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1章:姫を助けたい王子様と嫌われ者の魔女

「待たせたな」

 私は寝室から出て、部屋から追い出した男に詫びた。服を着替えながら考えたが、たぶんこの事態を招いたのは私だ。だとしたら、ちゃんと私が詫びるところは詫びて解決させるしかない。

「うん。さっきのネグリジェも扇情的だったけど、黒のドレスもいいね。髪によく合ってる。ただ、エルニカは明るい色も合うと思うなぁ」

「……その口縫い付けられたくなければ、そういう心にもない事はいうな。私はからかわれるのは嫌いだ。別に私のご機嫌とりをしなくても、お前をとって食ったりはしないのだから」

 元々この男は歯の浮くような話をするのだろうが、魔女たる私に対してするような事ではない。だとすると考えられるのは、私を怒らせて蛙にされて喰われるのではないかと怯え、あえてご機嫌取りをしようとしているのではないかという事だ。

 こんな馬鹿馬鹿しいご機嫌取りは初めてだが。


「別に嘘なんてこれっぽっちも混ざっていないさ。君が魅力的だという事は神に誓って言えるよ。ああ、君たち魔女は僕らが信仰する神とは違うものを信仰しているのだっけ? だとしたら君たちの神にも、今の言葉に嘘偽りなく本心の下心ですと誓うよ」

 本心の下心というのはなんだ。

 色々頭が痛くなるような言い分だが、まあおいそれと本心を得体のしれない魔女に打ち明けられないだろう。私もこの問題を早く終える為に、これ以上その話題に触れるのは止めた。生涯これっきりかもしれない外見に対する褒め言葉だ。別に害があるわけでもない。

「昨日はどうやら私は酷く泥酔していたようだ」

「そうだね。顔がほてって色っぽかったなぁ。エルニカは肌が白いから」

「ゴホン。とりあえず、お世辞はもういいから、話を聞け。その上で、どうやら貴方にかなりの無理難題を言ったのに私が寝落ちしてしたから、こんなぐだぐだな事になっていると推測したのだが、どうだろう」

「ぐだぐだかどうかはさておき、エルニカが酔っ払っていたのは確かだね。僕は毒で眠りについてしまった姫を助ける為にここへ来て、エルニカに頼ったんだ。そこでエルニカは、姫が飲んだ毒の解毒剤を作ってくれる約束をして、実際に作ってくれた。そして解毒剤をくれる条件が、僕がエルニカのものになるという事だったんだよ」

 大分と落ち着き、昨日の記憶も戻ってきたが、私の記憶と彼の記憶に大きな誤差はなさそうだ。私のものになるという部分の解釈に双方ずれがあるが、それだけだ。

 ならば、私も上手くこの王子の物語をハッピーエンドへ導く言葉を告げるべきだろう。

「私の条件を飲んで姫を助けたその想いは素晴らしい。そして私のところに実際に来たという誠実さも気にいった。だから――」

「お婿さんにしてくれるんだね。ありがとう、エルニカ」

 握手をした状態でぶんぶんと腕を振られる。キラッキラした満面の笑顔だ。これが演技だとしたら、とてつもない腹黒だ。

「って、ちょっと待て。私の言葉の先はそんなものに繋がっていない」

「そんなものって酷いな。僕の一世一代の告白なのに」

「貴方にとってはそうかもしれないが私が知った事ではない。私は貴方の誠実さに感動したから、姫の所へ帰っていいと言おうとしたんだ」


 まったく。

 折角の好意を茶化すなんて。まあでも、他人の為に自分の事を犠牲にしようとしたその精神は、正直凄いとは思う。私にはできない事だ。

 だから感心しているのは嘘ではない。

 それなのに、男はとても悲しげな顔をした。嫌味なぐらい綺麗な青い瞳に涙を浮かべて潤める。泣き顔まで綺麗とか、詐欺の域だ。

「僕はエルニカを愛すと神に誓ったのに、何て酷い事を言うんだい? それともエルニカには他に好きな男がいるのかい? だとしたら、その男に僕は決闘を申し込む」

「私が何の条件もなしで姫を助けると言っているのに嬉しくないのか? 安心しろ。魔女はある一面を見れば誠実だ。約束を違え、再び姫を眠らせるなんて不誠実な事はしない」

「約束をたがえないなら、僕をエルニカのものにしたという事でいいじゃないか」

 折角契約破棄を私から言ってやっているのに、どういうつもりなのだろう。

「ならば聞くが、貴方と私はほぼ面識がないと思う。それなのに、そんな面識もない、ましてや魔女が結婚相手でいいと言うのか?」

 私の申し出は、絶対男にとってもいい事のはずだ。魔女との取引で、危険な目に合わず、大金をとられる事もないだなんて早々ない。

 まあそれだって一方的に魔女が悪いのではなく、魔法の薬の研究にはレアなものが必要だったり、お金もそれなりにかさむから仕方がない、必要経費だとは私は思っているが。

「見も知らない女性との結婚なんて、王家では当たり前の事だよ。敵対している国へ嫁がなくてはいけない姫だっているくらいだからね。僕はエルニカと結婚すると決めて、王位継承権も国に返してきたよ。それに、エルニカが僕にした事を覚えていないの?」

 そう言って、ポッと王子は顔を赤らめた。代わりに私の血の気がさっと引いていく。何をした、私は。一応布団の中ではネグリジェをちゃんと来ていたし、何もなかったはずだ。……なかったんだよな。

 師匠である魔女にも酒はほどほどにしなさいと言われていたのに、今日まで止める事ができなかった自分が憎い。

「少し待ってもらえないか? 昨日の事を今思い出すから」

「うん。いいよ」

 私は必死に自分の記憶をひっくり返し、昨日の事を思い出すために頭を抱えた。




◇◆◇◆◇◆◇◆




「ふふふ。相変わらず、男に縁がないのね――て、そんなのお前の今後に何の関係があるんだ」

 そう魔女会で笑われた私は、家でヤケ酒兼迎え酒を飲んでいた。

 定期的に開かれる魔女会は、世界中の魔女が集まり、知識交換や最近の情勢などの情報を集める場だ。地域によっては魔女狩が行われ住みにくい地域もあって、魔女同士の協力は必須とされる。

 元々、魔女であってもあまり関わり合いを持ちたくない私はあまり参加に積極的ではないが、師匠に出席するように言われたら、出るしかない。

 サボったばかりに、師匠からお小言をもらいたくない私は、出席していた。

 そこで絡んできたのが、同年代の【夜の魔女】だ。

 この魔女は私と違って何というかセクシー路線の魔女で、幾人の男を虜にしている。噂ばかりされる引きこもり魔女である私とは大違いの、男にとっては本物の悪女だ。師匠同士がライバル関係である為、あの魔女は私をライバルだと勘違いし、見かけるたびに絡んでくるのだ。

 そもそもあっちは魔法と言うか呪術、私は薬草を縄張りとしているのだから種類が違うだろうに。

 とはいえ、ここで張り合って下手に魔女同士の対決になったら大変だと思った私は、相手にしないという賢い選択をしたのだが、その時に言われた言葉が今でも忘れられない。


「男と付き合った数が多ければ偉いわけじゃないでしょ。ようは質よ質!! って、質もなにも、年齢=独り身だけどね! へいっ!」

 1人でミュージカル風に歌ってみるが、虚しさが漂うだけだった。

 いつもは1人でいられる事に安堵していたけれど、今日は寂しかった。

 そんな一人酒を飲んでいる最中だった。すみませんと玄関の方から人の声が聞こえたのは。……人の声に一瞬だけ酔いが冷め私はその扉を凝視した。

 これで声が女のものだったら魔女会で2次会に出た誰かが遊びに来たのかもしれないと思いふわふわした頭のまま迎えに行っただろう。しかし扉の向こうから聞こえた声は男のものだった。

 続いてノックの音が鳴り響く。

「すみません、助けて下さい!」

 誰か道に迷ってしまったのだろうか。暗い森には狼などの野生動物や魔物もいる。暗い森の魔女の噂を知らない人なら明かりを頼りにここへ来るかもしれない。まだ時間は夕暮れだが、木々が深い為かなり薄暗くなる。夜になれば歩くのはかなり困難なぐらいに。

 私は深く息を吐いて、フードを被った。黒髪を見ると驚いて大きな声を上げて逃げてしまうかもしれない。そうすると、その声に魔物がやって来るので困るのだ。

 結構切羽詰っているようで、ドンドンというノックの音は止まらない。

「分かった。今開けるから叩くのを止めてくれないか」

 私は外に居る人物にそう声をかけながら、扉を開ける。すると扉の向こうには、ランタンを持って一人の少女を背負った男がいた。

「貴方が、暗い森の魔女ですか?」

 どうやらこの男は、私が魔女だと知った上でここへやって来たらしい。

「そうだが」

 女を背負って私を退治に来る事はないだろうと思い、私はそう答える。別に分かっているなら問題ないなと思い、相手に若干の恐怖心を事前に持たせる為に目深にかぶったフードを外し黒髪を見せた。黒髪、魔女というだけで不吉だ、呪われると勝手に思う人は多い。

 どうしても私は女なので、男の力には敵わない。魔法を使えば何とか撃退もできるが、反射的な部分では純粋な腕力に敵う物はなかった。だから恐怖で暴力を抑制する。

「助けて下さい。お願いします。貴方はこの国1の薬師と聞きます。姫が毒薬を飲んでしまって目を覚まさないけれど、王宮に勤める医師は誰も彼女を助ける事ができなかったんです。お願いします。もう貴方しか頼れないんです」

「私は勿論薬に精通しているが、国1と言うのは大げさだ。ただ魔女だから知っている事もあると言うだけ――という世辞の話はいいな。入れ。絶対助けられるとは限らないが、一度見てみよう」

 この男の話など聞く必要はないが、一度見ない限り梃子でも動かなさそうな意志の強い目を見て、私は玄関先で追い返すのは諦めた。


「感謝します」

 そう言って男は少女を背負ったまま中へ入ってきた。

 部屋の中は、灯の魔法で明るくしてある為、部屋の中では男の姿が良く見えた。この国では一番人気のある金色の髪。少女もまた同じく、太陽のような金色の髪だった。

 顔の事をとやかく言われたばかりだったので、ケッという気分にはなったが、彼らだってその外見に生まれたのは彼らの責任ではないと思いできるだけ気にしないようにする。

「僕の名前は、アーサー。この子の名前は、シャルロットと言います」

 私がそんな事を考えながら歩いているとも知らず、アーサーは自分から自己紹介をした。

「私はもう知っているかもしれないが、エルニカだ。【暗い森の魔女】と呼ばれる事の方が多いが。その子寝台に寝かせてあげてくれ」

 1人ぐらいの部屋などそれほど広くはない。

 私が使っているベッドへ案内した私は彼にそう指示する。寝かされた少女は、まだあどけなさが残るような年齢にみえた。

「この子が飲んだ毒というのは分かるか?」

「詳しいことは分かりません。ただジュースを飲んですぐに倒れたので毒だと思ったんです」

「どうして毒だと? 見た目はただ眠っているだけのようだが?」

「シャルはとても美しいので、他の貴族の姫から嫌がらせを受ける事がしばしばありました。その中の1人を問い詰めたところ、【暁の魔女】から毒薬を買って、シャルの飲み物に混ぜたと吐きました。彼女自身はただの悪戯のつもりだったのですが、それ以降シャルは目を開かないんです」

 【暁の魔女】か。

 私の師匠と同じぐらい薬に精通している魔女として有名だ。しかも、少々厄介な性格をしている。どうしてそんな相手から買ってしまったのだと言いたいところだが仕方がない。

 悪戯予定だったが悪戯では済まないようなものを暁の魔女は戯れに渡したのだのだろう。

「薬の名前はわかるか? もしくは薬自体は持っているか?」

「薬は【眠り姫】という名前だそうで、中身は入っていませんが、薬が入っていた小瓶は持ってきました」


 【眠り姫】という名の薬は知っているものだったので、ほっと胸を撫で下ろす。知らないものだったら、師匠に頼るしかなかった。

 念のため小瓶をかり匂いを嗅ぐと、甘いバニラのような香りがした。【眠り姫】で間違いなさそうだ。これだけ匂いが強いとなると、少量で強めに効果が出るように純度の高い精製をしたのだろう。大方一滴程度で良かったものを、この瓶全てジュースに入れてしまったから、どうしていいか分からない事態になってしまったに違いない。

「何とか彼女を助けて下さい。僕が貴方に渡せるものならば、何だって渡します」

 アーサーにとって、この少女はよっぽど大切な存在らしい。

 まあ、人も喰うなんていう噂まである嫌われ者の【暗い森の魔女】に頼りに来るぐらいなのだから、その気持ちは本物なのだろう。

 綺麗な少女に、綺麗な青年。少々年の差はあるが、貴族では普通の事だと聞くし、婚約していたもおかしくはない。

 だから少しだけ魔が差した。たぶんこれだけ愛されている少女が妬ましかったのかもしれない。

 私はアーサーの気持ちがどれぐらいのものなのか試してみたくなったのだ。さんざん恋人いない歴を魔女会でからかわれたからでもある。


「何だってと言うならば、彼女が無事に目を覚ました暁には、一生私のものとなる事を誓えるか?」

 最愛の人を眠りから覚まさせる事ができても、彼女と引き離される。ましてや、魔女の召使いのような立場に落とされる屈辱。それをこの青年は飲むだろうか?

 勿論私は他人と共同生活をするなんてごめんなので、本当にその条件を飲んだ場合は、理由をつけて早々に返してやる気ではいた。だからこれは私にとっては一種の遊びだった。彼らが深刻なのにそんな酔狂な事をしてしまったのは、酔っ払っていたのもあると思う。綺麗だからと言って、心の中まで綺麗ではないというのが見たかった。

「分かりました。シャルが助かれば、僕は貴方のものになります」

 青年は意外にあっさりその条件を飲んだ。最初はお金で解決できないかと別条件を出してくると思ったのに。まあここまで来るぐらいだから、口約束ぐらいは飲むかと納得する。魔女との口約束を破ったと言う話は数多く聞く。書面を通しての契約は絶対だが、口約束は普通の人にとってはとても軽いものだ。

「ならば私が作った薬を飲ませるといい。この瓶に入っている赤い粒が解毒剤だ。どれぐらいの量を飲んでしまったかが分からないから、最初は1粒のませ30分ほど待ち、目が覚めるまでそれを繰り返すといい。飲ませ過ぎればこれもまた毒にもなるから、くれぐれもたくさん飲ませれば治るなどとは思うな」

 ちょうど手元にあった解毒剤を渡す。

 この薬は魔女会でも欲しがるものが多いので定期的に作っている薬の一種だ。【眠り姫】は魔女の間では効能を抑えて眠剤としても使われる為、副作用が出てしまった時用に売れるのだ。

「分かりました。でもシャルが目を覚ますまではシャルの傍にいたいのですが……」

「分かってる。ここから彼女を1人で帰すのは危険だからな。彼女が目を覚ましたら、もう一度ここへ約束を果たしに来い」

 私はそう言って、アーサーに命じた。

 ただし強制力のある魔法も何も使わない。別に戻ってこなくてもいいと思っている為に。これはただの遊びであり、彼もまた綺麗でないと分かればそれで私は満足だ。

「では目を覚ましたら、すぐにエルニカに会いに来ます」

 そう言って、アーサーはまだ眠っているシャルを来た時と同様に背負って家から出ていった。

「……寝るか」

 酒が入っている為とても眠い。私は服を着替えそのままベッドに倒れるように横になった。

 普段、人と話す事が少ないのに、今日だけで3ヵ月分はしゃべった気がする。だから余計疲れた。

 明日はもう少し静かな1日だといいのにと思いながら、意識はゆっくりと闇のなかに沈んでいった。




◆◇◆◇◆◇◆




「――という感じだったと思うが、何か記憶に相違は、あるだろうか?」

 私は思い出した事をアーサーに話す。ただし、自分のプライドを最低限守る為、魔女会で彼氏いない歴を馬鹿にされた事や、アーサーが約束を守らない男だという事にして妬まないようにしたなどの自分の小ささなどは隠させてもらってだが。

「いや。全く僕の記憶と同じだね」

「……同じだとすると、私には私がアーサーにした事がまったくもって思い浮かばないのだが?」

「何を言ってるんだい。面と向かって、私のものになれなんて告白してきたくせに。あの時のエルニカはかっこよかったなぁ。悪役みたいで」


 なるほど。

 今の発言で分かった。今回のミスは、私の責任ではなく、アーサーが馬鹿だからという事だ。それを見抜けなかった私にも問題はあるのだろうけれど。

「ちなみに私の家にはどうやって入った」

「それはちょっと扉の隙間に棒を差し込んでだね、内側留め具を外したのさ。駄目だよ、エルニカ。あんな無防備じゃ。野生の動物は入ってこないかもしれないけれど、エルニカに惚れた危険な男が忍び込んでくるかもしれないじゃないか」

 真面目な顔をして言うが、まったくもって話にならない推理だ。私はこの馬鹿をどう追い返そうかと、ふかくため息をついた。

「魔女を夜這いに来る馬鹿がどこに居るというんだ。まあいい。私のものになれと言うのは、使い魔になれといっている様なものだ。律儀に約束を守ろうとしたのは認める。もう一度言うが、姫の所に帰ってやれ。お前は美しい姫にお似合いの心の持ち主だ」

 馬鹿だけど。

 天は2つの才能は与えてくれなかったというわけだ。


「じゃあ、使い魔兼、君の旦那という事で」

「……まったくもって意味が分からないんだが」

「だって、もう王子辞めますって言っちゃったし。責任もってここに住まわせてよ」

 何だその理論は。

 アーサーの対応に疲れてきて、私はそろそろ面倒になってきた。そもそも二日酔いの所為で余り気分がいいわけでもない。

「ここでは自分の事は自分でやってもらう事になるし、使い魔になった以上、私の小間使いの様に使われる事になるぞ」

「うんうん。問題ないよ」

 何やら帰りにくい事情もあるようだが、王子ならばここでの暮らしは不便に思って早々に根を上げるはずだ。ならばその時スムーズに追い出した方が早い。

「なら勝手にしろ。ただし、ベッドは私のものだ。枯草とシーツと毛布は用意してやるから勝手に自分でベッドをこしらえろ」

「ありがとう、エルニカ!」

 突然アーサーは私に抱き付いたかと思うと、頬に口づけした。

 あまりの事に一瞬石化した私だが、すぐに我に返って、魔力を手に溜める。そして――。

「断りなくキスも禁止だ!」

 力いっぱいアーサーの顎にアッパーを食らわせた。

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