初めての交配
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「交配ってどうやればいいの?」
「この場でも出来るが……まあ、後で部屋でやるか。1回教えれば自分で出来るようになるだろ?」
「じゃあ後で部屋にいくね?」
さっさと食事を済ませて部屋に入る。と同時についてきたアーリア。……直接来るのか。まあいいけど。交配してしまって、ゴブリンリーダーガチャをやらないといけない。
「来て貰ってそうそうだが、早速交配していくぞ。交配のスキルを発動させるんだ」
「うん。解った」
「それで、レベル10になっているゴブリンを雄雌で選択する。そしたらそのまま交配させる。そうすれば、……俺はゴブリンになった。そっちは?」
「ゴブリン2体がゴブリン1体になったよ?」
「まあ、期待値的にそうなる。それをひたすら繰り返すんだ。ゴブリンリーダーが出来れば運が良い。出来なければ、明日またチャレンジする。明日は今日よりも沢山倒せるはずだからな。因みに、レベル10からは上げなくていいぞ。経験値効率的には、レベル10が最適だ。交配が解禁されるのがレベル10だからな。そこまでは上げないといけないが、そもそもレベル10までは同じ経験値で上げられるはず。仕様が変わっていなければ、そのはずだ」
交配はしやすいようになっている。まあ、それでもかなりの経験値をつぎ込むことになるんだけどな。効率よくどんどんと交配させていき、最強の魔物軍団が出来れば、それでいいんだけどな。
「結果は惨敗か。そっちはゴブリンリーダーが出来たか?」
「うん。2体出来たよ。……どうしたの?」
「いや、確率通りの数値になるのは珍しいなと思っただけだ。期待値はそれ以下の筈なんだけどな」
合計で20回の交配が出来たはずだ。それで10%を2回引くのは、そこそこの確率だったと思うんだがな。いや、全敗の方が珍しいんだったか? 確率は所詮確率だからな。結果がどうなるのかは解らないものなんだよ。
「じゃあ明日もゴブリンと契約するんだ? こんなに居るのに?」
「勿論だ。そもそも契約に制限なんて無い。1万体だろうが、1億体だろうが契約は可能だ。……管理できるかどうかは置いておくとしてもだ。それなりの使い方が出来るから、無限に契約をしていけばいい。それに、契約に成功した時には、経験値が2倍になる。それを有効活用するんだよ。明日は今日よりもテンポよく行くからな。その為のAGIだ。100までは上げておいてくれ」
「解ったよ。今日と同じくらいの時間でいいの?」
「早い方が良いのか?」
「うん。朝起きるのは得意だし、早いなら早い方が良いかなって」
「アーリアがいいならいいぞ。俺も早起きだしな。……宿の食事が出来ればだけどな」
「朝ご飯は必要だよね。ベル君もお腹空くのは嫌でしょ?」
「それは誰でもそうじゃないか? それと、単純作業になるが、それでも大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫。農作業よりは楽でいいし」
比較対象が農作業だからな。農作業は体力との戦いだ。あれはいいスタミナトレーニングになる。動いていない時間が無いからな。常に何かしらの仕事をして居なければならない。スタミナはステータスには出てこない。それ自体は自力で何とかしなければならないのである。アーリアが並外れたスタミナをしているのは、農作業のせいだ。俺も同じだ。……後は、魔法を使わないからってのが上げられる。魔法を使うのであれば、MPを消費するからな。MPの回復を待たなければならない。それはそれで時間がかかるんだよ。でも、INTを上げ過ぎると、契約が出来なくなる。だから罠なんだよな。
それでも精霊は物理無効なので、何とかINTを使わないといけない。エナジーバレットの消費MPは5。割と多い。MPはINTは4倍、MNDは2倍の数字の足し算だ。だからINTを伸ばす方がMPは上がるんだけど、一撃で倒せてしまえば、契約が出来ない。だから、色々と考えてステータスを上げないといけない訳なんだ。単純にINTだけを上げてしまうと、後々辛くなっていく。強い魔物しか契約できなくなるからな。STRが初期値なら、殴って何とかすればいいんだけど、そんな事はやりたくないのが、魔法型にしてしまった後だろうからな。
「それじゃあ、明日の為に早く寝るか。そっちももう寝るだろ?」
「そうだねー。もう太陽も隠れてるし。じゃあ、おやすみ」
「ああ、明日も頑張ろうな」
そんな訳で、就寝。何もやることが無いからな。特に困った事も無ければ、仕様でおかしな事もない。今日はAGIが低かったから、遭遇率は低かったが、これからはもっと回転を上げられる。……相談をきちんとしていれば、アーリアも先にAGIを上げられたんだがな。まあ、100と97は微差である。そこまで気にする事でもないだろう。今日よりも明日。明日よりも明後日。どんどんと効率よくしていかなければならない。そうしないと、経験値が上の魔物を契約できないからな。ゴブリンはまだ弱い方だ。ゴブリンヒーローになってくれば、話は変わるが、それでも魔物としては弱い方だ。それでも何体かは欲しい所である。順当にいけば、50日もあれば、ゴブリンキングにはなるはずだ。余程運が悪ければ、話は変わるんだけど、多分大丈夫だろう。
……いや、効率をもっと突き詰めるか? そうだよな。現実になった今、悠長にやっていられなくなったんだ。5年しかない。今日は2日目。方針を変えるか。ゴブリンキングまでにしよう。そうしたら、精霊の泉に向かおう。その方が効率は良くなるはずだ。ゲームの時とは違って、タイムリミットが発生しているんだ。こんな所で止まる訳にはいかない。それならいっその事、後でゴブリン系を回収しに行った方が経験値的には問題なくなる。
「予定は変更しないといけないな。まあ、とりあえずは黙っているか。その内教えてやれば良いだろう。……まあ、向こうの方が運は良さそうだからな。俺の方が遅れる可能性もあるんだけど」
決めた。そうしよう。それなら、寝てしまった方がいい。明日は早いんだ。さっさと寝て、明日に備えないとな。
そんな訳で翌朝。とは言うが、まだまだ太陽は出て来ていない。農民の朝は早いのだ。太陽が出てから行動したのであれば、遅すぎる。ただし、太陽が沈めば今日の仕事は終わりなんだ。……昨日は森だったからな。感覚がズレていた。それに、初めてのゲームだったんだ。楽しくない訳がない。10年間お預けされてきたんだ。少しばかりはしゃいでしまっても仕方がないだろう?
「おはよう! 遅いよー。早く食べて食べて」
「アーリアが作った訳でもないだろうに」
「今日はもっと頑張るんだよ? 頑張ろうね」
「ああ、頑張ろうな。目指すは最強の召喚士だ。それで、兵役を乗り切って、悠々自適な生活を送るんだ」
「頑張ろうね。でも、最強ってなれるのかな?」
「運が絡むな。まあ、何とかするけど。無理やりにでも最強にはなってやるさ」
目指すは最強。それ以外にない。バグがあるんだから、最強くらいは目指せてしまう。色々と方針転換をする事にはなったけど、最強へのルートは出来上がっている。夢で考えていたからな。これで最強へのルートは出来たはず。後は、どれだけタスクを終わらせることが出来るのか。それにかかっている。
色々と短縮する場所も増えた。それは仕方がない。何とかしないといけないのは当然の事ではあるんだけど、それは確率の世界だ。運が悪ければ、どうしても前には進まない。それで良いのかと疑問はある。だが、何とかしなければならない。確率に勝つには、物量作戦しかない。大量の経験値を用意して、大量に交配をさせていかないといけないんだ。




