもらったら分かると思いますが、カードの縁が青色になっていますね?」
そう言われ、自分の手元に目を落とすと確かに名刺くらいのサイズをしたギルドカードの縁は青色になっていた。
「えぇ、なっています。」
「その色は階級を表しています。青から始まり、黄、赤、緑、紫、黒、銀、金の順に階級が高くなっています。」
「この階級が上がるといいことがあるんですか?」
「もちろんです!この階級が高ければ高いほど公的な機関で優遇されたり、立入禁止区域などの立入も可能になったりもします。特に階級が金の冒険者は今のところ3人しかおらず、ギルド、公の場を問わずにかなりの地位や発言力が与えられています。」
「たったの3人か・・・。それは凄いな。」
「ちなみに、この階級はどうしたら上がるのですか?」
「基本的にはクエストをこなしていくと上がります。クエストの達成件数や内容をギルド側で判断して、それにふさわしい実力を持っていると判断した場合、階級が上がります。まぁ他に方法がないわけではないのですが、これは誰かの特別な紹介を受けた人だけによりますので、気にしなくても大丈夫だと思われます。」
「ふむ、ではもう一ついいですか?」
「はい、何でございましょう?」
「このカードの階級が上がれば、多方面に融通が利くのは分かったが、最初の内、つまり階級が青でも何か恩恵があったりするのですか?」
「はい、もちろんです!ですがこれは青に限った話ではありません。全階級が共通して受けられる恩恵です。まず、ギルド系列の宿屋は全て2割引きとなるのと、冒険者用のお店で売っている回復薬等も3割引きで購入することが可能です。」
「「「「「おぉ~~!!」」」」」
これは公人たちにしてみればとても嬉しい誤算だった。いくら餞別でいくらかお金が入ったとはいえ、毎日5人分の部屋をとるこでお金がかかるのは目に見えて分かっていたからだ。
クエストで稼げばいいと思うかもしれないが、いくら何でも初期ステータスで5人分の宿賃を稼げるとは思えなかった。それにクエストを受けるとなると必然と回復するためのものが必要になってくるだろう。その分の回復薬代もただではない。
「これで出費を少し抑えられるね!」
「あぁ。これは嬉しい誤算だな。」
このことに全員で喜んでいるとお姉さんが口をはさんできた。
「皆様は安い宿をお探しで?」
「あ、はい。実はあまりお金がなくて・・・。」
「なら、ここの三階のお部屋はどうでしょう?今のところ空き部屋がちょうど5部屋あるのですが。シンプルな作りなので広さはありませんが、宿代も他と比べてかなり安いですよ?食事についても一日二食ついてますし。」
その言葉を聞いて五人とも顔を綻ばせながら、確認するかのように頷きあう。
「それならお願いします!」
「はい!承りました。何泊の予定にしておきます?」
「えーと・・・。じゃあ、これで泊まれるだけお願いします。」
そう言って、優斗は布袋にあった50枚ほどの金貨の内、10枚ほどを取り出して言う。
「け、結構な額ですね・・・。」
「そ、そうなんですか?」
「え?相場を知らないんですか!?」
その言葉で皆がギクリッといった態度をするが、公人は冷静に返した。
「実はかなりの田舎から出てきたので、あまり相場を知らないんですよ。街への買い出しも一部の大人だけが行ってましたから。」
「そ、そうなんですか?それは失礼しました!」
「いえ、大丈夫ですよ。」
皆が安堵の溜息を漏らす。
「た、橘くんありがとね。」
「う、うん気にしなくていいよ。」
こっそりと清華が公人に耳打ちをする。
まぁ、流石に異世界から来たって言えないしなぁ。
「えーと、話の続きをいいですか?」
「あ、はい!この金額なら二週間は泊まって貰って大丈夫です!」
「ほ~、結構泊まれるんだな。」
自分たちが思っていた以上に泊まれることに驚きつつも取り合えず宿泊の手続きをとってもらった。
そのまま、彼女に案内され各部屋と鍵を渡される。
「食事についてですが二階にある食事場で提供させていただきます。朝は6時~9時まで、夜は17時~20時までにお願いします。」
「はい、わかりました。」
「では、ゆっくりとおくつろぎください。」
そう言い残し、彼女は階段を下りて行った。
そしてその後、優斗の部屋に集まり、今後の事について話した結果、当分はギルドに滞在してクエストをこなしつつ、レベルと資金を貯めていく方針を再確認するだけで終わった。
早々に話が終わったので自分の部屋に戻ってきた公人。
部屋の構造は、受付の彼女が言っていたようにいたってシンプルだった。間取りも六畳間くらいのワンルームであるものと言えば、備え付けのベッドと小さめの机と椅子くらいだった。
取り合えず、ベッドに腰をおろした公人は、もう一度ステータスペーパーを開くと「オープン」といい起動させる。
「スキル、錬金術について教えてくれ。」
公人の言葉に反応し、回答が返される。
錬金術
一般的に素材と素材を組み合わせることで、新たな物を生み出すスキルとして知られている。魔力の消費量に比例して、質の良いものが出来る。薬草を組み合わせることで回復薬を作ったり、金属を組み合わせて武器を作ったりするのが一般的な使われ方。レアリティはC
「要するに、ゲームでよくある錬金術か・・・。これでどう戦えばいいんだ?」
しかも、このステータスの低さ・・・。この世界の平均的な初期値を知らないから何とも言えないけど、あの4人と比べると圧倒的に低すぎる・・・・。
「まぁ、まだ始まったばかりだ。地道に使い方や戦い方を覚えていこう。」
いつも読んでいただきありがとうございます。
誤字、脱字がありましたら報告してもらえると嬉しいです。
間違えて1日遅れて申し訳ないです・・・。
次の投稿は明日か明後日くらいになるとおもいます。
これからもよろしくお願いします。