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四季  作者: Lamman
一年目

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8/10

第五話-雪国

先達は頻りに蒸気を噴き上げながら、長い長い隧道(トンネル)を突き進んで()く。

黒い指導者は我に物のひとつも語りかけることなくいそいそと呼吸ばかりしている。



寡黙な這烏に当られたのだろうか。

車内に人の声は無く、機動音と揺れだけが響いてゐる。



木製の座席は堅くあったが、それは心地の悪いものではない。


不意に光が差し込む。


目を開くとそこには、いちめんのいちめんの、美しい雪景色。

これが、国境の先。


あの、雪の中から覗く土色。


その囲いの数々から、そこは田圃であろう。


私の口がようやく絞り出した言葉は、

もはや呟きにもならないのか。


ふと我に帰り、私は一眼を構えその一瞬の光景を刻み込む。


二つ程駅を通り過ぎると、少しずつ建物も増えてくる。

(ふる)い街並みである。


その光景をまた一眼の中に写しとり、また思い立って言の葉を洩らす。


「綺麗だ」


窓を開け、顔を出す。

その空気は、底冷えの夜の静けさを未だ帯びていた。

その風は冷たく、びゅうびゅうと吹きつける。

朝も過ぎ、太陽は燦々と光っているのに、

雪国はどこか夜の影を引き摺っている。


窓を閉じる。


次の駅が近い。

私は荷造りをし、降りる準備を完了する。


SLが減速し始めた。

駅のホームの前でSLは止まった。

私は荷を担ぎホームへと降り立つ。

改札へと続く道に差し掛かると、また甲高い汽笛が鳴り響く。

「ここがあの雪国か」


這烏は黒煙を噴き上げながら再び走り出す。

彼を取り巻くのは心躍る冒険心か、それとも静けさか。

その問いに答えるのは沈黙のみである───







、、、何も言うことがない。

本当に。


じゃ!またつぎの話で会いましょう!

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