砦の防衛
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全部終わってから帰ってみると、召喚獣と味方の軍勢が争っていたので強制的に送還して終わらせた。そして、全軍で突撃を敢行、見事に敵軍事拠点の占領に成功した。
「んで。今回も無事に帰ってきたと。お前らは不死身か? アンデッドだって言われても驚かんぞ」
「そんな事を言われましても……。なあ?」
「だよね。生きて帰ってこれるだけの実力があるってだけなんじゃないかな?」
「実力はそうだよな。誰にも負ける気は無いし」
「はぁああああ。まあ、いいが。とにかく、お前たち以外の全軍が死んだんだ。第15部隊は一時解散……、と普通ならなるんだがな。これを見てみろ」
「はあ。読みますけど、良いんですか? こういうのって機密なんじゃないんですかね?」
「機密でも何でもねえよ。とにかく、……多分お前らは生き残るんだろうと思って強制的に仕事を見つけて来てやったんだ。感謝しろよ?」
「いやー、助かりますね。来年まで暇しているとなると、流石に厳しかったので」
「強い人と戦えるのかなー? 殆ど強い人って居ないんだよね……」
「えーっと、何々。……砦の防衛、ですか?」
「そうだ。今回の戦争で、こっちが領土を獲得した訳だ。それなら向こうも挽回策を取ってくるのは明らかなんだよ。そこで、何処かの砦に攻め込んでくるだろう事は解り切っている。そこでお前らを使う。防衛戦だ。これなら暫くは帰ってこなくて済むだろうからな」
「期限は何時までなんですか?」
「死ぬまでって言いたい所ではあるんだが、お前らは死なないんだろうから、兵役が終わるまで、だな。後は4年と少し残っているだろう? その期間の間、その砦でひたすら防衛戦だ。それと、食料は隣の兎の洞窟からドロップ肉が回収できる。そこで賄え」
「兎肉はある訳ですか……。まあ、行くしかないんでしょうけど、こっちの砦の運営は何処がするんですか?」
「砦の運営は、4年と少しは第15部隊が行う」
「なるほど。その補助をすれば……ん? えっと?」
「要するに、砦にはお前ら2人だけだって事だ。まあ、こっちとしては落とされても構わねえ砦だって事だな。要するに、防衛を薄くして、敵軍を誘い入れたいって事なんだよ。解るか?」
「なるほど。防衛だと人手が足りないので、逆侵攻して、向こうの陣地を落とせば良いんですね」
「……どうしてそうなる? 普通に防衛任務に付け。まあ、防衛している限りは好きにして構わんけどな。最低限の物資に関しては、輸送隊が届けてくれる」
「ああ、じゃあ麦や塩なんかは、敵軍から貰って来ないといけないって訳ではないんですね?」
「お前らなら本気でやりかねんが。まあ、厄介払いって感じだな。第15部隊が中途半端に残っているって状態が一番問題があるからな」
「基本的には死ぬのが普通って事ですか?」
「そう言う事だ。生き残りは基本的に無しだ。お前らも年上は居なかっただろ?」
「そう言えばそうでしたね。あんまり気にしたことがありませんでした」
「気にするだけ無駄だからな。……それに、お前ら、洗脳魔法の事に気が付いてんだろ?」
「まあ、そうですね。初めに使われたのは青を使ったタイミングですよね?」
「そこまで見当が付いているなら話は早いな。お前らだけ魔法がかかった試しがない。なんでなのかは知らねえが、そんな奴らが平然と戦場から帰ってくるんだから、こっちとしても恐怖しかねえ。だから厄介払いだ。本当は兵役を終わらせたかったんだがな……。お前ら、マジで一体何をやったらそんな事になるんだ?」
「召喚士として普通にしていただけですよ? まあ、他の人たちは頑張ってINTを育てていたんでしょうけど。INTなんてそんなに沢山あっても意味がないじゃないですか。明らかにオーバーキルでしょ? なんで極振りをしろって言われているのかが解らないんですよね。普通に育てた方が強いじゃないですか」
「さあな。詳しい事は知らねえよ。だがまあ、生き残りたければ、後4年と少しだ。頑張って戦いな。そうしたら最終的には開放されるからよ。……第15部隊から生還者が出るのなんて、何十年ぶりって感じだけどな」
「あの運用で生き残った人が居るんですね。余程運が良いのか、強かったのか」
「出鱈目に強かった奴が居たんだよ。貴族出身でな。皆が殺したがったんだが、結局5年間生き残ったんだよ。それでも驚きが大きかったんだが、今回は普通の平民がやらかしているんだ」
「そりゃあ、生き残るために色々とやりましたからね。とりあえず、困ったら殴って解決すれば良いんですよ。それが出来るだけの手札を整えただけですので」
「お前らなら、平気で生き残りそうだな。まあ、最後にはここに顔を出せよ。その時は送り出してやるからな」
「……なんですか? 変な物でも食べたんですか?」
「なんでだよ!? まあ、気が変わるかもしれねえからな。砦の防衛は任せるぞ」
「ええ、任せてください。ちゃんと物資も調達しておきますので」
敵軍から物資を奪ってくれば良いんだな? 略奪を行いつつ、虐殺を行えと。まあ、出来るか出来ないかで言えば、出来てしまうんだけどな。それにしても、2人だけで砦を防衛か。まあ、厄介払いとしては良い方かもしれないな。さて、頑張りますかね。
4年と少しして、俺たちの兵役の期間が終わった。ちゃんと時期になったら、兵站の補充が来たし、その時に略奪した物資も渡してやった。……まあ、何というか、変な目で見られたけどな。そりゃそうだろう。物資を届けに行ったら、保存食や鉄なんかが大量に置いてあるんだから。それを持ち帰ってくれって言うのは、変でしかなかっただろうからな。普通に考えて、2人だけの砦が落ちない訳がない。なのに、平然と防衛線を維持しているんだから変な話である。
まあ、単純にこっちの戦力がおかしいだけで、敵軍は頑張っていたんだけどな。……ここ3年くらいは襲われもしなかったが。ただの1人も帰さないし、偶に略奪に前線基地にやってくるしで、敵としては怖かっただろうな。戦線を引いても、そこにやってくるんだから。最後の1年にはドラゴンもやってきていたんだし、まあ、恐怖でしか無かっただろうな。そんな事で、砦は守られたのだ。
正直言うと、暇でしかなかった。砦の掃除も、ショゴスがやっていたし、俺たちは上から召喚獣の働く現場を見ていただけに過ぎない。夜になったら交代で寝て、召喚獣が居ない時間を作らないようにしつつ、色々とやっていた。ただ、それだけなんだよな。それで、帰る時に第15部隊の拠点に立ち寄った。挨拶も必要だろうからな。
「そんな訳で、兵役が終わりましたので、帰りますね」
「……あのなあ。お前ら、常識って知ってるか?」
「基本的な事なら知っていますけど? それがどうしたんですか?」
「何かおかしい事でもありますか?」
「おかしい所しか無いだろう? いちいち報告で、砦が落ちてないどころか、敵軍の物資を奪いつつ、なんか保存食まで作ってやがるし、お前らは防衛任務をなんだと思っているんだ?」
「そんなの決まっているじゃないですか。強い奴と戦うための任務ですよ?」
「……で? 散々よろしくやった結果が、それか?」
「ええ、息子のエーリッヒです。可愛いでしょう?」
「危機感が無いのはそうなんだが、子供まで作るか普通?」
「そのくらいには暇だったんですよ。やることも特に無いですし、兎の洞窟でも経験値は入りますからね。結構捗りましたよ? まあ、そんな訳で、防衛任務は終わりですよね?」
「ああ、終わりだよ。引継ぎの軍隊が向かっただろ?」
「ですね。では、ありがとうございました」
「で? お前らはこれからどうするんだ?」
「シーベルニアールの町で、吸血鬼の町を遊び半分に蹂躙する感じですね。暇が出来れば、ドラゴンバレーにも寄りますけど」
「……やっぱ常識が欠如してるぜ? まあ、お前らが生きている内は、スタンピードなんて起こりそうもないな。それは良い事だ」
「というか、もうちょっと強くならないと、人類が弱すぎるんですよ」
「はいはい。お前らほど強かったら、戦争も苦労してねえのよ」
まあ、それはそうだろうな。とりあえず、暇すぎてアーリアとの子供まで出来てしまったのだ。暫くは狩りも控えないといけないだろうなって。じゃないとアーリアが拗ねる。戦いたいのはアーリアも同じだろうからな。まあ、生きてれば何とかなるんじゃないかなって感じだ。子供が成長すれば、結局は青の宝玉しか使ってもらえないんだろうし、その時は、最強クラスの化物を作ろうかね。子供が第15部隊になっても生き残れるようにさ。
「ねえ、エーリッヒの面倒を暫くお願いね? 私は吸血鬼の町で遊んでくるから」
「駄目とは言わないけど、2時間くらいで帰って来いよ? あと、スタンピードは起こすんじゃないぞ?」
「解ってるよ。じゃあ、まずはお家から探さないとね」
「全く。まあ、良いけどな」
さてさて、今後はどうなることやらだ。
予定よりも短めでしたが、最強になると、書くことが無くなる。でも、最強にしたいって気持ちはある訳ですが。まあ、色々と考えてやる分には楽しかったですけどね。
楽しんで読んでもらえたでしょうか?面白かったらそれでも良いですし、つまらなかったら、感想で愚痴でも書いていってください。
ここまで読んでくれれありがとうございます。次回作もよろしくお願いいたします。




