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閑話-枇杷
「うう〜さぶさぶ、、、ただいま〜」
「おかえり〜、どうだった?」
「どうって、、、寒かった!」
「暖冬なのは桜が見れなくなるからやだけど」
そう言って笑う。
「ただいまー」
私は家に入ってからすぐに毛布を取りソファに飛び込んだ。
「ほら手洗いうがい!」
「ちょ〜寒いんだから〜」
「あったかいんだから〜みたいに言わないの」
そうしてひとしきり笑い合ったあと。
正面の窓に目をやる。
「ん〜、、、まだかかりそうだね、枇杷」
「そうだねぇ、今年は遅咲きだったからかな」
そっか、と生返事を返す。
「まあ、遅くても再来週ぐらいには食べれるでしょ、そんぐらいなら待とうよ」
「、、、そうだね」
なおも返事はどこか上の空だ。
自分でもわからない。
なんか忘れてるような。
「最近なんかあるっけ」
そう聞くと、彼はまた笑った。
「何言ってるんだ、次の火曜日は俺たちの結婚記念日だろう?」
「あ"」
彼が向こうを向く。
肩が震えている。
「わーらーうーなー!」
そう言って脇に手を突っ込む!
彼は堪えられず吹き出し、つられて私も笑う。
くだらない。だから笑い合える。
11月の初め。ハロウィーンも過ぎた。
2人の笑い声が家中を満たす──────
んー?2秒ごとに手拍子?気のせいじゃない?




